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モノレール国内編 上野モノレール
東京都交通局 上野動物園モノレール線
上野懸垂線(上野動物園モノレール)メインロゴ

上野動物園モノレール
正式名称は東京都交通局上野懸垂線。上野懸垂線は東京都上野動物園内の東園駅および西園駅を0.3kmで繋ぐ懸垂式モノレールです。
現存する国内のモノレール路線としては最古のものとして知られていましたが、費用面で車両の更新が出来ない事となり、2019年11月1日から休止。残念ながら2023年12月27日に廃止となりました。東京都ではモノレールの代わりとなる新しい乗り物を整備する方針としています。

上野懸垂線 解体作業の様子(2024年8月)


 
 上野懸垂線 40型車両下面
上野懸垂線 40型車両
 上野動物園モノレール 40型車両前面
上野懸垂線 40型車両
 上野懸垂線40形の車内
上野懸垂線 40型車両の車内の様子
(c)7N4RBN様提供画像

「懸垂電車について」
懸垂式モノレール、ブッパータール市および上野懸垂線について
(c)7N4RBN様提供画像
 上野懸垂線の西園駅車止め
上野懸垂線西園駅軌道および末端部分
手前に写るゴンドラは簡易の保守台車
(c)7N4RBN様提供資料
上野懸垂線支柱銘板1957年10月刻印
上野懸垂線西園駅内支柱の銘板
記「1957年10月 東京都交通局 設計製作架設 八幡製鉄株式會社 石川島重工業株式會社」
開業の2ヶ月前の日付が記されている(上野懸垂線開業1957年12月17日)。
つまりこれら構造物は開業後60年以来の現役である可能性が高い。

情報および資料提供 いずれも7N4RBN様
2001年6月17日撮影


 


その昔、モータリゼーションの進んでいた東京では路面電車や地下鉄とは別の交通機関と成りうるシステムを模索していました。
将来モノレールを都市交通機関として建設すべきであるという結論に達するも、当時「モノレール」は未だ、研究発展段階にあると言わざるおえない状況にありました。

そこで東京都交通局が開発のモデルとしたのが、ドイツ・ブッパータール市の懸垂鉄道(1901開業ランゲン式モノレール)。
しかしながら同モノレールは鉄軌条をベースとしたシステムを採用しており、当時の路面電車と同程度の騒音を発し、かつ速度も30km/h程度となっていました。
東京都交通局はドイツ・ブッパータール市の懸垂鉄道をベースモデルとして据え置きつつ、日本車輌と共同で独自のタイプのモノレールを開発する事となります。

開発にあたっては以下の課題が挙げられていました。
・高速運転が可能な事(最高速度100km/h程度)
・騒音を発しない事
・加減速度が大きい事
・小半径の曲線が通過できる事(R50m程度)
・急勾配を通過できる事(100‰程度)

後に営業線として登場する事となるアルウェーグ式(および東芝式)、サフェージュ式、ロッキード式等のモノレールシステムは当時試験段階の域を脱していませんでした。
上述した様に、東京都は実績のあったドイツ・ブッパータール市の懸垂鉄道を開発のベースとして、これらの課題解決を図れる近代的なモノレールシステムの研究を行いました。

この結果開発されたのが上野懸垂式と呼ばれるモノレールシステム(現在の上野懸垂線)。

東京都はまず、将来仕様の1/2サイズの実験線の施設を造る事とし、1957年12月、地方鉄道法に基づき都が運営するモノレール路線「懸垂式鉄道(上野懸垂線)」が開業を果たしました。
開業時に運用を開始したH形モノレール車両は、現在日本車両工場敷地内に保存されています。
実際にはこれ以降上野懸垂型のモノレールは建設される事はありませんでした。
しかし、日立、東芝、三菱および川崎等によって次々とモノレールシステムが国内へ導入または開発され、今日ではこれらモノレールシステムを海外へ輸出するまでのモノレール大国となっています。

上野懸垂線は以下に示す時期にそれぞれ車両の更新を行いつつ、現在に至るまで同園内にて活躍を続けています。
同線軌道に付された銘板((c)7N4RBN様提供画像:上野懸垂線西園駅内支柱の銘板)には、建設または製造が行われたであろう1957年10月の日付が記されており、建設当時の施設が今日まで使用されているものと推定されます。

1957年(S32年)12月17日 開業(H形)
1967年(S42年)1月1日 2代目(M形)運用開始
1985年(S60年)4月2日 3代目(30形)運用開始
2001年(S13年) 5月31日 4代目車両(40形)運用開始




社名 東京都交通局 上野懸垂線
(上野動物園モノレール)
開業 1957年12月
営業距離 330m
区間 上野動物園 東園〜上野動物園 西園
モノレール方式 上野懸垂式 (ランゲン改式)


上野懸垂線 40型車両 
 上野動物園モノレール平成13年より使用される40型車両
上野懸垂線 40型車両外観(前面)
 上野モノレール40型車両外観
上野懸垂線 40型車両外観
 上野動物園モノレール40型車両の運転台
上野懸垂線40型車両の運転台
 上野動物園モノレール40型車両の下面
上野懸垂線40型車両の下面。
 上野懸垂線 30型車両
 グリーンに配色された上野動物園モノレール30型車両
 
 上野動物園モノレール西園駅
上野懸垂線の駅舎外観(東園駅)
 上野動物園モノレール東園駅外観
上野懸垂線の駅舎外観(西園駅)
 上野動物園モノレール名板 歴代の上野動物園モノレール車両 
上野懸垂線歴代の車両が掲載されている看板。
 上野動物園モノレールの軌道桁
上野懸垂線の軌道桁(東園駅)。
 上野動物園モノレール記念撮影看板
東園駅には上野懸垂線40型と記念撮影出来る看板も。


 30型車両
 

上野動物園モノレール西園駅90年代 上野モノレール30型車両前面写真
平成11年まで運行を続けた上野懸垂線30型車両
グリーンをテーマにしたカラーリングが印象的。

上野動物園モノレール30型車両を支えた軌道桁 現在は青色に塗装されている上野モノレール軌道桁
上野懸垂線30型車両を支えた軌道桁。
車両に合わせてグリーンに塗装されている。

上野動物園モノレール軌道桁 西園駅付近 上野動物園モノレール30型の台車
上野懸垂線30型車両の台車(右)
他にはない独特の構造を有している。


 当ページ内の画像は、提供者了解の元一部加工を行っています。該当箇所は以下の通り。
・肖像権に関与する箇所 ・画像の著作権の表記
(c) 7N4RBN,(c) mjws.org

 

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