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Wuppertaler Schwebebahn(ブッパータールモノレール)[ヴッパータールモノレール]

社名  Schwebebahn
開業年月日  1901年(1898年着工)
営業距離  13.3km 
駅数  13駅
複・単線  複線
モノレール方式  懸垂式 (Langen式)
路線概要 Wuppertaler Schwebebahn(ヴッパータール空中鉄道)は、ドイツのヴッパータール市に位置する懸垂式モノレールです。このモノレールは1901年に開業しました。世界でもっとも古い懸垂式モノレールの一つとして、その歴史と技術的特徴で広く知られています。
この鉄道の建設は、ヴッパータールの交通渋滞を解消するために計画され、オイゲン・ランゲによって設計されました。1898年に建設が始まり、1901年に最初の区間(Kluse?Zoo/Stadion間)が開業しました。1903年には全線が開通しています。第二次世界大戦中には被害を受けましたが、1946年には運転を再開しました。1997年以降は大規模な近代化工事が進められ、2013年に完了しています。2018年には集電レールの落下事故により約9か月間運休しましたが、2019年8月に運行が再開されました。

基本データ/運行区間
ヴッパータール空中鉄道は、オーバーバルメンからフォーフィンケルまでを結んでいます。全長は約13.3キロメートルで、このうち約10キロメートルはヴッパー川の上空約12メートルを、残る約3.3キロメートルは道路上空約8メートルを走行しています。全線を通しで乗車するとおよそ30分かかり、高速道路A46を跨ぐ区間もあります。

駅数・駅配置(東→西) 全20駅
Oberbarmen ? Wupperfeld ? Werther Brucke ? Alter Markt ? Adlerbrucke ? Loher Brucke ? Volklinger Strase ? Landgericht ? Kluse ? Hauptbahnhof ? Ohligsmuhle ? Robert-Daum-Platz ? Pestalozzistrase ? Westende ? Varresbecker Strase ? Zoo/Stadion ? Sonnborner Strase ? Hammerstein ? Bruch ? Vohwinkel です。
 
Wuppertaler Schwebebahn 路線図

路線は486本の支柱と桁で構成される鋼製トラス構造の上に単軌レールを設け、その下に車両を吊り下げて走行します。これはオイゲン・ランゲンによって考案された「ランゲン式」と呼ばれる懸垂方式です。路線はヴッパー川に沿って谷の地形に合わせており、道路占用を最小限に抑えながら、市街地の曲線の多い地形に柔軟に対応しています。両端には折り返しループと車両基地が併設されています。ピーク時の最短運転間隔はおよそ3分40秒で、通常時でも4?6分間隔で運行されています。運賃はライン=ルール交通連合(VRR)の料金制度に組み込まれており、共通乗車券やドイツチケットも利用できます。

中央駅のハウプトバーンホフ駅では、ドイツ鉄道の長距離・近郊列車と接続しています。Zoo/Stadion駅は動物園やスタジアムへの最寄駅です。西端のゾンボルナー・クロイツ付近では高速道路A46を跨ぎ、東西の両端(オーバーバルメン駅とフォーフィンケル駅)はいずれも鉄道駅と隣接しています。平日の利用者は1日あたり約8万人にのぼります。通勤や通学の重要な交通手段である一方、観光目的でも高い人気があります。皇帝ウィルヘルム2世が試乗した「カイザー車(Kaiserwagen)」は、現在も特別列車として貸切運行などに使用されています。1950年には象のトゥッフィが車両から川へ転落するという出来事があり、今でも市民の間で語り継がれる象徴的なエピソードとなっています。
車両 GTW72形(The 1972 Series)
 
 Schwebebahn
GT72形
ヴッパータール空中鉄道の1972型車両(ドイツ語:Baureihe 72、またはGTW 72形)は、1972年に導入された第二世代の量産車両です。初代の1901年型車両(Kaiserwagenなどの旧型)に代わり、近代的な車体構造と技術を取り入れて設計されました。以降、2016年から登場した「GTW Generation 15」型が本格導入されるまでの約45年間にわたり、ヴッパータール空中鉄道の主力として活躍しました。
1972型車両は、2両固定編成の構成で、全長は約24メートル、幅約2.2メートル、高さ約2.6メートルです。車体は鋼製モノコック構造で、当時としては近代的なデザインを採用していました。車両の両端には運転台があり、双方向運転が可能です。定員は約120名(座席数46、立席約70)で、都市交通として十分な輸送力を確保していました。最高速度は時速60キロメートル、平均運転速度は約25キロメートルです。駆動方式は直流モーターによる電動式で、軌道上の集電レールから電力を得て走行します。車内は白と青を基調とした明るい内装で、当時のドイツ国内でも先進的なデザインと評価されました。また、窓を大きく取った開放的な構造により、ヴッパー川上空の風景を楽しめる点も観光客に好評でした。
2016年引退
1972型車両は1972年から2016年まで長期間にわたり運行され、ヴッパータール市民に親しまれました。2010年代に入り、設備の老朽化や電気系統の更新困難が課題となったため、新型の「GTW Generation 15」への置き換えが始まりました。2016年には最後の1972型車両が定期運行から引退し、約44年間の運用に幕を下ろしました。現在では、一部の車両が保存・展示用として残されており、特別イベントや鉄道博物館などでその姿を見ることができます。ヴッパータール空中鉄道の発展を支えた歴史的な存在として、1972型は今も地元の人々に強い愛着を持って語られています。


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GTW Generation 15
 (2015年11月度導入、2016年1月より試験運転)

 
 Schwebebahn

GTW Generation 15
ヴッパータール空中鉄道のGTW Generation 15(GTW 15形)は、2016年に導入が始まった最新世代の懸垂式モノレール車両です。1972年型(GTW 72形)に代わる第三世代として、デザイン・快適性・安全性・運行効率のすべてを一新しました。正式な導入は2016年12月から段階的に行われ、2019年までに全車両が稼働体制に入りました。
ヴッパータール空中鉄道は、長年にわたり1972型車両を使用してきましたが、2000年代後半には老朽化が進行し、電気系統・制御装置・車体構造の更新が課題となっていました。そのため、運営会社であるヴッパータール交通公社(WSW)は、新世代車両の導入を決定し、2011年に製造をドイツのインテグラル・フェアケールテヒニーク社(INTEGRAL Verkehrstechnik)に発注しました。このプロジェクトは、単なる車両更新にとどまらず、「次の100年に耐える空中鉄道」を目指した総合的な近代化計画の一環として進められました。

GTW Generation 15は、2016年12月に最初の営業運転を開始しました。当初は試験的に運用され、翌年以降、順次旧型車両の置き換えが進みました。最終的に31編成が導入され、現在は全編成が定常運行に投入されています。 ただし、2018年11月には集電レールの落下事故が発生し、安全対策強化のため一時的に運行を停止しました。その後、原因の解明と補強工事を経て、2019年8月に運転を再開しています。


GTW 15形の台車

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 Wuppertaler Schwebebahn 「The 2015 Series」
 公式発表 Schwebebahn , WSW mobil GmbH


-ブッパータール空中鉄道 新型車両発表-

ドイツ-ブッパータール/2015年11月14日
ブッパータール市長Andreas Muckeは、モノレールの
終点であるVohwinkelにて、5000人の観衆を前に
次世代モノレール車両「シリーズ2015」を発表。

WSW mobil GmbH(de)
WSW mobil GmbH(de)

2015年11月14日 ドイツ-ブッパータール(ブッパータール空中鉄道)
ブッパータール市長Andreas Muckeは、モノレールの終点であるVohwinkelにて
5000人の観衆を前に次世代モノレール車両 -The 2015 Series-を発表しました。
また、ブッパータールの最高経営責任者(CEO)Andreas Feichtは、
「これは次の40年間、私達の街を形作っていく世代プロジェクトである」と述べました。
新型車両の配置によって、20年近代化プログラムの一部が形成される事となります。

車体は溶接によるアルミニウム製で、長さ24m幅2200mm25トンの質量を有します。
新規設備としては、LED照明の採用、46個のパッドを備えた木製の座席等特徴的な項目が挙げられます。
該当車両は2017年までの間に、長らくブッパータールの主役に君臨した前世代車両「シリーズ1970」と順次置き換えられる予定になっています。
新型車両投入によって2分ヘッドでの運行が可能になりますが、これには電源を600から750VDCへ変更する必要があります。

新型車両の試験運転は2016年1月にも開始される予定です。

参照掲載元
WSW mobil GmbH
公式発表 Schwebebahn (11.2015)

 

 Wuppertaler Schwebebahn 「The 2015 Series」
 公式発表 Schwebebahn , WSW mobil GmbH

 
 Schwebebahn The 2015 Series

 Wuppertaler Schwebebahn 「The 2015 Series」
 公式発表 Schwebebahn
 
 Schwebebahn The 2015 Series

 2011年11月、WSW mobil GmbHは31両の新型車両をSchwebebahnへ導入すると発表しました。
 同社への配備は2015年10月を予定しています。
 新型車両は、座席には同社車両では初めてクッションタイプを採用するほか、車両中央の通路は幅員を拡大し、乗客の快適性を追及しています。
 その他、車両両端には多機能スペースを確保、ベビーカーや車椅子のためのスペースを確保しています。
 電気設備についても改善がなされ、LED照明、空調システムおよび情報表示モニターが設置されます。
 車両システム面では、エネルギー再生ブレーキを装備するほか、現在50kwのDCモーターも将来的に60kwの容量を持ち、加速性能が増すとされています。

(ブッパータールモノレール)車両形式の歴史

「The 2015 Series」
 - 2015年10月に導入を予定

「The 1972 Series」
 - 1972〜1975に導入:現行型車両
   25車両が在籍

「The 1900 Series 」
 - 1901年開業時に導入された初期型
   単両および2両編成で運行されていたが、1912年からは2両連結編成での運用となった。
   定員65名、130名/1編成(2両連結編成)
   1973〜1975年に「The1972Series」と世代交代し、「The 1900 Series “Imperial Carriage”」を残して全編成引退

「The 1900 Series “Imperial Carriage”」
 - 今日まで在籍する1900Series特別仕様車
   1900年10月24日、カイザー・ヴィルヘルム2世が利用されたお召し列車
  「Doppersberg 〜 Vohwinkel」
   現在の一部のイベントで使用されている。

「The 1898 Prototye」
 - ブッパータールモノレール開業に先立ち開発されたプロトタイプ




 公式サイト Schwebebahn , WSW mobil GmbH


 Wuppertaler Schwebebahn に運転シュミレーターが登場
 
http://www.simuwelt.de

 ブッパータールモノレールシミュレーター2013が登場
 ランゲン式懸垂式モノレールという、シュミレーターとしては非常にユニークな交通システムの運転を体験できます。
 忠実に再建された1972Seriseモノレール車両および町並みを背に、正確なドライビングと様々なミッションを完了します。

  
 image:simuwet.de


 image:simuwet.de


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http://www.simuwelt.de