モノレールデータベース
当サイトで取り扱うモノレールおよびそれに属する軌道系交通機関について以下の通り定義する。 モノレールを分類するという事は、関係する人間の間では長年議論されてきたテーマでもある。日本においてはモノレールの定義には法律が絡んでいる特性上、跨座式、懸垂式の2種類に分類する事が通例である。現状世界規模に視野を広げモノレールを分類分けしてみると跨座式、懸垂式、案内軌条式鉄道、マグレブという構造的ファクターの4種類となっている他、モノレールメーカーが自社製品を“モノレール”と呼称した場合も、一般にモノレールとして取り扱われている。
分かり易い例では、アメリカのアーバノート・モノレール・テクノロジー社が開発したアーバノートがこれにあたる。同モノレールは、日本では案内軌条式鉄道に分類される構造となっており、同社がモノレールと示す事がなければAPM(AGT)として扱われていたもの。同モノレールシステムは走行軌道および進路支持軌道が分離した構造を持ち、進路支持は軌道中心部に配置された支持軌道によって案内される。身近な方式を例にすると、山万ユーカリが丘線で用いられているVONA式がこれに近い。
先ほど“モノレールメーカーが自社製品を“モノレール”と呼称した場合“と記載したが、実は日本国内にも同様の例が存在する。懸垂型のサフェージ式モノレールを採用する湘南モノレールおよび千葉モノレールがこれにあたる。サフェージ式モノレールのサフェージとは、フランスの国内企業25社が集まった企業連合の頭文字から取った名称( Société Anonyme Française d'Étude de Gestion et d'Entreprises(「フランス経営経済研究株式会社」の意))。外観および構造上は単一の軌道桁となっているものの、走行軌道および進路支持軌道は軌道桁内では分離したものとして配置されており、いわゆる日本ルールでいくと案内軌条式鉄道に分類されていてもおかしくない構造となっている。しかしながら上述した様に、開発メーカー側がモノレールと示したことにより、同サフェージ式モノレールは世界的にも日本国内としてもモノレールの代表システムとして認知されるに至っている。
他にも多くの例が存在しており、モノレールというシステムは開発の背景や人々の見方によって随分と変わる。軌道構造上、走行軌道および進路支持軌道が同一構造なのか分離構造なのか、はたまた、これらが完全に分離した構造(または位置)に配置されているものなのかを見ていく事で、“モノレールの分類”が理解できる。今回の記事では、以下3方式、3型式でモノレールを分類分けする。なお、3方式として示す同一型、分離型、完全分離型については、以下(1)~(3)に注釈を示した。 3方式:跨座式、懸垂式、案内軌条式鉄道 3型式:同一型、分離型、完全分離型 (1)同一型:走行軌道および進路支持軌道が同一構造物で成り立っているもの。 (2)分離型:走行軌道および進路支持軌道が分離しているが、構造上同一のもの (3)完全分離型:走行軌道および進路支持軌道が完全に分離構造となっているもの。 日本に実例が無いため付け加えると、ここで言う完全分離型とは、走行を通常の自動車と同様のゴムタイヤで、進路支持軌道を中央軌条で行うトランスロールや、1本のレールに車体が乗り、車体の片側に取り付けられた車輪で荷重支持を行うユーイング式等を指す。また近年では中国の中国中車(CRRC)グループが開発したART(Autonomous Rail Rapid Transit)等特異的な例もこれに分類する。ARTは、トランスロール等と同様、走行はゴムタイヤで道路上を走行するが、車両に取り付けられたセンサーが路面に描かれた線(仮想レール)に沿って進路を支持する特徴的なシステムとなっている。
|
||||||||||
主要モノレール路線例とMJWS分類 |
||||||||||
|
||||||||||
|
||||||||||
|
||||||||||
|
||||||||||
|
||||||||||
|