横浜ドリームランドモノレール
-ドリーム交通 モノレール線-
-Yokohama Dreamland Monorail -
Straddle-beam monorail (ALWEG) system , Toshiba
日本国モノレール開発の黎明期、東芝が開発したもう一つのアルウェーグ式モノレールがあった。
奈良、横浜ドリームランドと順調に展開が進んだが、いずれも廃線。
長い年月の中で同モノレールシステムも忘れ去られようとしている。
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1.横浜ドリームランドモノレール
ドリーム交通株式会社が運営したドリームランド線は、かつて神奈川県鎌倉市の国鉄大船駅付近より横浜市戸塚区の横浜ドリームランド付近、およそ5km駅を結んでいた東芝製のモノレール路線。1967年に運行が休止、2003年に廃止となった。
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2.横浜ドリームランドと東芝式モノレール
日本ドリーム観光が開園させた横浜ドリームランド(横浜市戸塚区)への交通手段として、日本ドリーム観光の子会社であるドリーム交通が1966年(昭和41年)5月2日にドリームランド線と称するモノレール路線を開業させた。同園開園の時代となる1960年代は、日本国内におけるいわばモノレール開発の黎明期、同線で採用された「東芝式」の他、「日立式」(日立製作所、アルウェーグ式)、「サフェージ式」(三菱重工(日本エアウェイ))、ロッキード式(川﨑(日本ロッキードモノレール))等、複数のモノレールシステムが乱立した時期であった。東芝は、奈良県に開園した奈良ドリームランド内に試験線の意味も含めて東芝式のモノレール、スペースライナーを建設および開業させ、この方式が横浜ドリームランドモノレールへ採用される事となった。
3.東芝アルウェーグ式
東芝製のモノレールシステムは、日立製作所が設計建設した日立アルウェーグ式モノレールと、基本的なシステムを同じにしているが、台車に連接台車構造を採用したのが特徴と言える。これにより、急な曲線も通過できる他、当時のアルウェーグ式モノレールの課題であった車内へのタイヤハウスの出っ張りを、中間車では連接部に収める事ができ、オリジナルのアルウェーグ式モノレールに比べ車内(乗客)空間を大きく取れる事がメリットだった。
先に開園した奈良ドリームランドのスペースライナーは、園内を周回する園内遊具的意味合いが強かったが、横浜ドリームランドモノレール線では、モノレール大船駅およびモノレールドリームランド駅の2駅間ながら、と注意信号所設備を設け2編成を離合させる等、将来の大規模軌道系交通機関を見据えた線形としていた。また東芝独自の技術として、モノレール車両には自動ステアリング機能が組み込まれた他、他のモノレールでも有していたATC(自動列車制御装置)やATS(自動列車停止装置)が採用された。
4.運営および路線
運行時間帯は朝の7時から22時30分までで、基本的に15分間隔で運行されていた。現都市モノレール法以前に建設された路線であるため、鉄道事業法により建設されている。このため、線形には帰属道路を介さない山間部や川沿いのルートが採用されるなど横浜ドリームランドモノレール独特の路線となっている。
大船駅を出たモノレールルートは直後の柏尾川を越境し、高台と長尾台の法面部分を通り玉縄の住宅地脇に到達。再度山間部に入ったモノレールルートは、これを抜けて312号線を越境、一瞬平地に入り高架線となりますが、さらに再度山間部に突入する。小雀浄水場脇を通過後、同廃線では有名処の小雀信号所を通過、東海道線を越境後、住宅地に突入する。自然保護公園ウィトリッヒの森沿いを迂回しつつ、川沿いを通過、403号線手前で進路を左に取り、ドリームハイツ交差点付近よりランド坂を上りドリームランド駅に到達。なお、現在ドリームランド駅の跡地は駐車場およびバスターミナルの一部へと変貌を遂げている。
ドリームランド線大船駅跡地
画像中央に見える白いマンションの敷地に、かつて横浜ドリームランドモノレールの大船駅が建っていた。 |
横浜ドリームランドモノレールの廃線後。
今現在でもモノレール軌道および敷地への新入を防ぐフェンスが、そのままのこされている箇所も存在する。 |
廃線ルート上には、ドリーム開発(ドリーム交通)の敷地、つまりモノレールの遺構と位置付けられる、同社の敷地を示す証が残る。 |
こちらは山間部の廃線ルートに残された証。ドリームを示す”ド”の字が印象的。 |
横浜ドリームランドモノレール ドリームランド駅の手前にはドリームビルが位置する。かつて、ドリーム開発等、ドリーム交通モノレール線の運営に携わった企業が入居していた。 |
横浜ドリームランドモノレール ドリームランド駅の現在の様子。軌道を支える支承は一段低いGLとなっていたが、該当部は埋められ整地されたのち駐車場として利用されている。 |
路線の概要については、以下動画参考としていただきたい。
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横浜ドリームランドモノレール廃線跡散策 Youtube/Monorail channel
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万国博モノレールの概要 |
運営会社(運行) |
事業者 ドリーム交通株式会社
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開業年月日 |
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営業距離 |
営業キロ 5.3km 所要時間 8分
モノレール大船駅-モノレールドリームランド駅 |
駅数 |
2駅(モノレール大船駅・モノレールドリームランド駅)
運賃 大人170円(往復運賃300円)
小人90円(往復運賃150円) |
基地付属駅 |
モノレールドリームランド駅(検収庫) |
軌道仕様 |
コンクリートおよび鋼製軌道桁 600mm×1200mm
図.モノレールの規格一覧
左段:海外マニュファクチャラー
右段:日本マニュファクチャラー
最大勾配 100パーミル
橋脚数 256本
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モノレール方式 |
跨座式 (東芝跨座式モノレール)
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車両 |
東芝跨座式モノレール10形(連接台車方式)
東芝製(東京芝浦電気) 最高速度 60km/h
車両数6両 (3両編成)
定員 1編成198名
車輌製造 東急車輛製造株式会社
車輌設計 東京芝浦電気株式会社
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編成 |
3両固定編成(2本在籍)
11A・11B・11C(ドリーム号)
12A・12B・12C(エンパイア号) |
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【参考文献】
社団法人日本モノレール協会20年のあゆみ/日本モノレール協会
東京モノレールのすべて 東京モノレール開業50周年記念企画/河野孝司・戎光祥出版株式会社
モノレールと新交通システム/グランプリ出版 2004.12.1
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