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モノレール海外編区切り
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東アジアモノレール

月尾銀河レール
월미은하레일・Wolmi Eunha Rail
1.月尾銀河レール
 月尾銀河レール(Wolmi Eunha Rail)は、大韓民国仁川広域市中区庁が事業を推進し、運営を仁川交通公社が担う予定であった観光用モノレール路線。仁川広域市の西部に位置し、月尾島と仁川駅を結ぶ。当初2009年に開業を予定していた。設備完工後、2009年8月15日から試験運行に入ったが、その後の2010年4月、試験運行中に列車追突事故が発生し開業を延期した。さらにその後、今度は車両案内輪破損事故が発生し、人が負傷する人命被害が起きた。さらにその後も不良施工議論が起き、さらに事業期間が延長される事となった。
 当初アルウェーグ式モノレールの派生システムとされるアーバーノート方式のモノレールが採用され建設が進められていた。しかし、上述した事由により同システムの採用は白紙撤回された。現在は大林モノレール社の小型モノレールシステムにより、月尾軌道車両として2019年6月頃の開業が予定されている。
 
(c)Shutterstock.com
月尾島西海岸部の風景
写真中央付近に見える青い線が敷設された月尾銀河レールの軌道桁
 
(c)THE URBANAUT® COMPANY, INC.
http://urbanaut.com/
月尾銀河レールのイメージパース

(c)Shutterstock.com
海岸線に敷設された月尾銀河レールの軌道桁
 
2.路線
まず第一期区間として仁川駅から出発し、月尾島を循環した後、再び仁川駅に戻ってくる環状線が計画された。その後の拡張(延伸)計画として仁川駅から東仁川駅、新浦市場、自由公園などを回って再び仁川駅に戻ってくるルートが構想されていた。
 
(c)THE URBANAUT® COMPANY, INC.
http://urbanaut.com/
月尾銀河レールの路線構想図

3.車両
方式はアーバノート社の中央案内方式モノレールを採用。モノレール車両は5編成10両が導入され、製作はロウィン社によって行われた。乗車定員は1両あたり立席21人、座席14人の計35人(70人/1編成)となっていた。一連の不祥事によって当該車両は全て破棄され、現存しない。

4.構想
2002年8月から採算性等の調査が実施され、2004年6月には「月尾観光特区マスタープラン」として提示された。これの詳細計画策定によって、2006年10月には、市と交通公社の間でMOUが締結された。2007年2月に妥当性の調査を終えた後、2008年6月に着工した。世界で初となるアーバノート方式によるモノレールシステムが採用される事となった。

5.アーバノート(Urbanaut Technology)
アーバノートは、米国のアーバノート(Urbanaut Technology)社がシステム提案するモノレールで、信号等を含む運行システムをパッケージとするシステム。軌道中央に配したY字型案内軌条と、ベースとなる軌道面をゴムタイヤで走行する構造を有するモノレール技術。日本では中央案内式新交通システム(AGT)のVONA(路線:山万ユーカリが丘線)等に近いシステムと言える。


アーバノートモノレールの
軌道桁概略図

(c)THE URBANAUT® COMPANY, INC.
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アーバノートモノレールの台車構造

6.事業白紙化
2010年末、仁川交通公社では上述したモノレール路線の事業白紙化を発表。”現在建設された構造物では、商業運行時の安全性を担保することができない”というのがその理由。結局完工後の軌道構造物を撤去しなければならない状況に置かれた。この時、そもそも検証されていない新技術を導入したことが問題と指摘された。また、2009仁川世界都市祝典に合わせて完成するよう無理なスケジューリング(1年3か月)が行われた事が手抜き工事が行われる要因となった事も指摘として挙げられている。さらにこの後の検証結果で、車両、軌道、土木、信号、通信などすべての分野で異常が発見され、最終的に正常運行が困難であった事が結論付けられた。


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