モノレールニュース
-2026年度-
その他
ブラジル・サンパウロ17号線
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ブラジル最大の都市サンパウロでは、都市鉄道網の新路線として建設が進められてきた 地下鉄17号線(ゴールドライン) のモノレールが、2026年の開業に向けて最終段階に入っている。跨座式モノレール方式による高架鉄道で、南米では数少ない都市モノレール路線の一つとなる計画である。
17号線はサンパウロ南部を東西に結ぶ都市交通路線として整備されており、第1期区間はモルンビ地区からコンゴーニャス空港周辺までを結ぶ。延長は約7kmで、沿線には8駅が設置される予定である。路線は既存の都市鉄道網との接続も重視して設計されており、地下鉄4号線・5号線やCPTM9号線などと連絡することで、サンパウロ南部の交通ネットワークを補完する役割を担う。
この路線の重要な役割の一つは、サンパウロ中心部に近いコンゴーニャス空港へのアクセス改善である。空港と都市鉄道網を直接結ぶことで、慢性的な道路渋滞に悩まされている市内交通の改善が期待されている。
導入される車両は、中国の電気自動車メーカーとして知られるBYDが開発したモノレールシステム「SkyRail」である。サンパウロ17号線では5両編成の車両が導入され、合計14編成が投入される計画となっている。1編成あたり約600人を輸送する能力を持ち、都市交通路線として十分な輸送力を確保する設計となっている。BYDは車両供給だけでなく、モノレールシステム全体の技術供給にも関わっており、このプロジェクトは同社の海外モノレール事業の代表例の一つとしても位置づけられている。
![]() BYD Sky Rail モノレール車両 サンパウロメトロ17号線で使用される。 (c)Companhia do Metropolitano de São Paulo |
しかし、この路線は世界の都市交通プロジェクトの中でも特に遅延が目立った事例として知られている。当初、17号線は2014年にブラジルで開催されたFIFAワールドカップに合わせて開業する予定だった。ところが建設会社との契約問題、資金計画の見直し、環境認可手続きの遅れなど、さまざまな要因が重なり、工事は長期間にわたり停滞することになった。
さらに2019年には、当初車両供給を担当していた企業との契約が解除され、車両メーカーがBYDへ変更されるなど、プロジェクトの再編が行われた。この結果、開業予定は何度も延期され、2014年、2017年、2019年、2023年と延期を重ねた末、現在は2026年の開業が見込まれている。
現在は試験走行やシステム試験など、開業に向けた最終段階の作業が進められている。2024年には最初の車両がブラジルに到着し、2025年からは軌道上での試験運転が始まった。2026年初頭にはコンゴーニャス空港駅周辺での試験運転も行われており、開業準備が本格化している。現時点では2026年3月頃の営業開始が予定されている。
17号線は将来的にさらに延伸される構想もある。長期計画では路線延長は約17km規模に拡大し、地下鉄1号線や他の都市鉄道と接続する広域交通路線になることが想定されている。もし計画が実現すれば、サンパウロ都市圏の交通ネットワークにおいて重要な補完路線となる可能性が高い。
サンパウロ17号線は、南米では数少ない都市モノレールであると同時に、中国メーカーのモノレール技術が海外の大都市交通に導入された代表的な事例でもある。また、当初計画から10年以上遅れている巨大都市交通プロジェクトとしても知られており、世界のモノレール建設史の中でも特徴的なケースの一つとなっている。2026年の開業が実現すれば、長年停滞してきたプロジェクトがようやく完成に向かうことになり、サンパウロの都市交通に新たな軸を加える路線として注目されている。
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