デュッセルドルフ国際空港 スカイトレイン

- デュッセルドルフ国際空港 スカイトレイン-
Flughafen Düsseldorf _Skytrain-

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1.デュッセルドルフ(Düsseldorf)国際空港「Skytrain」

 ドイツ連邦共和国ノルトライン=ヴェストファーレン州の州都デュッセルドルフ市から北方約8kmに位置するデュッセルドルフ国際空港は、同国を代表する国際空港のひとつです。この空港と、隣接する長距離鉄道駅および駐車場施設とを結ぶ交通手段として整備されたのが、「Skytrain(スカイトレイン)」と呼ばれる懸垂式モノレールシステムです。

 このスカイトレインは、ドイツの大手電機メーカーであるシーメンス社が開発した「SIPEM(Siemens People Mover)」方式に基づく全自動運転型の懸垂式モノレールで、空港内の各ターミナルビル、駐車場、ならびに鉄道駅を効率的かつ迅速に結んでいます。2002年7月に開業したこのシステムは、それ以前に運行されていたシャトルバスに代わり、より高い輸送効率と定時性を実現するものとして導入されました。

 
© PiLensPhoto- stock.adobe.com
デュッセルドルフ国際空港の「Skytrain」

2.シーメンス「SIPEM」

 懸垂式モノレール「Skytrain」は、ドイツの大手電機メーカーであるシーメンス社が開発した「SIPEM(Siemens People Mover)」方式に基づく自動運転型の交通システムです。SIPEMは、比較的短距離かつ中規模の輸送が求められる空港施設、大学構内、大規模展示場などでの利用を想定して設計された懸垂型モノレールであり、いわゆる「ピープルムーバー」に分類されます。
 このSIPEM方式が初めて実用化されたのは1984年で、ドイツ・ドルトムント大学に導入された「H-Bahn(ハンギング・バーン)」がその第1号路線となりました。「SIPEM」という名称は「SIemens PEople Mover」の略であり、「シーメンス製の人員輸送システム」を意味しています。

デュッセルドルフ国際空港のスカイトレイン
©Takumaru Tamura

ドイツ・ドルトムント大学のH-Bahn
©Takumaru Tamura

 SIPEM方式の最大の特徴は、車両が軌道の下に吊り下げられた形で走行する「懸垂式構造」にあります。走行機構にはゴムタイヤが用いられており、軌道の内側を車輪が転がる構造になっているため、騒音や振動が非常に少なく、乗り心地の良さが際立っています。この構造は、フランスで開発されたSAFEGE(サフェージュ)式モノレールと類似しており、軌道構造や分岐装置にも共通点が多く見られます。

分岐器を通過するスカイトレイン
Flughafen - Bahnhof駅(空港中央)駅にて
©Takumaru Tamura

分岐器を通過するH-Bahn
©Takumaru Tamura

 また、SIPEMは全自動運転を前提として設計されており、通常は無人での運行が行われます。運行制御や安全管理は、中央の制御センターで一元的に行われており、人的ミスの排除や安全性の向上に寄与しています。さらに、システム全体がモジュール化された設計となっているため、設置や路線の拡張が容易であり、都市部の限られた空間にも柔軟に対応できるという利点を備えています。
 実際の導入事例としては、前述のドルトムント大学「H-Bahn」に加え、2002年に開業した「スカイトレイン・デュッセルドルフ空港」が挙げられます。スカイトレインは、空港のターミナルビルと鉄道駅、ならびに複数の駐車場を結ぶ交通手段として現在も運行されており、SIPEMシステムの高い実用性と信頼性を証明するものとなっています。

3.「Skytrain」

 スカイトレイン・デュッセルドルフは、ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州に位置するデュッセルドルフ国際空港とその周辺施設を結ぶ、懸垂式モノレール型の自動運転交通システムです。2002年7月に開業したこのシステムは、空港内の各ターミナルビルと長距離鉄道駅、さらに空港併設の大型駐車場を効率的に接続する目的で導入されました。開業以前は空港と鉄道駅間をシャトルバスが結んでいましたが、輸送効率と利便性の向上を図るため、ドイツ・シーメンス社が開発した「SIPEM(Siemens People Mover)」方式の懸垂型モノレールが採用されました。
 スカイトレインの路線は全線複線で構成されており、総営業距離は約2.5キロメートルです。駅数は4駅で、いずれも島式ホームを備えた2線構造となっています。駅配置は独特で、路線の一端には空港ターミナル内に設置された「ターミナルA・B駅」と「ターミナルC駅」の2駅が存在し、それぞれ異なるターミナルビルに直結しています。中間地点には、空港の屋内・屋外駐車場に対応する「P4/P5駐車場駅」が設けられており、P5が屋内駐車場、P4が屋外駐車場に対応しています。反対側の終点には、ドイツ鉄道(DB)の幹線・地域列車と接続する「スカイトレイン・デュッセルドルフ空港駅」が位置しています。

Flughafen Terminal A/B駅
©Takumaru Tamura

Flughafen - Bahnhof駅(空港中央)駅にて
©Takumaru Tamura

 P4/P5駐車場駅と空港駅の間には車両基地が設けられており、ここで車両の点検・保守・夜間留置が行われています。列車はすべて無人運転に対応した自動運転システムで運行されており、運転士は乗務しません。1編成は2両編成のユニット構成で、最高運転速度は時速50キロメートル。空港ターミナルと空港駅間の所要時間は約5分と非常に短く、乗り換えを含む空港内の移動をスムーズに行うことが可能です。

ドュッセルドルフ スカイトレイン
Flughafen Terminal A/Bにて
©Takumaru Tamura

ドュッセルドルフ スカイトレイン
Flughafen Parkhaus P4/P5にて
©Takumaru Tamura

 技術的な特徴として、スカイトレインは車両が高架軌道から吊り下げられる「懸垂式構造」を採用しており、軌道内部に設けられたゴムタイヤによって走行するため、騒音や振動が極めて少なく、快適な乗り心地を実現しています。また、軌道の設計や分岐装置はフランス発祥のSAFEGE(サフェージュ)方式と類似しており、構造面での安定性と安全性が高く評価されています。高架上に設置された細身の軌道は空港敷地の景観に配慮した設計となっており、都市型インフラとしての機能性とデザイン性を兼ね備えた交通システムとなっています。




 
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「Skytrain」の車内

Dusseldorf Skytrain 路線概略図

「Skytrain」の外観
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駅名称 駅構造および設備   備考欄
1.Sky Train Airport St.
 スカイトレイン空港駅
パナマモノレール路線図 終点
大阪モノレール路線配線 沢良宜駅
パナマモノレール路線図 分岐器右
パナマモノレール分岐器左中間
1面2 線
島式高架駅

折り返し用
片渡分岐2基
 
ドュッセンドルフ空港駅
接続駅
車庫 配線図省略
2.Airport parking
 garage P4 / P5 St.
 空港駐車場P4/P5駅
大阪モノレール路線配線 沢良宜駅 21面2 線
島式高架駅
空港駐車場(P4・P5)
付帯駅
中間分岐 パナマモノレール分岐器左中間  
3.Airport Terminal A・B St.
 空港ターミナルA・B駅
大阪モノレール路線配線 沢良宜駅
パナマモノレール分岐器左中間
パナマモノレール路線図 分岐器右
1面2 線
島式高架駅

折り返し用
片渡分岐2基
空港ターミナルビル内
4.Airport Terminal C St.
 空港ターミナルC駅
大阪モノレール路線配線 沢良宜駅
パナマモノレール路線図 シウダッド・デル・フトゥーロ軌道末端
1面2 線
島式高架駅

 


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