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ウォルトディズニーワールド
Walt Disney World (Florida)
straddle-beam Monorail(Disney-ALWEG)system
ウォルト・ディズニー・ワールド・モノレール
(c)itsallgood-stock.adobe.com
1.ウォルトディズニーワールド モノレール
Walt Disney World Monorail

開業:1971年10月1日
全長:約23.6km
路線構成:2ルート・3系統/6駅
営業上の最高速度:約64km/h
車両上の設定最高速度:約89km/h
運用車両:ディズニー・アルウェーグ型モノレール
開業時:Mark IV 現在:Mark VI

   ウォルト・ディズニー・ワールド・モノレール
(c)icholakov-stock.adobe.com

2. 概要


ウォルト・ディズニー・ワールド・モノレールは、アメリカ・フロリダ州オーランド近郊、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内で運行されている跨座式モノレールです。ディズニーの公式案内では、モノレールはリゾート内に「3つの独立したライン」を持ち、マジック・キングダム、EPCOT、周辺のディズニー直営リゾートホテル、そしてTTCを結ぶ交通機関として位置づけられています。

路線は、2つのルート・3つの運行系統で構成されています。ひとつはマジック・キングダム周辺を循環するルートで、この中にTTCとマジック・キングダムを直結するマジック・キングダム・エクスプレス・ライン、および各リゾートホテルにも停車するマジック・キングダム・リゾート・ラインがあります。もうひとつがTTCとEPCOTを結ぶEPCOTラインです。公式FAQでも、マジック・キングダム方面のルートにはExpress LineとResort Lineがあり、別ルートとしてTTC—EPCOT間のモノレールが運行しています。

マジック・キングダム周辺の2系統は、Seven Seas Lagoonを囲むように敷設された複線状のルートを使用します。エクスプレス系統はTTCとマジック・キングダムを結ぶ直行輸送を担い、リゾート系統はマジック・キングダム、ディズニー・コンテンポラリー・リゾート、TTC、ディズニー・ポリネシアン・ビレッジ・リゾート、ディズニー・グランド・フロリディアン・リゾート&スパを結ぶ各駅停車の役割を持ちます。EPCOTラインはTTCとEPCOTを結ぶ長距離の循環ビームで、パーク間移動の幹線として機能しています。

1971年10月1日のウォルト・ディズニー・ワールド開業時には、マジック・キングダム方面のモノレールが開業し、TTC、マジック・キングダム、ディズニー・コンテンポラリー・リゾート、ディズニー・ポリネシアン・リゾートを中心に運行を開始しました。その後、EPCOTの建設にあわせてTTCからEPCOT方面への路線が整備され、1982年にEPCOTラインが加わりました。ウォルト・ディズニー・ワールドのモノレールは1971年10月1日に開業し、TTCからEpcotまでの別路線が1982年に建設されました。

技術的には、同線はドイツで開発されたALWEG方式をルーツに持つ跨座式モノレールとなっていて、ゴムタイヤで桁上を走行し、側面の案内輪で車体を保持・誘導する構造です。軌道桁はプレキャスト・コンクリート製で、車両への電力供給は桁側面に設けられた給電バーを通じて行われます。Mark VIは600V直流給電、8基の主電動機を備える構成になっています。


photo by CL Photographs

現在使用されているMark VI車両は、開業時のMark IVを置き換える形で1989年から導入され、1991年までに置き換えが完了しました。Mark IVはウォルト・ディズニー・ワールド向けに設計され、Mark VIは1989年からMark IVを置き換え、1991年に更新を完了しています。

Mark VIは6両固定編成で、白い車体に色帯を巻いた外観が特徴です。色帯は単なる装飾ではなく、各編成を識別するための名称にもなっており、「Monorail Red」「Monorail Blue」など、色名で呼ばれます。車両はリゾート内輸送に特化しており、短距離で大量の来園者をさばくため、幅広いドア、立席を含めた高い収容力、強力な空調設備が重視されています。
ウォルト・ディズニーモノレール ディズニーモノレール

運行システム面では、TTCがネットワークの結節点として重要な役割を持ちます。マジック・キングダムへ向かう来園者、EPCOTへ向かう来園者、周辺リゾートホテルへ向かう来園者がTTCで分岐するため、単なる駅というより、駐車場・フェリー・バス・モノレールを結ぶ総合交通ターミナルとして機能しています。

また、各ルートは単純な周回路線でありながら、営業線同士を接続する渡り線や、車両基地へ向かう連絡線を備えています。これにより、車両は営業終了後に車両基地へ回送され、点検・整備を受けることができます。マジック・キングダム周辺のビーム、EPCOT方面のビーム、車両基地への連絡線が組み合わされている点は、テーマパーク内交通でありながら、実質的には本格的な都市交通システムに近い構造といえます。

速度面では、車両側の設定最高速度は約89km/hとされ、ALWEG式モノレールとしては非常に高い水準にあります。ただし、実際の営業運転では安全上の速度制限があり、通常の営業上限は約64km/hとなっています。

このように、ウォルト・ディズニー・ワールド・モノレールは、単なる園内アトラクションではなく、広大なリゾートを結ぶ実用的な大量輸送システムとして整備された点に大きな特徴があります。特に、TTCを中心にマジック・キングダム方面、リゾートホテル方面、EPCOT方面を分岐させる構成は、来園者の流動を効率よく処理するためのものであり、ディズニーが描いた「未来の公共交通」の思想を、現在も色濃く残している路線といえます。
ウォルト・ディズニーモノレール ウォルト・ディズニーモノレール


3. ウォルト・ディズニーとALWEG社、そしてディズニー・モノレールの成立

ウォルト・ディズニー・ワールドのモノレールを語るうえでその原点となるのが、1959年にカリフォルニアのディズニーランドで開業したDisneyland-Alweg Monorail Systemです。これは、ドイツのALWEG社が開発した跨座式モノレール技術をもとに、ディズニー側が独自にデザイン・改良を加えて実現したものでした。

ALWEG社は、西ドイツ・ケルンを拠点に跨座式モノレールの研究開発を進めていた企業で、名称は創設者であるスウェーデン人実業家アクセル・レナート・ヴェナー=グレンの名に由来します。

重要なのは、ディズニーのモノレールが単なる遊園地の乗り物として導入されたわけではなかった点です。ウォルト・ディズニーは、モノレールを未来的な都市交通の一形態として見ていました。ディズニーランドのモノレールはALWEG社の技術をもとに設計され、都市交通で想定される勾配、カーブ、高架構造などを意識して整備されたものです。このモノレールはTomorrowlandのアトラクションでありながら、同時に「将来の公共交通」を実物大で見せる展示装置でもあったのです。

ただし、ディズニーのモノレールはALWEG社の車両をそのまま導入したものではありませんでした。基本となる跨座式モノレールの考え方はALWEG社の技術に基づきつつ、車両デザインや実際のシステム化にはディズニー側の技術陣が深く関わっています。とくに、WED Enterprisesのボブ・ガー、ロジャー・ブロギーらが車両の設計に携わり、ALWEG社の実用的・機能的なプロトタイプに、ディズニーらしい未来感のある外観を与えました。

このディズニーランドでの経験が、のちのウォルト・ディズニー・ワールド・モノレールへとつながっていきます。1971年にフロリダで開業したウォルト・ディズニー・ワールドでは、カリフォルニアのディズニーランドよりもはるかに広大な敷地を前提に、モノレールは園内アトラクションというよりも、駐車場、TTC、マジック・キングダム、リゾートホテルを結ぶ本格的な移動手段として整備されました。ここで採用されたMark IV、そして後継のMark VIも、ALWEG式を基礎とするディズニー独自の跨座式モノレール車両といえます。

その意味で、ウォルト・ディズニー・ワールド・モノレールは、単にALWEG社の技術を導入した路線ではなく、ALWEG社の跨座式モノレール技術と、ウォルト・ディズニーが描いた未来都市交通の思想が結びついたシステムです。カリフォルニアのディズニーランドで「未来の乗り物」として登場したモノレールは、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールドで、広大なリゾートを実際に結ぶ交通インフラへと発展しました。ここに、ディズニー・モノレールの大きな特徴があります。

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