2016年9月22日(祝木)、姫路市文化センター(小ホール)において「姫路モノレール開業50周年シンポジウム」が開催された。
議題は主に、未だ市内に点在する姫路モノレール遺構について。
石見市長、基調講演と続きパネルディスカッション形式での討議が行われた。
会場となった姫路市文化センター(小ホール) |
冒頭石見市長からは、かつて姫路モノレールが建設に至った経緯、その後休止に追い込まれるまでの流れについて当時の石見市長(市長の実父)の話を絡め挨拶があった。
この中では都市伝説としてネット上をさ迷う、船場元町ビル群の単語も登場した。
船場元町ビル群とは、先日解体工事が開始された大将軍駅(高尾ビル)に外観が良く似た建物群の事で、大将軍駅より北上し2号線沿いに西方向へ連立する。
「このビル群の裏手はモノレールの建設を考慮し作られた」という話が市長よりなされ、一部の来場者には衝撃が走ったのではないだろうか。
これは、後のパネルディスカッションで、コーディネーターの市原九州大学助教が「先ほど市長からあった爆弾発言」と紹介された事からも伺える。
その他にも市長からは、姫路モノレールにおける将来の環状線構想、播磨等への延伸構想についての言及、市長就任時はモノレール遺構を空中回廊へ転用する等のアイデアがあった事も語られ、市民のみならず鉄道ファンも盛り上がる内容となった。
基調講演では、近畿大学岡田教授より廃虚先進のイギリス等の例を挙げ、姫路モノレール遺構の歴史的価値を見直し文化財としてアピールすべき旨提言があった。
パネルディスカッションでは、九州大学市原助教をコーディネーターとし、パネリストに田口氏(旧神岡鉄道レールマウンテンバイク)、石田氏(筑波大学)、斉藤雪乃氏(鉄道タレント)、岡田氏(近畿大学)、石見姫路市長を迎え活発な意見交換がなされた。
ディスカッション最後には来場者からの質疑時間が設けられ、討議内容と合わせて
・駅前への姫路モノレール関連構造物(車両)等の移設
・姫路城を例に姫路モノレール遺構の案内人の設置ならびに育成
等が(主に)市長へ提案され、市長が自らメモを取る姿も見られた。
シンポジウムの最後には石見市長より、今後モノレール軌道の撤去と合わせて軌道(上部走行軌条と推定)を3cm程度に切断して売り捌きます、等と冗談もあり会場は大きな笑いに包まれた。
会場を後にする来場者の中には、「文鎮として必ず購入する」等の発言が相次いでいた。
シンポジウムはおよそ16時前に終了。
その他会場入り口では、姫路モノレールに関連したグッズや写真等の販売も行われており、来場者は獲得したグッズを手に喜びの表情で会場を後にしていた。
なお、ここ数ヶ月間の姫路モノレールブームの火付け役となっている「大将軍駅(高尾アパート)」は、8月に一般見学会を終え、現在解体用の足場が組まれ始めている。
シンポジウム後はそのまま姫路モノレール遺構および大将軍駅に足を向ける来場者が多く見受けられた。
足場の組立が進む大将軍駅 |
大将軍駅姫路駅側 |
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