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-2025年度-

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エジプト新行政首都線
2025年7月より試運転開始


エジプト政府は、国家的戦略インフラプロジェクトの一環として進行中の新行政首都モノレール計画において、2025年7月より本格的な試験運行を開始すると発表した。本計画は、首都カイロと建設中の新行政首都を結ぶ新たな都市高速交通システムの中核を成すものであり、モビリティの効率化、都市間接続性の強化、及び首都圏の交通混雑の緩和を目的としている。

当初の試験運行は、「キャピタル・ステーション(Capital Station)」から「エル=モーシル駅(El‑Moshir Station)」までの区間を対象とし、無人車両による乗客非搭載の技術検証フェーズとして実施される。その後、運行範囲は段階的に拡張され、2025年末にはナスル・シティ内の主要拠点である「カイロ・スタジアム駅」まで延伸される計画である。全線における統合運行試験および商業運転の本格開始は、2026年第1四半期に見込まれている。

本モノレール計画における東路線、すなわち「East Nileライン」は、全長56.5キロメートルにわたって22駅を設け、ナスル・シティと新行政首都とを結ぶ広域都市交通回廊を形成する。さらに、将来的には西路線(West Nileライン)と連結し、総延長約100キロメートル、全35駅に及ぶネットワーク構築が予定されており、完成時には世界最長級の自動運転モノレールシステムとして機能することになる。

当該システムは完全自動運転方式を採用しており、全列車は新行政首都内に設置された中央統合制御センターより遠隔操作される。車両には高精度の監視カメラ、車内外センサー、火災・煙検知器、乗客緊急通信装置など複数の冗長的安全技術が組み込まれており、国際基準に準拠した高度な安全性と運行安定性が担保されている。これにより、将来的な高頻度運行や多客時対応にも柔軟に対応可能な都市型交通インフラとしての整備が見込まれている。

このプロジェクトの設計・建設・運用に関しては、フランスの総合輸送機器メーカー・アルストム(Alstom)、エジプト国内の有力建設企業・オラスコム・コンストラクション(Orascom Construction)、およびアラブ・コントラクターズ(Arab Contractors)からなる国際コンソーシアムが担当しており、2019年から2020年にかけて着工された。本コンソーシアムは、設計から施工、試運転および初期運用段階に至るまで一貫したプロジェクトマネジメントを行っており、都市交通の高度化と国際的な交通ハブ化を視野に入れた輸送モデルの確立を目指している。

このモノレールの導入は、従来の地上交通インフラでは対応困難であった都市スプロールの抑制や郊外型行政都市の機能性向上に貢献すると同時に、エジプトの持続可能な都市発展ビジョン「Egypt Vision 2030」と整合する施策であり、同国の公共輸送体系における構造転換の象徴的プロジェクトと位置付けられている。


エジプト カイロ 新行政首都線(東ナイル線) (c)shutterstock







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