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日本のモノレール 熱海モノレール

藤沢モノレール
(辻堂〜湘南ライフタウンへのモノレール構想)

社名  藤沢モノレール
開業年月日  -
営業距離 5km
駅数 7駅
複・単線 複線
モノレール方式  懸垂式(SAFEGE)
車両 3両編成

1.藤沢モノレール

藤沢モノレールとは、神奈川県藤沢市の辻堂駅から 北側に進んだ位置となる湘南ライフタウンまで、延長約5km、前線複線、駅数7駅で構想された、懸垂式のモノレール路線。

辻堂駅とは、JR東日本 東海道線の駅。東京駅発着系統と、新宿駅経由で高崎線に直通する湘南新宿ライン、東京駅および上野駅経由で 宇都宮線および高崎線に直通する 上野東京ラインが停車します。駅のすぐ西は、茅ヶ崎市との市境があります。

この辻堂駅と起点とする 藤沢モノレールは、1970年代および1980年代に計画が持ち上がっていますが、いずれもモノレール方式は、サフェージュ式の懸垂式モノレールが前提となっていました。当初、計画には湘南モノレールもかかわっていた時期もあったという事で、この路線を参考にするとイメージが湧きやすいかもしれません。

今回紹介するルートは、1975年以降、西部開発線として、また1982年に日本モノレール協会が思案した、藤沢市モノレールのルートをベースとします。

ちなみにこのモノレール、計画自体があったかなかったのか、良く議論が成される路線となっています。その理由の一つが、行政主体で検討が成されていたわけではなかった事です。

当時国内の多くの地域で、モノレールの敷設が検討されていたわけですが、その多くが、市や 地域の鉄道会社が主体で進めており、比較的実現の可能性が高い位置づけであったのに対し、この藤沢モノレールは、市が行った西部開発線という調査路線に派生した、一つの検討項目となっていました。

1972年には都市モノレール法が制定され、これをベースとした建設の検討も成されたはずですが、市としてモノレール導入を推進したわけでなく、この西部開発線に対して、モノレールの導入提案を、日本モノレール協会が行ったというのが正しい表現であると考えられます。

藤沢モノレールルート
藤沢モノレールの構想路線図
藤沢モノレールの車両は、検討書類によると サフェージ式の3両編成の導入が計画されました。現在の湘南モノレールのイメージが まさにこれに近いと思われます。定員は、編成あたり222人、満員時399人となっていて、最小運転間隔4分で、多くの沿線住民を運んだ事でしょう。

藤沢モノレールの建設事業費は約215億円が見積もられ、このうち、インフラ部の補助金が約97億円となっています。建設は1983年に開始し、1985年ごろの開業を見込んでいたようです。また、開業時の利用者数は一日あたり36000人を見込んでいます。利用運賃は、開業時で全線均一の140円となっていました。
藤沢モノレールに使用されるはずだったサフェージ式モノレール
藤沢モノレールへの導入が想定されていたサフェージ式モノレール(画像は湘南モノレール400形) (c)mjws
西部開発線に関連する資料は、湘南台駅最寄りとなる 藤沢市総合市民図書館内、調査研究室で閲覧が可能です。具体的にモノレールに関する記述が残っているわけではありませんが、湘南ライフタウンやこの街が作られるプロセスについての資料を見ることができます。

日本モノレール協会は、辻堂駅から湘南ライフタウン間において、制定されたばかりであった都市モノレール法を用いた導入を藤沢市へ提案。日本モノレール協会の協会誌には、この路線の計画名として、藤沢市モノレール思案として示されています。
 藤沢市の位置
藤沢市の位置

2.藤沢モノレールルート散策

ルートの起点は、東海道本線の辻堂駅。藤沢モノレールは、ここから湘南ライフタウンまで繋ぐ計画で思案されました。藤沢モノレールの辻堂駅は、この北口バスターミナル付近への配置が想定されていたようです。

駅前ターミナルを出たモノレールルートは、すぐに市道に入り、以降はこの道路に沿って湘南ライフタウンまで目指し進んでいく事となります。
藤沢モノレール辻堂駅予定地
辻堂駅を出たモノレールルートは、都市計画道路 辻堂駅遠藤線 通称けやき通りの上空を北向きに進んでいきます。

2つ目の駅となるのが藤沢モノレール羽鳥駅。羽鳥駅を出たモノレールルートは、直後に位置する大庭トンネル付近を、湘南モノレール等と同様に、トンネルを介し進んでいきます。
藤沢モノレールの計画書にも、この間にトンネルを設置する事が記載されており、このトンネルを含めた建設が前提となっています。モノレール自体、鉄道の建設が難しい地形へ 導入されるケースが多く、トンネル設置自体はさほど不思議な事ではありません。藤沢モノレールへ導入のベースと考えられていた湘南モノレールにおいても、全線で二か所、トンネルが配置されています。

藤沢モノレールでは、軌道が複線で計画されていた事から、大庭トンネルにトンネルを建設した場合、ここにトンネルが2本配置された事でしょう。
さて、トンネルを出て直後に配置されるのが、ルート上3つ目の駅となる、藤沢モノレール有藤駅。ここから周辺は湘南ライフタウンが位置し、この中心を突き進んでいく線形となっています。
さらにこの直後、ルート上4つ目の駅となる、藤沢モノレール南センター駅が位置します。

この後跡モノレールルート上、ルート上4つ目の駅となる、藤沢モノレール南センター駅、ルート上5つ目の駅となる、藤沢モノレール ライフタウン中央駅を通過します。
現在 湘南ライフタウン内には、神奈川中央交通の路線バスが、ほぼひっきりなしに走っています。当時はこの主要道路における基軸の交通機関を、モノレールとして敷設できないか きっと構想したのでしょう。

同タウン内で団地が連立する区間を超え、ルート上6つ目の駅となる、藤沢モノレール 滝の沢駅付近に至ります。

この藤沢モノレール、両端の駅こそ有人で管理するものの、他の中間駅は無人駅として計画していました。つまりこの滝の沢駅などの中間駅は 乗車券を自動販売し、かつ自動改札のみで構成を考えていた様です。
対する両端側駅には駅員を配置する計画だったようで、この一つとなる 北側の終点駅が 藤沢モノレール 湘南ライフタウン駅。

藤沢モノレールでは、この湘南ライフタウン駅で 計画路線がストップしています。

計画書では、この湘南ライフタウン駅以降も北側へ延伸が可能な構造として建設する事が示されています。

また、この第7駅 湘南ライフタウン駅直後に位置する遠藤矢向交差点付近には、同線の車両基地も配置が計画されていました。以上の敷設距離5km、全7駅の配置として、藤沢モノレールは計画されました。

今回は 辻堂から湘南ライフタウンまでを繋ぐ計画として示された、藤沢モノレールを紹介しました。






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