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-2016年度-

 2016.03.重慶モノレール3号線北部延伸区間の開業目前に迫る。
8両編成の増備と運行間隔短縮も実施。

2016年03月10日 -mjws配信
2016.03.10.重慶モノレール3号線北部延伸区間の開業目前に迫る。
8両編成の増備と運行間隔短縮も実施。


1. 重慶モノレール3号線北部延伸区間の進捗


このほど中国メディアが重慶モノレール3号線北部延伸区間の進捗および関連情報を伝えた。
現在延伸工事が進められている分别是双凤桥駅~举人坝駅について、分别是双凤桥駅~观月路駅区間の工事が完工したというもの。
残す所、実質的に观月路駅~举人坝駅間の工事のみとなった。
ただし、残る3駅区間中、观月路駅~莲花駅間に建設予定の平滩河大桥(平滩河大橋)の工事が現在も進められているが、難工事となっている。
この平滩河大桥は、重慶モノレール3号線の北部延伸区間中观月路駅~莲花駅間に架かる大橋で、全長160m、幅およそ9mの大型橋梁となる。今現在も工事が進められており、直に完工する見通し。

延伸区間は2016年9月に試運転を開始し、2016年内の正式開通を目指す。
延伸開業を果たすと延伸区間長10.1kmが延長され、重慶モノレール3号線全線では66kmとなる。
これによって重慶モノレール3号線が持つモノレール路線長のギネス記録(55km)を更に更新する。

延伸区間には以下6駅が設置予定となっている。
分别是双凤桥駅、空港广场駅、高堡湖駅、观月路駅、莲花駅および举人坝駅(計6駅)
このうち、空港广场駅は地下駅として、その他の駅舎は高架による建設が進められる。

2.8両編成車両の増備

重慶軌道交通は、朝夕のピーク時対応のため、重慶モノレール3号線の8両編成車両の増備を進める。
3号線では、現在の所6両編成による運行を基本としているが、8両編成化が進めば乗車定員は460人余り増加し、最大1800名程度となる。

最大容量1800名程度(最大)とは、日本国内で活躍する山の手線の1744名(乗車率100%時)に匹敵する数字となる。
※山手線の1編成(E231系500番台11両編成)の定員は、1744名(先頭車286名、中間車1458名)(乗車率100%時)。

画像は重慶モノレール2号線

3.運行間隔短縮

このほど最小運転間隔の改正が行われ、朝夕のラッシュ時において現行2分40秒の運行間隔から、2分30秒間隔へ変更された。
この2分30秒という運行間隔は、重慶モノレール3号線営業路線上において、朝夕ラッシュ時はほぼ全ての駅(およそ1.5)に車両が停車している事を意味する。

こちらも日本国内の山手線と比較すると、山手線08時代の最小運転間隔2分20秒に若干劣る程度の運行間隔となる。

重慶モノレール3号線は、日立製作所のCBTCシステムを採用しており、移動閉そく、ATOおよびUTOによる最短120秒間隔での運行も可能なシステムとなっている。
120秒間隔とは、重慶市の地下鉄路線における最小運行間隔の指標となる数値で、重慶モノレールのこのスペックに対応させたものとなる。
今回の最小運転間隔の見直しも若干の余力(※2)を残しており、今後更に短縮される可能性がある。
※安全面、遅延対策、対費用効果より通常最大値まで運行間隔を切り詰める事はない。

2016.03.10 -mjws(中文和訳:劉)

4.MJWS単語帳

本文中専門用語の簡易解説(正確な情報は専門書等を参照下さい。)。

CBTC:日立製作所が開発した列車運行制御システム
統合指令システム、フィールドコントローラ、現場信号機器および車載装置等の車上および地上装置によって構成されるシステム。

移動閉そく:Movement block system 移動閉そく
従来の軌道回路方式では列車在線検知が固定した区間単位であったのに対し、リアルタイムな移動に対して常に各列車の停止限界点を更新して列車に通知するシステム。
従来使用されてきた方式に比べ、線路容量の大幅な増大が期待できるとされる。
対)固定閉そく式:先行する列車との安全な間隔を保持するため運行間隔のロスが大きくなる。一般に運行頻度や運行速度、駅間距離などを考慮し区間設計を行い設定する。

ATO:Automatic Train Operation 自動列車運転装置

UTO:Unattended Train Operation ドライバーレス自動運転
終着駅等で車両を折り返す場合に、運転士が車両進行方向の運転台へ移動する時間を節約する目的に使用するシステム。
終着駅停車後、運行管理から自動運転の指令を受け、車両は自動的に折り返し線へ進行し(運転手無し)、自動的に運転台を切り替え、更に出発ホームまでの移動を行う。

サイト内関連リンク:重慶モノレール3号線

 
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モノレール・ジャパン田村拓丸 記事編集者:田村拓丸 Takumaru Tamura
MJWS代表 ・ 編集室 デスク (Representative・Assistant editor)
モノレール運行会社との情報交換を基に、コミュニティ向けの講演を実施。モノレール関連記事の執筆や校正、デザイン画の構成・作成、モノレールインフラの維持発展を目指した多岐にわたる活動を展開。