引き続き、瓜生堂延伸ルート解説の後編、東大阪市域編に入ります。東大阪市域は、今回の大阪モノレール瓜生堂延伸整備において半分以上の割合を占める核の部分と言える区域。その距離は延伸全8.8km中5.0kmでおよそ57%の距離に該当します。当区域に新設される駅は3駅で、それぞれ「(仮称)鴻池新田駅」「(仮称)荒本駅」および「(仮称)瓜生堂駅」となっています。さらに新たな終点となる「(仮称)瓜生堂駅」近傍には、これまで南進車庫と称され、今回(仮称)瓜生堂車庫として具体名で示された新設車庫が計画されています。
3.「(仮称)鴻池新田駅」
鴻池新田駅(仮)
-Kounoikeshindene- |
「(仮称)門真南駅」を出た大阪モノレール瓜生堂延伸ルートはそのまま近畿自動車ならびに中央環状線間の緑地帯上を進み、「(仮称)鴻池新田駅」手前で寝屋川を越川、JR学研都市線を越境した直後に「(仮称)鴻池新田駅」に至ります。
寝屋川直後の緑地帯区画の状況。現在は公園として運用されている。画像中央に見えるのがJR学研都市線で、「(仮称)鴻池新田駅」はこの直後に配置される。 |
大阪モノレール「(仮称)鴻池新田駅」周辺図 |
「(仮称)鴻池新田駅」配置予定位置の様子。現在は緑地帯となっている。 |
「(仮称)鴻池新田駅」予定位置を「(仮称)門真南駅」方向より見る。 |
「(仮称)鴻池新田駅」を出た大阪モノレール瓜生堂延伸ルートは、トラックターミナル入口交差点までこれまでと同様に緑地帯を進路に取り、その後「(仮称)荒本駅」を目指す方位で若江稲田線に侵入していきます。
荒本駅(仮)
-Aramoto- |
4.「(仮称)荒本駅」
トラックターミナル入口交差点より、モノレール延伸ルートは若江稲田線に進路を変えます。若江稲田線は既設道路ながら幅員が小さく、都市計画が決定されればモノレールの敷設と合わせて南東方向へ拡幅される事となります。
トラックターミナル入口交差点を若江稲田線((仮称)荒本駅)方向より見る。
|
|
今回モノレール延伸ルートとして計画される若江稲田線の様子。当道路は主に南側(画像右側)に拡幅が計画される。 |
若江稲田線を通過した大阪モノレール瓜生堂延伸ルートは、右方向に進路を変え新庄荒元北線に入線。新庄荒本北線はイオン東大阪店および中央図書館・東大阪市役所前の間に位置する道路の事で、現行4車線道路として運用されています。大阪モノレール瓜生堂延伸ルートとして決定すると、現行の幅員30mよりおよそ59mへ(主に東側へ)拡幅される見通しです。
およそ600mの区間、若江稲田線に帰属した大阪モノレール瓜生堂延伸ルートは、ここから新庄荒本北線に帰属道路を変更する。 |
新庄荒本北線の様子。画像中央付近に「(仮称)荒本駅」の設置が計画される。 |
この中央図書館およびイオン東大阪店北側およそ半分目の位置に「(仮称)荒本駅」が新設されます。
新庄荒本北線阪神高速13号線東大阪線側の様子。正面に見える背の高い建物は東大阪市役所。 |
大阪モノレール瓜生堂延伸ルートは、直後に控える阪神高速13号線東大阪線を上空で越線する。 |
「(仮称)荒本駅」を出たモノレール延伸ルートは、東大阪市役所南東区域をかすめながら進路を南西方向に取ります。
この時、直後に控える阪神高速13号東大阪線を上空で越線、荒本西4町目付近に配置される道路(下写真2枚)を伝い、再び中央環状線および近畿自動車沿いに戻ります。
画像の道路が、新たに大阪モノレール瓜生堂延伸ルートとなる。
|
大阪モノレール瓜生堂延伸ルートは、画像中央位置より徐々に左カーブし、中央環状線および近畿自動車沿いに再び合流します。 |
大阪モノレール瓜生堂延伸ルートを東大阪市役所展望台より見る。大阪モノレール瓜生堂延伸ルートは右下に見える道路を伝い、中央環状線および近畿自動車沿いに合流する。
|
この周辺も、引き続きモノレール用地として確保された緑地帯が続いている。 |
中央環状線および近畿自動車沿いに合流した大阪モノレール瓜生堂延伸ルートは、引き続き現在の緑地帯部分を導入空間として最後の延伸新設駅(仮称)瓜生堂駅を目指します。
瓜生堂駅(仮)
-Uryuudou- |
5.「(仮称)瓜生堂駅」
およそ8.8kmで計画される大阪モノレール瓜生堂延伸ルートは、ここ(仮称)瓜生堂駅を持って、現段階での計画線を終了。(仮称)瓜生堂駅では、近鉄奈良線と直角に位置する箇所に駅が新設される計画です。さらに近鉄奈良線にも駅が新設される構想で、両駅の駅前交通広場として、近畿自動車道を挟んだ反対側にこの区域が設定されています。
大阪モノレール(仮称)瓜生堂駅設置予定位置。
|
大阪モノレール(仮称)瓜生堂駅周辺概略図 |
およそこの地点が大阪モノレール(仮称)瓜生堂駅の駅舎末端部分となり、駅舎の先手にはこれまでの末端駅と同じく軌道末端部が設けられる。 |
近鉄奈良線、大阪モノレール(仮称)瓜生堂駅の駅前交通広場が計画される付近の現在の様子。大阪モノレール(仮称)瓜生堂駅の駅舎は画像右手近畿自動車道を挟んだ反対側に位置する。 |
6.「(仮称)瓜生堂車庫」
今回大阪モノレール瓜生堂延伸ルートの整備事業においては、この延伸区間用となる新たな営業車両の増備とこの増備車両用の車庫が必要なる事から、瓜生堂駅付近の近畿自動車道および府道2号中央環状線間の緑地帯に新たに車庫を設ける計画となっています。車庫の規模は70×200m(14,000u)で、瓜生堂駅前後の分岐器を介して入庫する構造となる事が推定されます。なお、瓜生堂駅久宝寺口側には、これまでと同様入れ替え線が設けられる予定(千里中央駅、門真市駅等)。瓜生堂車庫は瓜生堂駅北側(門真市駅側)に設置される予定である事から、瓜生堂駅からのスイッチバック形式での入線となる事が推察されます。
大阪モノレール(仮称)瓜生堂車庫周辺概略図 |
大阪モノレール(仮称)瓜生堂車庫の現在の様子。画像に写る緑地帯より奥手方向にモノレールの新設車庫が整備される計画。 |
|
ここまで、現段階で公表されている都市計画素案をベースとした「大阪モノレール瓜生堂延伸ルート」を解説してきました。今後8月9-10日より大阪府都市計画公聴会、11月には都市計画案の縦覧および意見書の提出が実施されます。都市計画の最終的な決定は、平成31年2月の大阪府都市計画審議会を経て、平成31年3月頃に告示される計画となっており、およそこのスケジュールで進んでいくものと考えられます。 外観上確認できる様な本格的な工事は、平成31年(2019年)中旬以降より開始されていくものと考えられます。
現在公表されている計画通りであれば、大阪モノレールの瓜生堂までの延伸部の開業は2029年の予定。本記事をネット上にUPしているのが2018年夏頃の予定ですので、これから丁度10年後に瓜生堂までの延伸が完了しているはずです。当サイトでは今後も、当延伸計画に変更が生じた都度、記事の編集を実施しより確実な情報を提供できる様体制を整えていく次第でございます。
|