2.車両基地の概要
瓜生堂車庫は延伸部終点となる瓜生堂駅付近に建設が計画され、工事名称は (仮)瓜生堂車両基地整備工事として2020年に基本設計を実施。2021年からは造成工事を皮切りとする本格的な整備工事に着手している。
なお、上記一般競争入札告示は2020年6月29に掲出されており、内容は以下の通り(一部抜粋)。
(1)工事名 (仮称)瓜生堂車両基地整備工事
(2) 事場所 大阪府東大阪市西岩田3丁目 地内
(3)工事概要 軌道施設工(橋脚・基礎)
支線 18 基、車庫線 38 基、分岐器基礎 2 箇所、トラバーサ 1 箇、所、埋蔵文化財調査、文化財調査 1式、準備工 1式、流出抑制施設工
雨水貯留槽 5 基、建築工事、基地内建築物 1 式、外構、外構工事 1 式、詳細設計(橋脚・基礎・建築物詳細設計 1 式)
工 期 2028年2月29日まで
ここで読み取れる内容として、車庫形式は車庫線によるGL落とし込みの両開き扇方であるという事。通例通りであれば一方は検収車庫建屋ゾーン、一方は留置線ゾーンとなる。またトラバーサ1基と示されている事から工作車庫が配置される事がほぼほぼ決定している(事後に公開されたイメージパースから凡その線配置を右図に示す)。
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(仮称)瓜生堂車両基地の設置位置および線配置
(c)大阪府 |
概要図は車庫敷地が縦長い事、画像の容量を考慮し北側(門真市駅側)および南側(瓜生堂駅側)に分け紹介させていただきます。
当車両基地は両開き扇形の線形配置となっており、北側半分に細部検査場、列車検査場を配置、南側に支線(引き込み線・車庫線・入庫線)の他、工作車検修庫、留置線、事務所棟、変電所が置かれます。モノレールの場合、およそ2〜4階層部に本線軌道が配置されている事が多く、瓜生堂車両基地では両開き形状の中心点に向かい支線(引き込み線・車庫線・入庫線)を引き下げていくという縦層配置をとっている。
1.瓜生堂車両基地北側(門真市駅側)
1-1.細部検査場(1線)
瓜生堂車両基地最北側には細部検査場が設けられます。一般に言う需要部検査・全般検査場。
1-2.列車検査場(2線)
細部検査場の南側には列車検査場が設けられます。一般に言う月検査場。
1-3.工作車検修庫(2線・トラバーサ)
瓜生堂車両基地の中間地点には保線等に用いられる工作車車庫・検修庫が配置されます。入札告示情報をベースとすると、万博車両基地同様、トラバーサの設置が予定されている。
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2.瓜生堂車両基地南側(瓜生堂駅側)
2-1.留置線(3線)
支線(引き込み線・車庫線・入庫線)が瓜生堂駅より分岐した後、瓜生堂車両基地敷地へと下がっていきますが、この西側に留置線が設けられます。留置線は全部で3線、4両6編制が留置できるよう設計されています。留置線とは読んで字の如くですが、営業終了後の営業車両を駐車(滞泊)しておくために設けられるスペースとなります。
2-2.事務所棟・変電所
支線(引き込み線・車庫線・入庫線)に入る分岐の左手GLには南側より順に、変電所、事務所棟が建設されます。
3.瓜生堂駅
瓜生堂車両基地の敷地外ではありますが、図中の最南端部に瓜生堂駅が位置する事となります。
瓜生堂駅は1面2線の島式駅で駅手前に上下線を入れ替える方渡り線分岐器が2機配置されます。このほか、瓜生堂車両基地への支線(入庫線)へ分岐するための分岐装置が1機設けられる予定です。瓜生堂駅はGLより数えて3階部分にホーム階が配置されますが、この2階部分には近鉄奈良線の瓜生堂駅が新たに建設される事となります。
あくまでも図面上ですが、瓜生堂駅の南側(久宝寺口側)には折り返し線分岐器は設けず、大阪空港駅の線配置に近い形状となりそうです(大阪モノレールでは少数採用)。 |
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