モノレールに関するトピックス・ニュース
-2018年度-

 
2018.8.29

パナマメトロ3号線(モノレール)事業本格化、
8月29日事業業社との契約締結。



パナマ共和国内閣審議会は8月29日、同国パナマ西部に建設が計画されているパナマメトロ3号線について、同線の設備およびモノレール車両等を839.6百万$(≒US_933億円)で購入することに合意し、下請け業社との署名締結を承認した。ファンカルロスバレラ大統領が発表した。これにより、パナマ共和国パナマメトロ3号線事業が、本格的に着工に向けて動きだした事となる。

 パナマモノレール予想画像 側面
パナマモノレールのイメージ動画(画像はカット絵)
イメージ動画内のモノレール車両は、パナマ共和国の国旗配色が施されている。
パナマモノレール駅ホーム予想画像
パナマモノレールのイメージ動画(画像はカット絵)
駅舎およびホームの完成イメージも含まれている。

パナマメトロ3号線は、パナマ共和国西部に建設が計画されるモノレール路線で、パナマメトロ運営管理下に置く鉄道路線の内の1路線。同線を運営管轄する事になるパナマメトロでは、今回契約締結が結ばれた3号線(モノレール)の他に、2014年4月に開業した1号線(15.8km14駅)および2015年から建設が開始されている2号線(21km16駅)の2路線が存在する。
 
 パナマメトロ3号線の建設は、日本のODA(政府開発援助)が用いられる国家プロジェクトの内の一つで、2017年4月にファンカルロスバレラ大統領が訪日し同事業の締結を結んだ。これに関連して、ファンカルロスバレラ大統領はODA締結式の翌日に、日本の多摩都市モノレールを視察している。

パナマメトロ3号線に導入が予定されるモノレールシステムは、日本の日立製作所が有する通称「日本跨座型大型タイプ」のモノレールとなっている。日立製作所の日本跨座型モノレールは、特に日本国内では採用実績が豊富で、北九州高速鉄道(北九州モノレール)、大阪高速鉄道(大阪モノレール)、多摩都市モノレール、沖縄都市モノレール(ゆいレール)等各都市で採用され、今日まで各都市の重要な交通機関として運行が続けられている。
さらに近年では海外輸出も活発化しており、中国重慶市の重慶軌道交通2号線、3号線、韓国大邸市の3号線へ日立製モノレールが導入される他、同社が新たに商品展開を開始した小型モノレールシステムがシンガポールはセントーサ島へのアクセス路線として導入される等、多くの国で日立製のモノレールシステムが採用されている。
日立製作所では、1960年代からモノレールシステムの開発に力を入れており、上述した日本跨座型モノレールの開発以前にも、ドイツALWEG社より技術導入したALWEG式モノレールをベースとするモノレールシステムの国内展開を進めていた。代表的な路線として、名古屋鉄道犬山遊園線、東京モノレール、大阪万国博覧会モノレール(大阪万博終了に伴い廃止)等が挙げられる。

 パナマメトロ3号線のルートは、の27km14駅として、パナマ中心地のアルブルックよりパシウダッド・デル・フトゥーロを繋ぐ。途中市街地を出て直ぐ、パナマ運河にモノレール建設と合わせて新たに建設が計画されるパナマ運河第4橋を渡る箇所が存在する。パナマ運河第4橋は、自動車道およびモノレール軌道を有するハイブリッド橋として計画されている。
 今回計画が進められているアルブルックからパシウダッド・デル・フトゥーロ間は、パナマメトロ3号線における全体構想の内、フェーズ1と称される区間。フェーズ2はフェーズ1の西部終点となるチョレラ以降西進するルートとして構想されている。

 パナマモノレールの計画ルート
パナマ首都圏3号線モノレール整備事業 計画ルート
(国際協力機構 案件概要書-2013.2.26-)

サイト内関連リンク:モノレール海外編パナマモノレールモノレール海外編
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MJWS田村拓丸 記事編集者:田村拓丸 Takumaru Tamura
MJWS代表 ・ 編集室 デスク (Representative・Assistant editor)
モノレール運行会社との情報交換を基に、コミュニティ向けの講演を実施。モノレール関連記事の執筆や校正、デザイン画の構成・作成、モノレールインフラの維持発展を目指した多岐にわたる活動を展開。


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