1. 東京都町田市平成30年度(2018年度)6月補正予算
東京都町田市が平成30年度(2018年度)6月補正予算を5月29日に公表した。
1-1. 多摩モノレール町田延伸予算に7,332 万円
長年議論が続けられている多摩モノレール町田延伸に関して、7,332 万円の予算が盛り込まれたほか、「2018年度6月補正予算の主な事業」にて、多摩モノレール延伸に関して必要となる都市計画決定から軌道特許取得に至るまでの計画(スケジュール)が示された。
1-2. 導入ルートおよびその関連個所に該当する施設の整備事業
また、多摩モノレール町田延伸に関する直接的事項の他に、モノレール導入整備決定において重要なファクターを占める、導入ルートおよびその関連施設の整備費用(検討〜整備)等も盛り込まれた。これらは、名称こそ「多摩モノレール町田延伸」が含まれないが、多くは将来的に延伸部新設駅設置想定位置に該当する区画または関連施設であった。主要事項を以下に示す。【 】内は、多摩モノレール町田延伸に際して関連するモノレール、駅舎または道路名称を記す。
1-3.2018年度6月補正予算の主な事業 抜粋
( )内は補正予算案 5.2018年度6月補正予算の主な事業(全42ページ)におけるページ番号。
平成30年度(2018年度)6月補正予算は、2月に市長選挙が行われたため、当初予算を骨格的予算として編成したことから、市長の4期目の政策的事業に係る予算を中心に、町田市基本計画である「まちだ未来づくりプラン」の実現に向けた着実な推進を目指し編成しました。
なお、経常的な市民サービスのための経費や、従来から進めていた整備事業を中心として編成した当初予算に、この6月補正予算を合わせ、2018年度年間総合予算になります。
※平成30年度(2018)年度6月補正予算案は、平成30年(2018年)第2回町田市議会定例会で審議される予定です。
・多摩都市モノレール延伸事業 7,332 万円(38 ページ)
多摩都市モノレール延伸を見据えた公共交通網の再編及び沿線まちづくりの検討を行
います。また、導入空間の確保に向け、都市計画道路の調査等を実施します。
【多摩モノレール町田延伸ルート全般】
【主に桜台駅(推定)、小山田緑地駅(推定)等】
【都市計画道路3・4・20号】
…mjws追記:事業名通り、多摩都市モノレール(町田)延伸関連事業です。
多摩都市モノレール町田延伸ルートの終着点
町田駅 |
町田延伸ルート上の都市計画道路では、モノレール支柱および軌道導入用の中央分離帯が用意される。画像は都市計画道路3・3・36号。 |
・忠生 579 号線・忠生 630 号線新設改良事業 2 億 5,763 万円(44 ページ)
円滑な通行と交通の安全を確保するため、都市計画道路と生活道路を結ぶ準幹線道路である忠生 579 号線及び忠生 630 号線を整備します。
【都市計画道路3・4・20号(周辺関連道路整備)】
…mjws追記:概要に示されている都市計画道路とは、主に都市計画道路3・4・20号を指しています。該当道路は、多摩モノレール町田延伸ルート桜台駅(想定)〜小山田緑地駅(想定)が主に付随する都市計画道路3・4・20号に接続または付近に位置している準幹線道路。整備延長はそれぞれ忠生 579 号線が1300m、忠生 630 号線が650mとなっています。
・(仮称)町田スポーツ公園整備事業 1,663 万円(46 ページ)
「熱回収施設等の周辺施設整備基本構想」に基づき、先行して活用を図る池の辺地区について、公園を整備するための基本設計を行います。
【桜台駅(推定)】【都市計画道路3・4・20号】
…mjws追記:先行して整備が予定される池の辺地区の一部は、将来多摩モノレール町田延伸時に設置される「桜台駅(想定)」の交通広場として併用される可能性が高い区画。対する多摩モノレール町田延伸整備計画は、後述するスケジュールによって2022〜2023年に「都市計画決定」および「軌道法特許取得」が目標とされています。(仮称)町田スポーツ公園はこの初年度となる2022年の開園が計画されている事から、前述した「都市計画決定」に合わせ公園の整備計画も策定されたものと推察されます。
なお、池の辺地区とは当公園の最西側に位置する区画を指し、将来多摩モノレール延伸ルートとなる桜台通りに面した区画でもあります。
都市計画道路3・4・20号配置図 |
町田スポーツ公園整備予定位置 |
・小田急町田駅周辺地区整備事業 570 万円(25 ページ)
多摩都市モノレール延伸を見据えた町田駅交通ターミナル再構築等の検討と連携して、新たな賑わいや交流の拠点となる施設等の整備に向けた検討を行います。
【町田駅(推定) (周辺関連整備)】
…mjws追記:概要に記載されている通り、将来敷設されるであろう多摩都市モノレール延伸ルートおよび新設される同町田駅の計画を見据えた整備事業。現時点より小田急町田駅を含めた町田駅交通ターミナルを再構築する事で、モノレール建設後、町田駅周辺の更なる交流拠点化を図ろうと整備が進められるものです。
2. 「多摩モノレール町田延伸」に関するスケジュール
東京都町田市が公表した「5.2018年度6月補正予算の主な事業(全42ページ)」には、さらに同市が計画する多摩モノレール町田延伸計画(基礎検討〜都市計画決定、軌道特許取得)のスケジュールが示されていた。特に直接および間接的に「多摩モノレール町田延伸」に関する整備事業を抜粋し、以下表として示した。
多摩モノレール町田延伸に関連するスケジュール |
このスケジュールのうち、2022〜2023年の欄に示される「都市計画決定」「軌道法特許取得」の2単語は、事実上多摩モノレール町田延伸に大手をかける一大項目と言える。特に都市計画決定とは、実際にモノレール延伸ルート(正確にはモノレールが付随する都市計画道路および都市計画道路モノレール専用道の事)について詳細な測量および設計を踏んだ段階で示される決定事項である事から、この時点でモノレールの設置ルートはほぼ決定している。これが2022〜2023年頃として今回示された。通例では都市計画決定後、モノレール専用道敷設のため「軌道法特許取得」が行われる。今開のスケジュール中2022〜2023年に示された「都市計画決定」および「軌道法特許取得」の並びはごく自然な表記と言える。
ここで一端整理しておきたいのは、モノレールの建設はこれら「都市計画決定」および「軌道法特許取得」が行われた後であるという事。建設距離や予算規模にもよるが、過去の例より「多摩モノレール町田延伸」には建設に10年近く期間が必要であると推定されるため、実際に開業に漕ぎ着けるのは、最短でも2030年以降である事がわかる。
/mjws編集室
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