![]()

「 工作車 K-2」 多摩都市モノレール

多摩都市モノレール社
工作車 K-2
(バッテリー式)
北陸重機工業社製
直接作業に従事するバッテリー駆動による普通工作車。
工作車K-2は、多摩モノレールにおける軌道設備および軌道付帯設備の保守・点検作業を目的として導入された、高性能なバッテリー駆動式保守用車両です。動力源にバッテリー方式を採用することで、走行時および作業時の騒音を大幅に低減しており、夜間作業においても周辺環境への影響を抑えた運用が可能となっています。さらに、走行輪が万一パンクした場合でも、油圧ジャッキ式補助輪を用いて自走できる構造を備え、線路上での滞留リスクを低減することで高い安全性と信頼性を確保しています。
車両重量は約19トンで、保守機材や作業員を搭載した状態でも安定した走行性能を発揮します。車体寸法は全長9,600mm、全幅2,950mm、全高4,398mmとし、モノレール設備の制約条件を踏まえながら、十分な作業空間を確保した設計となっています。
駆動系には55kW級のIPMモータを2基搭載し、高い駆動力と優れた制御性を両立しています。走行制御にはインバータ制御方式を採用し、滑らかな加減速特性と高い操作性を実現するとともに、制動時には回生ブレーキにより発生電力をバッテリーへ回収・充電することで、省エネルギー化と消費電力量の低減を図っています。電源には288V・470Ah(5時間率)の大容量バッテリーを搭載し、長時間にわたる保守作業にも対応可能です。
また、車内作業空間は全面フラット床構造とし、作業動線の最適化を図るとともに、側面には広い作業台スペースを設けることで、多様な保守作業に柔軟に対応します。あわせて車体各部の軽量化を進めることで、軌道への負担低減と走行性能、エネルギー効率の向上にも寄与しています。
これらの特長により、工作車K-4は静粛性、走行信頼性、作業効率を高次元で両立させ、環境負荷の低減にも配慮した次世代型のモノレール用軌道保守車両として位置づけられます。

深夜、作業現場へ向かう工作車(立川南駅付近)(K1)