新型工作車 602導入(搬入、組立および試験走行を追う)
(新型工作車602搬入作業の様子(その2:試験走行編)) |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.新型工作車602搬入作業の様子
2019年3月19日〜20日にかけて、北九州モノレールでは新型工作車「602」の搬入作業を実施。組立が完了した工作車602は、搬入の翌20日、21日AMおよび22日AMに構内での試験走行を実施した。当記事は22日に行われた試験走行の様子と可動式天井床、歩行機昇降スロープの確認作業等について紹介するもの。記事は前編(〜搬入・組立)および後編(試験走行)としてインデックスする。 |
組立ておよび艤装作業完了後の翌翌日22日に試験走行の様子を撮影した。 試験走行は主に、工作車車庫〜本線手前の信号までの区間で行われた。 |
|
工作車車庫を出場する新型工作車工作車602 |
トラバーサ上に停車した工作車は、このまま構内線に移動、試運転を開始した。 |
企救丘車両基地構内を行く工作車602 |
|
上記に示す走行試験についての動画を以下に掲載した。 (mjws.org_Youtube) |
|
|
|
試験走行の合間、工作車車庫にて当工作車より採用されている可動式天井床の装備確認ならびに歩行機昇降スロープの設置確認作業が行われた。 | |
|
|
工作車602は、大まかな外観こそ昨年導入された602と同様ながら、以下に紹介する可動式天井床等の装備を代表として、多くの仕様変更が成されている。 特に前面外観上で目を引くのが、車両前部作業籠前面に配置される梯子の据え付け方法。工作車601では前面はカバーで覆われ、梯子は内側に固定する設計となっていた。GLから梯子を昇る際は、車両前部作業籠前面下部に位置するドア(カバー)より籠内側に入り、内面の梯子を伝って作業台上部との行き来を行う。 |
|
【601】 2018年3月導入 工作車601の車両前部作業籠前面形状 前面はカバーで覆われており、梯子は内側に固定されていた(右写真参照)。 |
【601】 |
対する602では車両前部作業籠前面はカバーで覆われておらず、直接梯子が溶接されている。また601では車両前部作業籠前面下部に位置するドア(カバー)より籠内に入る方式であったのに対し、この部分にも直接梯子が据え付けられている。 | |
【602】 車両前部作業籠前面下部は梯子が直接取り付けられた。 |
【601】 車両前部作業籠前面下部に位置するドア(カバー)が開いている状態。ここから籠内に入る事ができる。 |
今回、これまでの工作車との外観上の最大の違いが、以下に示す可動(スライド)式天井作業床。主に駅舎天井や車両上部に位置する構造物の補修作業などの用途に用いられる。作業床の周囲には取り外し式の手摺りが設置できる様に設計されており実際の作業時には相当の車高になる。 |
|
工作車天井に見える2つの突起が 可動(スライド)式天井作業床 |
可動(スライド)式天井作業床外観 作業床より下方に突き出る特記は、アタッチメント式の手摺を固定するための冶具 |
可動(スライド)式天井作業床外観写真(側方向より撮影) 可動(スライド)式天井作業床外観写真(前方向より撮影) |
|
作業床は前後に2台配置されていて、床部寸法は左右方向に2.6m、前後方向におよそ1.5m。実際の作業時には、作業床を左右方向に張り出し、工作車の車幅を超える範囲での作業が可能となる。作業床はいずれか片側に1m程度(車端より0.9m)スライドでき、両作業床をそれぞれ反対方向へ展開させた場合、最大幅は4.6mにもなる。 | |
可動(スライド)式天井作業床の動作確認 |
可動(スライド)式天井作業床展開状態 (画像は小倉方) |
可動(スライド)式天井作業床概略 |
|
可動(スライド)式天井作業床の耐荷重は0.1t |
|
可動(スライド)式天井作業床収納状態 |
|
可動部ベアリング 前後輪と案内輪、まさにモノレールonモノレール。 |
|
可動(スライド)式天井作業床の稼働構造は、スライドレールローラーライプとになっていると推察される。 |
|
可動(スライド)式天井作業床(企救丘方) | |
こちらは車内の様子。 | |
装備品の動作確認において、歩行機を軌道桁に降ろすスロープの動作確認も実施された。 | |
最後に…工作車車庫に集合した北九州モノレール工作車部隊 (左奥より501、602、301、右手前601) |
新型工作車602 2019年3月導入 インデックスページ |
新型工作車602搬入作業の様子 その1:移送〜搬入編(2019.3.19)) |