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モノレール国内編 大阪モノレール

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大阪高速鉄道(大阪モノレール)

-Osaka Monorail-
Straddle-beam monorail (ALWEG) system , Hitachi


2016年1月、遂に門真市~瓜生堂方面延伸が決定。
エキスポシティ開業、吹田サッカースタジアム、延伸計画の進展と
話題の尽きない大阪モノレールを紹介します。

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大阪モノレール瓜生堂延伸ルート 概略
大阪モノレール 東センター延伸
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北大阪急行箕面延伸
大阪モノレール彩都線のページ
大阪モノレール 彩都線 走行画像集2015
大阪モノレール 彩都西駅 延伸
大阪モノレール 彩都西以北 延伸
大阪モノレール 豊川駅

 
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1.大阪高速鉄道(大阪モノレール)

大阪高速鉄道(大阪モノレール)は、大阪モノレール線(本線)および国際文化公園都市線(彩都線)からなる、日本跨座式タイプのモノレール路線です。総延長は28kmにもなります。

大阪高速鉄道(大阪モノレール)が建設される以前、大阪府の鉄道路線は、大阪市を中心として放射状に発展していきました。
大阪都市圏は拡大を続け、放射状に延びるJRおよび各種私鉄路線を連絡する環状軌道系交通機関が計画されました。
これが、後の大阪モノレール開業に繋がります。
大阪モノレール環状線構想全体ルート
大阪府が検討する環状モノレール構想とそのルート
モノレール本線中央部分に位置する門真市~瓜生堂間は2029年延伸開業が予定されている。

初期計画として、千里ニュータウンおよび北大阪地区における大阪国際空港~南茨木間の13.7kmの事業特許を取得。
このうち千里中央~南茨木間6.7kmの区間を第一期区間として開業(1990年6月1日)させる事となりました。
2016年現在、大阪モノレール本線は大阪空港より門真市間を開業させています。
2029年にはさらに門真市~瓜生堂間が延伸開業する予定となっています。

大阪モノレールは、国の建設補助を受けるモノレール路線としては、S60年に開業した北九州モノレールに続く2号路線で、いわゆる「都市モノレール」に位置づけられます。
これはつまり、鉄道法ではなく軌道法により管理される軌道で、法律上は道路の一部を構成するインフラストラクチャ(モノレール専用道)として考えられます。
大阪モノレールでは、北九州モノレールの建設で培われた経験および技術を盛り込みつつ、大阪モノレールにマッチした改良および変更が加えられました。

1-1. 大阪環状モノレール計画

昭和46年大阪府企画室では交通輸送体型の整備に関連して、鉄道網の整備について以下の様に示しました。
・都心部への過度集中を緩和し、多核心的な都市構造の形成が必要である。
・東大阪を南北に貫き、北大阪、南大阪を東西に結ぶ「中央環状鉄道」の建設が有力
・環状鉄道には、モノレール等の新しい輸送方法を導入する事を検討する。

その後、昭和46年12月の都市交通審議会第13号答申では、この環状鉄道が新設を考慮すべき路線として答申されました。
現在の大阪モノレール整備の始まりを告げるものでした。
更には翌年の昭和47年11月、都市モノレールの整備に関する法律(いわゆる都市モノレール法)が制定され、いよいよ事業化へ大きく動き出します。

昭和49年には学識経験者、運輸省、建設省および大阪府関係者で構成する「大阪環状モノレール計画検討委員会」を設立。
基礎調査として、環状モノレール導入の検討が開始されました。
次いで昭和51年からは、事業化へ向けての都市モノレール調査が実施され、いよいよ大阪環状モノレールの形が見え出していた。

昭和55年8月、ついに事業主体である大阪府によって大阪府総合計画概案が公表。大阪モノレール環状線について、第一期区間として豊中方面~茨木方面(13km)の建設を促進するものとして示され、さらに茨木方面からの延伸についても事業化の検討を進めるものとして示されました。

1-2. 大阪モノレール線(本線または環状線)

大阪モノレール線は、大阪空港駅~門真市駅までの21.2kmを結ぶ大阪モノレールの主路線です。
大阪空港駅(伊丹空港)より千里中央駅、近年開業した複合商業施設EXPOXITY(エキスポシティ)を有する万博記念公園を経て、門真市駅までを結ぶ北大阪地区の主要路線と位置付けられます。

現在、既存終点駅である門真市~瓜生堂間9kmの延伸計画が進められています。(2019年着工、2029年開業予定)
門真市~瓜生堂間の延伸開業が実現すると、大阪モノレール本線は延長30kmを突破する長距離モノレール路線となります。
(彩都線と合算すると、その総延長は37kmとなります。)

1990.06 千里中央-南茨木 開業
1994.09 柴原-千里中央 延伸開業
1997.04 大阪空港-柴原 延伸開業
1997.08 南茨木-門真市 延伸開業
2029 門真市-瓜生堂方面 延伸開業予定

 大阪モノレール千里中央駅付近
写真 千里中央駅付近
 大阪モノレール 千里中央駅を出発
写真 千里中央駅付近

 大阪モノレール 走行画像集2015

1-3. 国際文化公園都市線(大阪モノレール彩都線)

国際文化公園都市線(彩都線)は、万博記念公園駅~彩都西駅間6.8kmを結ぶ大阪モノレールの支線です。
上述(1-1. 大阪モノレール線)した「大阪モノレール線」については、彩都線開業後、彩都線を含めた大阪モノレール全線について「大阪モノレール」と呼称される様になったため、「本線」と呼び区別されています。
2007年3月には、待望の阪大病院前~彩都西駅が延伸開業しついに当初予定であった彩都本体と繋がりました。
初期に構想されていた豊川駅~彩都西駅間の中間駅である川合駅については、街一体となった整備が必要とされた事から白紙となっています。

1998.10 万博記念公園-阪大病院前 開業
2007.03 阪大病院前-彩都西 延伸開業

 大阪モノレール彩都西駅付近 すれ違い
写真 彩都西駅付近
 大阪モノレール彩都西駅付近
写真 彩都西駅付近

大阪モノレール国際文化公園都市線(彩都線)は、2007年3月19日 計画ルートの途中段階である彩都西駅までの区間が開業しています。
将来的には、彩都西駅~東センター駅(仮称)までを延伸開業させ、万博記念公園~開発地区東部に位置する東センターまでを結ぶ事としています。
 大阪モノレール彩都線全ルート
なお、上述した彩都西~東センターまでの延伸計画については、東センターを含む彩都の整備状況をふまえた上で整備する事とされています。
開発整備が進む西部地区および中部地区に対し、東部地区の開発は未だ進展していません。
更に2008年にはURが東部地区開発からの撤退を表明した事で、開発は一層困難な状況となっていました。

 大阪モノレール彩都西駅末端軌道
写真 彩都西駅先に設置された留置線と末端軌道
現在の軌道末端部分は左右の道路面より若干下部に位置している。
延伸時はこのまま道路面半下部を推移し、現在工事中の茨木箕面丘陵線岩阪橋梁部へ到達すると見られる。
この先では茨木箕面丘陵線岩阪橋梁部の工事が進む。
大阪モノレール彩都西駅より東部地区方面を見る 
末端軌道位置より中部、東センター方面を見る
中央分離帯が台形状に大きく取られているのは、
モノレール延伸が実現した場合の事を考慮したもの。
現在、先で工事が進められる茨木箕面丘陵線は西行区間部分にあたる(写真方向では右側車線)。
将来はモノレール軌道と共に東行線(写真左側部分)が整備される計画となっている。
このため、画像では茨木箕面丘陵線が右に反れていているように見えいている。
完成時は、画像左より茨木箕面丘陵線東行、モノレール軌道(2線)(道路半下面)、茨木箕面丘陵線西行(現在整備中)の順に並列に並ぶ。
 大阪モノレール彩都線延伸関連図 大阪モノレール彩都線延伸ルート配線 岩阪橋梁 

2016年1月、資生堂が彩都東部地区への工場の移転計画を発表します。
新工場建設は、彩都東部地区の7万2350平方メートル区画に建設される予定とされており、従業員900人も同工場へ異動する事になります。
計画では平成30年に着工し、2年後の平成32年稼動開始予定となっています。
ここまで長らく進展がなかった東部地区ですが、上記企業の工場稼動によって東部地区全域の開発が促進されると考えられます。

 彩都中部へ続く茨木箕面線 大阪モノレール延伸
延伸工事中の茨木箕面丘陵線(大阪府道1号茨木摂津線)
画像は、彩都西駅より北方へ進んだ位置
この先では彩都中部地域が開発中。
(Google earth)
 彩都西駅へ続く茨木箕面線 大阪モノレール延伸
茨木箕面丘陵線より、彩都西駅方面を見る。
将来、モノレールが彩都西より中部、東センターへ延伸された場合、この道路の右側にモノレール軌道が建設される。
(Google earth)
 大阪モノレール 東センター延伸

 2016年5月 彩都線延伸計画ルート散策 追加
大阪モノレール彩都線延伸ルート散策 前編  東センターから大阪モノレール山手台車庫の散策ページ

2.大阪モノレールの車両

2-1.1000形,2000形

大阪モノレール第一期区間の開業(千里中央~南茨木)では、日立製作所製の1000形車両が導入されました。
大阪モノレールの軌道桁を初めて跨いだのは、昭和62年1月9日に搬入された試作車両(06編成)でした。
この試作車両のテスト結果をベースとして、平成元年9月から11月にかけてさらに量産車両5編成(01~05編成)が完成、車両基地に搬入されました。

編成はMc1-M2-M1-Mc2の全電動車とし、4両固定編成2両1ユニットとされています。
現在の所、1101、1102を1ユニット、1105、1106を1ユニットとして計2ユニット(4両編成)で運用されています。
大阪モノレールでは将来6両編成化が施される計画で、これに備えて中間ユニット増設用として1103および1104が欠番となっています。
将来の6両編成化のための構造は連結部にも現れており、1101および1102、1105および1106間が固定用の棒連結器を採用しているのに対し、両ユニット間では密着自動連結器が採用されています。
なお、編成両先頭車両(1101および1106)では簡易首振り装置付き密着連結器が採用されています。
車体構造は全アルミニウム合金製の溶接構造で、薄肉大型材および中空材の導入による構造の簡略化および軽量化が図られています。
また、日本跨座式を基本としており、室内の床面は全面平面床構造かつ座席のロングシート配置とする事で輸送力の増大が図られています。
台車構造は2軸ボギーボルスターレス電動台車で、台車枠は鋼板溶接組立となっています。
初期に採用された主電動機は界磁チョッパ制御式でしたが、以後導入車両の2000形ではVVVF化されています。

 大阪モノレール 千里中央
大阪高速鉄道(大阪モノレール)1000形

大阪府のシンボルカラーであるウルトラマリンブルーが採用されたデザイン。
 大阪モノレール
 大阪モノレール 千里中央駅
大阪高速鉄道(大阪モノレール)2000形
大阪モノレール彩都西駅 
大阪モノレール2000形の運転台
大阪高速鉄道(大阪モノレール)2000形の運転台
大阪モノレール2000形の運転台速度計部分
大阪高速鉄道(大阪モノレール)2000形の運転台
速度計部分拡大

2-2.新型車両3000系

 2017年、大阪モノレールでは、大阪モノレール中期経営計画2017-2021を公表。
 この中で、既存車両の改造のほか、新型車両の導入計画を公表しました。
 そして同年末(2017年12月27日)、インスタグラムにおいて同社公式アカウントは一般初公開となる3000系の画像を掲載した他、公に3000系である事が示されました。
 同社広報誌であるOSAKAモノレールPRESS 2018年1月号では、新型車両3000系を特集。
 付された情報によって、新型車両は車両基地への搬入が2018年2月下旬、営業運行が6月開始という事が示されました。
 余談ではありますが、全ての日本跨座式モノレールという枠組みにおいては、大邸メトロ3号線(韓国大邸市:日本跨座式(中型))において、既に3000系(形)という型番が採番されています。

3. 鉄道むすめ「豊川まどか」

大阪モノレールでは開業25周年を記念して、2015年5月31日より鉄道むすめ「豊川まどか」をデビューさせました。
鉄道むすめとは、トミーテックがプロデュースする各鉄道事業社のキャラクターコンテンツです。
今後は車両への添付や、大阪モノレール関連の広告および掲示物に登場する予定となっています。
 豊川まどか 大阪モノレール2000形
写真 「豊川まどか」車両添付
 豊川まどか 万博記念公園
写真 「豊川まどか」万博記念公園

4.営業距離ギネス記録(~2011年)

4-1.営業距離

大阪モノレール線は、営業距離において日本最長です。
また世界的にみても、世界最長の営業距離を誇る路線としてギネスブックに登録されていました。
2011年、重慶軌道交通3号線(当時39.1km)が開業した事により、現在ではその座は奪われています。
重慶軌道交通3号線は現在でも延伸を続けており、2015年度には3号線の支線となる空港線開工も控えています。

日本国内での営業距離上位路線については、以下に示しました。

日本国内におけるモノレール営業距離上位路線

【全線営業距離別】
28.0km 大阪モノレール(全線)[跨座式(ALWEG_日本跨座式)]
17.8km 東京モノレール(羽田空港線)[跨座式(ALWEG式)]
16.0km 多摩都市モノレール[跨座式(ALWEG_日本跨座式)]
15.2km 千葉都市モノレール(全線)[懸垂式(SAFEGE式)]
大阪モノレール線門真市~瓜生堂間が延伸した場合、全営業距離はおよそ37kmとなる。

【線別営業距離別】
(全線営業距離内訳を示すため大阪モノレール彩都線および千葉都市モノレール1号線を記載した。)
21.2km 大阪モノレール(大阪モノレール線)[跨座式(ALWEG_日本跨座式)]
17.8km 東京モノレール(羽田空港線)[跨座式(ALWEG式)]
16.0km 多摩都市モノレール[跨座式(ALWEG_日本跨座式)]
12.0km 千葉都市モノレール2号線[懸垂式(SAFEGE式)]
6.8km 大阪モノレール(国際文化公園都市線(彩都線))[跨座式(ALWEG_日本跨座式)]
3.2km 千葉都市モノレール1号線[懸垂式(SAFEGE式)]

4-2.参考データ(営業距離の今後)

今後更に延伸が計画されている路線として、大阪モノレールおよび多摩都市モノレールが挙げられます。
延伸が行われた場合、大阪モノレールおよび多摩都市モノレールの2路線は国内でも路線営業距離トップ2を独走する事になります。
参考数値として、以下に延伸計画が実行された場合の各路線総延長距離を記載しました。
(延伸区間の延長距離はおよそ数値です。いずれも決定されたものではありません。)

延伸計画が実行された場合の各路線総延長距離

[大阪モノレール 全線 37km]
[大阪モノレール 本線 30.2km]
大阪空港-門真市(既存路線延長) 21.2km
計画 門真市-瓜生堂 9km

[多摩都市モノレール 35.7km]
多摩センター-上北台(既存路線延長) 16km
計画 上北台-箱根ヶ先 6.7km
計画 多摩センター-町田 13km

 大阪モノレール1000形 千里中央駅
写真 大阪モノレール
門真市~瓜生堂間の延伸開業(2029年予定)によって、
大阪モノレール本線は延長30kmを突破する事になる。
彩都線と合算すると、その総延長は37km。

多摩都市モノレール 立川 
写真 多摩都市モノレール
現路線長は16kmではあるものの、
箱根ヶ崎および町田方面の長距離延伸が実現すると、
延長36kmの路線となる。

4-3.重慶モノレール

 重慶モノレールとは、大阪モノレールの兄弟にあたる中華人民共和国重慶市を走るモノレール路線です。

 市内には、モノレール路線として2号線および3号線が運行されています。
 2号線では、大阪モノレール1000形後期および2000形に外観が類似した車両が運行されている事でも有名です。
 2号線は2014年12月31日 大堰村駅 - 魚洞駅間延伸開業(路線長30.04km(25駅))を持って、大阪モノレール営業路線長を抜き、世界第二位の路線長となっています。

 3号線については、世界的に見ても類のない総延長距離を誇るモノレール路線として君臨しています。
 3号線は2011年12月30日時点において、1期、2期工事区間である二塘駅̶江北空港駅区間、約40 kmの開業を果たし、世界最長の路線規模となりました。

 路線名称  営業距離  営業距離(合計)  運行編成長
 重慶軌道交通3号線 56km  56km  
(路線構想66km)
 6両、8両
 重慶軌道交通3号線支線(空港線) 9.9km(建設中)
 重慶軌道交通2号線 30.04km
 大阪高速鉄道本線 21.2km 28km  4両
(計画:6両)
 大阪高速鉄道国際文化公園都市線 6.8km  4両

 さらに2012年12月、南延伸区間である魚洞(StNo.3/01) - 二塘間(StNo.3/11開通)が開通、総延長はおよそ56kmとなりました。
 2015年には、試験運転を進めていた8両編成も投入が開始される他、3号線の支線となる空港線も開業を控えており、総延長66kmと前例の無い大規模なモノレール路線となる事が決定しています。

 技術面において同路線は、全線にわたり無線による移動閉そく制御を導入し、運転間隔は120秒と高密度の運行を実現しています。
 日立グループ主導により、初期設計から無人運転技術を搭載しています。


5.大阪モノレールの延伸計画

初期の大阪モノレール建設計画は、大阪府豊中市の大阪国際空港(伊丹空港)から堺泉北臨海工業地帯を結ぶ大阪全体を巻き込んだ大規模プロジェクトとして立ち上がったものです。
大阪モノレール線(本線)の別名、環状線という呼称はここからきています。
今現在、このうちの大阪空港駅~門真市駅間が開業しています。
また、次延伸区間として門真市~瓜生堂間が挙げられています。
大阪モノレール線の延伸計画は、当初より大阪府道2号大阪中央環状線に沿って堺市方面まで建設される予定です。
そのため、同府道沿いには大阪モノレール線延伸用に確保された緑地帯が存在します。

 門真市駅先のモノレール軌道
写真 門真市駅先より途切れたモノレール軌道を見る。
延伸後、中央の軌道は引き上げ線としてし使用される。
 府道2号線沿いに確保された緑地帯
写真 府道2号線沿いに確保された緑地帯。
モノレール軌道は高速道路沿いに建設される。

5-1. 大阪モノレール線 門真市~瓜生堂延伸

2004年、近畿地方交通審議会答申第8号において、「京阪神圏において、中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」が示されました。
該当路線のうち、門真市から瓜生堂間が次期延伸区画案として盛り込まれています。

 大阪モノレール延伸に関するページ
大阪モノレール延伸門真市駅末端 2015年12月

およそ10年が経過した2013年4月、府知事 松井一郎氏によって、事業化に向けたルート等検討業務の開始が各部局へ指示されました。
そして2015年5月、大阪府は門真市~瓜生堂南伸における基本計画等設計業務の落札者をトーニチコンサルタントへ決定したと発表しました。
基本計画等設計業務とは、構想ルートと概略設計を基に事業費を精査するほか、延伸ルートにおけるPC軌道桁(モノレールのレール)制作場の検討を行うものです。
納期は2016年1月末とされており、以降計画の進展があるものと推定されます。
門真市~瓜生堂延伸工事の着工は2018年開始予定、開業は2025年予定とされています。

 門真市駅末端軌道 2015年12月
写真 門真市駅先モノレール軌道末端。
軌道末端側より撮影
大阪モノレール 門真市駅末端駅ホームより 
写真 門真市駅先モノレール軌道末端。
門真市駅ホームより撮影

2016年1月15日、大阪府において戦略本部会議が開かれ、大阪モノレールの延伸計画の方針が決定されました。
タイムスケジュールは当初予定から変更され、2019年度着工(当初予定2018年)、2029年開業(当初予定2025年)として示されました。

その他公表資料によるタイムスケジュールは以下の通り。
2016年(H28年)測量、土質調査、基本設計、環境アセス調査、詳細設計。
2018年(H30年)事業認可、特許および施行実施予定。
2019年(H31年)着工

 大阪モノレール瓜生堂延伸ルート
延伸ルート上における大阪モノレール線新駅
 延伸計画ルートは、既存終点となる門真市駅より9km南下。
4駅の新駅を設置。
新駅は北方より順に、
○門真市駅(既終点)

1/4 門真南(仮)

2/4 鴻池新田(仮)

3/4 荒本・東大阪(仮)

4/4 瓜生堂(仮)

となる。
 大阪モノレール瓜生堂延伸 門真南駅
門真南駅(仮)
大阪モノレール瓜生堂延伸 鴻池新田駅 
鴻池新田駅(仮)
 大阪モノレール瓜生堂延伸 荒本・東大阪駅
荒本・東大阪駅(仮)
 大阪モノレール瓜生堂延伸 瓜生堂駅
瓜生堂駅(仮)

5-2. 大阪モノレール線 門真市~堺延伸

2012年、交通体系見直し案(大阪府)によって、堺までの延伸を2050年までに行う方針が示されました。
大阪モノレールの初期計画時には、大阪空港および堺方面からの着工が計画されましたが、実際には大阪空港方面からの建設が進められ現在に至っています。
 大阪モノレール 延伸ルート全体図
大阪府が検討する環状モノレール構想とそのルート
(大阪モノレール線全体構想)
 大阪モノレール 堺延伸想定ルート
大阪府が検討する環状モノレール構想とそのルート
(瓜生堂~堺間)

堺までの延伸ルートは初期構想時に例が示され、以下に示す2パターンが想定されていました。
①大和川南方ルート
 瓜生堂(2029年に延伸開業を予定)より南進
 久宝寺口、松原JCTを経由し、大和川南方面を西進するルート(推定最終地点:南海堺駅)。
 ルート概略:瓜生堂-久宝寺口st-松原-(大和川南方)-堺st
②中央環状線ルート
 瓜生堂(2029年に延伸開業を予定)より南進
 久宝寺口、松原JCT、美原地区を経由し中央環状線(2号)を沿い南海堺駅を目指すルート。
 (中央環状線:堺中心部では通称フェニックス通り)
 ルート概略:瓜生堂-久宝寺口st-松原-美原-新金岡st-三国ヶ丘st-堺st
 大阪モノレール 堺延伸 堺駅
本線の最終終着目標地である南海堺駅
(オレンジハッチングは中央環状線(フェニックス通り))

5-3. 大阪モノレール線 大阪空港(伊丹空港)以西延伸

既存の大阪空港駅より空港下をくぐり、西方へ延伸する計画が存在します。
延伸計画は継続されているものの、延伸区間にあたるとされる兵庫県との調整が必要とされています。

 大阪モノレール 大阪空港駅車止め
写真 大阪空港駅先に位置するモノレール軌道末端。
大阪空港の直ぐそばに位置する。
大阪モノレール 大阪空港駅末端軌道 
写真 大阪空港駅先に位置するモノレール軌道末端。
車止めおよび制走堤を支える支柱Noは"P-1"。

下のタグは、現在の西の終点である大阪空港駅末端に位置する制走堤の画像です。

大阪空港駅末端のモノレール軌道


大阪モノレールおよび日本国内のモノレール延伸計画にかんする内容は、以下ページを参照下さい。
大阪モノレール 門真市以南延伸
<大阪モノレール>延伸へ 東大阪市が事業費負担を調整
毎日新聞
7月11日(土)10時1分配信 (リンク先:毎日新聞)


大阪モノレール 彩都西以北延伸

5-4. 大阪モノレール線 国際文化公園都市線(彩都線)延伸

大阪モノレール国際文化公園都市線(通称:彩都線)における彩都西駅以北は、開発中の中部駅を経由し、東センター(開発中)までを結ぶプロジェクトとされています。
今日の彩都線は当初計画路線のうち、万博記念公園~彩都西駅間が開業しており、次延伸予定区間として彩都西~東センター(仮名称)間が残されている状況となっています。
東センターまでの延伸計画については、東センターを含む彩都の整備状況をふまえた上での整備予定とされています。
今後の彩都線延伸の行く末は、彩都東部の今後の開発にかかっています。


彩都線延伸に関する情報および進捗は、以下リンクより関連ページを参照下さい。
 大阪モノレール 東センター延伸

6.モノレールとは

 大阪モノレールは日本跨座式というモノレール方式を採用しています。
 日本跨座式モノレールとは、"アルウェーグ(ALWEG)方式を用いた日本独自の規格に基づいたモノレール"です。
 日本跨座式モノレールは、国内においては北九州高速鉄道(北九州モノレール)の開業を皮切りに、大阪モノレール、多摩都市モノレール、そして沖縄都市モノレール(ゆいレール)と標準規格のモノレールとして採用されています。


大阪モノレール 千里中央駅付近
日本跨座式を採用する大阪モノレール
大阪モノレール ガンバ大阪号
千里中央駅付近を行く大阪モノレール
(ガンバ大阪号)

6-1.アルウェーグ(ALWEG)式モノレール

 参考リンク [モノレールとは?]

 アルウェーグ(ALWEG)式"モノレール"とは、日本跨座式に至る以前のモノレールの原点ともいうべきモノレールシステムです。
 国内におけるモノレールの主要路線、名鉄モノレール、東京モノレール、北九州(日本跨座式)、大阪(日本跨座式)、多摩(日本跨座式)、沖縄(日本跨座式)等は、全てこの方式から発展または派生したモノレールであると言えます。
 
 スウェーデンのアクセルレナートウェナーグレン博士は第二次世界大戦後、モノレールの開発事業を展開します。
 (「アルウェーグ (ALWEG)」とは、博士の名前の頭文字から取られています。)
 彼が開発を手がけたこれらのシステムは、当時ウォルトディズニーの目に留まり、1959年ウォルトディズニーとアルウェーグ開発は共同でディズニーランド内のモノレール路線を開業させました。
 その後もアクセルレナートウェナーグレン博士は、遊園内や博覧会用に次々と小規模なモノレールを建設していきました。
 1961年にはイタリア トリノでの博覧会で運行、続いて1962年には シアトルの21世紀万博で運行。
 日本国内へは日立製作所が技術導入し、1962年ラインパークモノレール線(日立)、1963年関東レースクラブモノレール(日立)、1964年東京モノレール(日立)へと本格的な営業路線建設へと繋がっていきました。
 1985年1月9日には、アルウェーグ式モノレールより進化発展を遂げた日本跨座式モノレール、北九州高速鉄道(北九州モノレール)が開業する事になり、その後の日本跨座式モノレールの建設へと繋がっていきます。


 犬山モノレール
写真 モンキーパークモノレール線(名鉄)
1962年開業

犬山モノレール廃線跡 
写真 モンキーパークモノレール線廃線跡
廃止後も、一部の軌道が山中に残る

6-2.日本跨座式モノレール

 1967年代、日本国内での渋滞問題は悪化する一方で、より優れた輸送手段としてモノレールが研究対象となりました。
 時の運輸省(現在の国土交通省)は、日本モノレール協会に委託する形で「都市交通に適したモノレールの開発研究」を取りまとめます。
 その結果、日本版ともいえるアルウェーグ(ALWEG)式モノレール、日本跨座式モノレールが誕生する事になりました。
 日本跨座式はアルウェーグ(ALWEG)式をベースとしながらも軌道桁を太く取り、2軸ボギー台車を採用しました。
 国内導入時のアルウェーグ(ALWEG)式(犬山遊園線や東京モノレール等)に対し、走行倫直径を小さく、幅を広く持たせ床面高さを高くすることで、室内へのタイヤハウスの突き出しを無くしました。
 その代償として、重心が高くなってしまった日本跨座式モノレールは、曲線通過速度が遅くなってしまう事、トンネル建設の際のコストが大きくなってしまう事等、デメリットも発生しました。
 日本跨座式のデビューは日本万国博覧会(大阪万博)で、大阪万博会場内の移動路線として導入、環状運転されました。
 その後、1985年には日本跨座式初の営業路線として、北九州高速鉄道小倉線へ導入されます。
 以後日本国内ではアルウェーグ(ALWEG)式の跨座式を採用して開業した路線はすべてこの日本跨座式を採用しています。

 北九州モノレール開業記念式典
写真 北九州高速鉄道1000形
[小倉駅(現在の平和通駅)]
開業式典に登場した1000形
北九州モノレール小倉線
写真 北九州高速鉄道小倉線(1985年)
[当時の企救丘駅分岐機付近]
現在では風景も変わり、周囲には建物が連立する。
日本跨座式モノレール初の営業路線として開業。

  沖縄都心を走るゆいレール
写真 沖縄都市モノレール(2003年)
[那覇空港駅付近]
沖縄都市モノレール、通称ゆいレール。
日本国内における日本跨座式最後発路線として開業。
 
ゆいレール延伸工事
写真 沖縄都市モノレール延伸工事
[首里~石嶺駅間]
沖縄都市モノレールは2015年現在、
首里駅~てだこ浦西駅間の延伸工事を進めている。

[国内で活躍する日本跨座式モノレール]

 1984年 北九州高速鉄道 開業
 1990年 大阪高速鉄道 開業
 1998年 多摩都市モノレール 開業
 2001年 東京ディズニーランド舞浜リゾートライン 開業
 2003年 沖縄都市モノレール 開業

 日立製作所によって国外への展開も進んでいます。
 特に中国重慶市に建設された重慶軌道交通3号線は、営業距離ギネスブックに登録されていた大阪モノレールを抜き、現在世界一の営業距離を有する日本跨座式モノレールとして活躍しています。
 また、2016年4月にはパナマ共和国へのモノレール建設に関する調印が日本およびパナマ政府によって行われます。
 上述したモノレールはパナマメトロ3号線整備事業と呼ばれ、早ければ2022年の開業を目指す事とされています。
 同路線が開業するまでは「モノレール大国」と言われていた日本ですが、現在となってはその称号も過去のものとなりました。
 ただし、多種多様なモノレール規格を世へ生み出し、実路線として運用した実績から、日本は「モノレール博物館」である事に違いありません。

[海外で活躍する日本跨座式モノレール]

 2005年 重慶軌道交通2号線 開業(中国)
 2009年 ジュメイラ・モノレール 開業 (アラブ首長国連邦ドバイ)
 2011年 重慶軌道交通3号線 開業(中国)
 2015年 大邸都市鉄道公社3号線 開業(韓国)

 
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【参考文献】
社団法人日本モノレール協会20年のあゆみ
/日本モノレール協会
鉄道ピクトリアル 1988年12月号 No.504 モノレール
/鉄道図書刊行会
鉄道ピクトリアル 昭和45(1790)年4月号 No.236 特集:日本のモノレール
/鉄道図書刊行会
東京モノレールのすべて 東京モノレール開業50周年記念企画
/戎光祥出版株式会社
Theモノレール(別冊ベストカー)
/講談社 2004.7.1
モノレールをゆく
/イカロス出版 2014.9.17
モノレールと新交通システム
/グランプリ出版 2004.12.1
モノレール
/オーム社
 
7.大阪モノレールの概要
社名  大阪高速鉄道株式会社(大阪モノレール)  
開業
年月日
1990.06 千里中央-南茨木
1994.09 柴原-千里中央
1997.04 大阪空港-柴原
1997.08 南茨木-門真市
門真市-瓜生堂方面 延伸計画
1998.10 万博記念公園-阪大病院前
2007.03 阪大病院前-彩都西
営業
距離
 
 21.2km 6.8km 
28.0km
駅数  14駅 5駅
19駅  
基地
付属
 万博記念公園駅 
大阪モノレール 万博車両基地

大阪モノレール 車両基地増設工事大阪モノレール万博車両基地大阪モノレール車両基地
複・単線  複線 複線
(万博記念公園駅では2面3線中、
中線を主に使用)
モノレール
方式
跨座式 (日本跨座式)
日立製作所 大型(軌道寸法850mm×1500mm)
モノレールの軌道桁一覧
図.モノレールの規格一覧
左段:海外マニュファクチャラー
右段:日本マニュファクチャラー
車両  1000形、2000形  1000形、2000形 
編成および駅構造 4両編成
(全編成6両編成対応可)
4両編成
(全編成6両編成対応可)
豊川および彩都西駅:4両編成用ホーム
増設により6両編成対応可

  大阪モノレール路線図大阪モノレール路線図大阪モノレール 門真市以南延伸区間図
  設置駅および配線図(大阪モノレール線(本線))
 駅名称  駅構造および配線  大阪モノレール 1000形
千里中央駅


万博記念公園駅付近を走行する大阪モノレール
万博記念公園駅
大阪空港 大阪モノレール路線配線 大阪空港駅軌道末端
大阪モノレール路線配線 大阪空港駅
大阪モノレール路線配線 片渡り分岐器左 大阪空港駅
大阪モノレール路線配線 片渡り分岐器右 大阪空港駅
1面2線 高架駅
北側終点
蛍池 大阪モノレール路線配線 蛍池駅 1面2線 高架駅
柴原 大阪モノレール路線配線 柴原駅 1面2線 高架駅
少路 大阪モノレール路線配線 少路駅 1面2線 高架駅
千里中央 大阪モノレール路線配線 千里中央駅 1面2線
高架駅
山田 大阪モノレール路線配線 山田駅 1面2線 高架駅
万博記念公園 大阪モノレール路線配線 万博記念公園駅 2面3線 高架駅
彩都線接続
宇野辺
大阪モノレール路線配線 宇野辺駅 1面2線 高架駅
南茨木 大阪モノレール路線配線 南茨木駅 1面2線 高架駅
  沢良宜 大阪モノレール路線配線 沢良宜駅 1面2線 高架駅
  摂津 大阪モノレール路線配線 摂津駅 1面2線 高架駅
  南摂津 大阪モノレール路線配線 南摂津駅 1面2線 高架駅
  大日 大阪モノレール路線配線 大日駅 1面2線 高架駅
 門真市 大阪モノレール路線配線 門真市駅
大阪モノレール路線配線 門真市駅軌道末端
1面2線 高架駅
南側終点
南門真(仮称) 大阪モノレール延伸ルート配線 門真南駅 2029年延伸予定
鴻池新田(仮称) 大阪モノレール延伸ルート配線 鴻池新田駅 2029年延伸予定
荒本(仮称) 大阪モノレール延伸ルート配線 荒本駅 2029年延伸予定
瓜生堂(仮称) 大阪モノレール延伸ルート配線 瓜生堂駅 2029年延伸予定
 
設置駅および配線図(国際文化公園都市線(彩都線))  
 駅名称  駅構造および配線        大阪モノレール彩都線を行くモノレール車両
阪大病院前駅付近
 東センター(仮称) 大阪モノレール彩都線延伸ルート配線 終点の東センター駅 延伸未定
(2016中止決定)
中部(仮称) 大阪モノレール彩都線延伸ルート配線 中部駅 延伸未定
(2016中止決定)
彩都西 大阪モノレール彩都線延伸ルート配線 彩都西駅入れ替え線
大阪モノレール彩都線延伸ルート配線 彩都西駅
1面2線 地上駅
6両編成未対応
2007年延伸
豊川 大阪モノレール彩都線延伸ルート配線 豊川駅 1面2線 高架駅
6両編成未対応
2007年延伸
阪大病院前 大阪モノレール彩都線延伸ルート配線 阪大病院前駅
大阪モノレール彩都線延伸ルート配線 阪大病院前分岐器
1面2線 高架駅
公園東口 大阪モノレール彩都線延伸ルート配線 公園東口駅 1面2線 高架駅
万博記念公園 大阪モノレール彩都線延伸ルート万博記念公園駅 2面3線 高架駅
本線接続

大阪モノレール国際文化公園都市線
2006年延伸工事時の様子

 千里中央駅ホーム  大阪高速鉄道
 大阪高速鉄道1000形  大阪高速鉄道1000形千里中央駅
 大阪モノレール車内  大阪モノレール1000形千里中央駅
 大阪モノレール1000形 千里中央駅停車中  千里中央駅
 大阪モノレール 万博記念公園駅  大阪モノレール運転台
   
 大阪モノレール 建設中の車両基地  大阪モノレール 車両基地建設
 大阪モノレール 車両基地拡張中  大阪モノレール 彩都線開業
 大阪高速鉄道阪大病院前 大阪モノレール 阪大病院前 


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