モノレールの工作車
大阪モノレールの工作車 101号

「 102 」 Work Car −Osaka Monorail

工作車は軌道設備および電線路等の保守点検作業、車両検修時の車両牽引に使用し、バッテリーで軌道を自走する構造となっている。

 型式名MOR 1Aと称される大阪モノレールの保守点検車両、工作車102。大阪モノレール開業時に導入された工作車101との同型機で、工作車102にはATC/TD試験装置が備え付けられています。

 「工作車」とは、モノレールの営業運行が終了した0時からおよそ4時頃の間に、モノレールのレール(軌道桁)電気関連設備の保守点検作業を行うために作られたモノレール専用の保守車両の事。営業車両がボギー台車を採用しているのに対し、工作車では一般的に2軸車両方式が採用されています。特に車両長が短く済む工作車ならではの機構と言えます。

 制御台(運転台)は、工作車の車両中央付近に進行方向と垂直に配置されていますが、これは作業性を重視した構造のため。工作車を用いた保守作業では、軌道上面については前後部の作業架台で、軌道側面部については、車体側面に付設した昇降装置付きの架台で作業を行います(例外有り)。これら作業導線の妨げにならない様、工作車では車両中央に運転台が配置される傾向にありました。なお、近年に製造された工作車では、通常の営業車両と同様に、車両の前後部に運転台が設けられる事が多くなりました。これは、近年の電子機器類の進化に伴って、制御スイッチ類をディスプレイパネルで一括管理するものが普及した事によって、制御板の小スペース化が図られた事が一因にあります。


 工作車102 諸元表
型式:MOR 1A(ATC/TD試験装置付き)

1.寸法
全長(連結器除く) 6000mm
全幅 2957mm
全高 4572mm
高さ(軌上面より) 3132mm
高さ(軌上面より・車両限界)3750mm

2.質量
自重 14.9t

3.牽引力
定格 1400kg
最大 3200kg

4.連結牽引能力
1列車(108t)を平坦で牽引走行可能

5.速度
単独走行(平坦高速時) 25km/h
車両4両108tonを牽引 12km/h

6.車輪
走行輪 11:00-20-16PR(外径1090mm)
ニューマチックタイヤ 
案内輪 6:00-9(外径538mm)
ユニークタイヤ
案内輪 6:00-9(外径538mm)
ユニークタイヤ
補助輪 15*7*11.1/4(外径381mm)
ソリッドタイヤ
7.主電動機出力 28.5kw

8.動力伝達方式
スパイラルベベルギアーおよびピニオンによる二段減速方式

9.制御方式
サイリスタチョッパ制御方式

10.ブレーキ方式
常用油圧ディスクブレーキ
抑速用回生ブレーキ
駐車用ブレーキ

11.作業台
軌道桁両側面用、油圧昇降式(昇降工程1.1m)
軌道桁上面用、固定式

12.バッテリー
蓄電池
(5時間放電率)540AH
2V×96-192V

13.その他装備
発電機、溶接作業具、照明設備、充電器、その他

13.無線装置
列車無線装置と同一仕様(非常発報を除く) 


工作車102号 画像 
大阪モノレールの工作車101号前面 保守基地で待機する大阪モノレール工作車101
大阪モノレールの工作車101号側面 大阪高速鉄道工作車101号
   
作業中の大阪モノレール工作車101号 


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