モノレールの工作車
大阪モノレール工作車101

「 101 」 Work Car −Osaka Monorail
大阪モノレール工作車101側面写真
工作車は軌道設備および電線路等の保守点検作業、車両検修時の車両牽引に使用される保守車両。
バッテリーによる駆動で自走する。

 「工作車」とは、人々の寝静まった深夜、モノレール軌道桁および信号通信ケーブルまたはこれに付随する各種のモノレール運行関連設備について点検修繕を行うための保守車両の事。大阪モノレールでは、同線開業に伴い導入された工作車が2車両存在しますが、その内の1車両がこの工作車「101」。型式名称はMOR 1となっていて、工作車「102」MOR 1Aの事実上の同型機となっています。なおこの開業時において、同型機となる工作車102 MOR 1Aには、工作車101と異なりATC/TD試験装置が付与されました。

 工作車は、その小振りな車体に見合わず、通常の営業車両1編成を牽引し走行する能力を持っています。このため、工作車対作業台車、対工作車牽引用の連結棒の他、営業車両と連結が可能な専用の連結器を有しています。
今現在、大阪モノレールでは2018年に新たに導入した工作車106を含め(その他台車、アント車両移動機を除外)、計6台の工作車が保守作業に従事しています。

 なお、大阪モノレールの工作車では、子番追加方式で番号を振っています。つまり、開業時に導入された工作車101および102以降、新造される工作車には103、104、105,106という順で末尾番号を増加させる形で番号振られています。運行会社によっては親番号を追加してゆく方式も存在し、例として北九州モノレールでは101、201(および202)、301、501、601の様に親番号を追加し工作車番号を振っていくケースもあります。
上述した様に、現在大阪モノレールで最後に導入された工作車は、2018年導入の工作車106号。大阪モノレールでは今後瓜生堂までの延伸も計画されていて、いずれは更に工作車を追加導入する事が濃厚と考えられます。今後の大阪モノレール保守部隊および保守車両の動向に注目していきたいと思います。


 工作車101 諸元表
型式:MOR 1

1.寸法
全長(連結器除く) 6000mm
全幅 2957mm
全高 4572mm
高さ(軌上面より) 3132mm
高さ(軌上面より・車両限界)3750mm

2.質量
自重 14.9t

3.牽引力
定格 1400kg
最大 3200kg

4.連結牽引能力
1列車(108t)を平坦で牽引走行可能

5.速度
単独走行(平坦高速時) 25km/h
車両4両108tonを牽引 12km/h

6.車輪
走行輪 11:00-20-16PR(外径1090mm)
ニューマチックタイヤ 
案内輪 6:00-9(外径538mm)
ユニークタイヤ
案内輪 6:00-9(外径538mm)
ユニークタイヤ
補助輪 15*7*11.1/4(外径381mm)
ソリッドタイヤ
7.主電動機出力 28.5kw

8.動力伝達方式
スパイラルベベルギアーおよびピニオンによる二段減速方式

9.制御方式
サイリスタチョッパ制御方式

10.ブレーキ方式
常用油圧ディスクブレーキ
抑速用回生ブレーキ
駐車用ブレーキ

11.作業台
軌道桁両側面用、油圧昇降式(昇降工程1.1m)
軌道桁上面用、固定式

12.バッテリー
蓄電池
(5時間放電率)540AH
2V×96-192V

13.その他装備
発電機、溶接作業具、照明設備、充電器、その他

13.無線装置
列車無線装置と同一仕様(非常発報を除く) 


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