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千葉モノレール延伸稲毛ルートについて
モノレール国内編
千葉モノレール延伸・稲毛ルートの分岐構想駅「穴川駅」

千葉都市モノレール 延伸関連画像集
千葉モノレール延伸・稲毛ルートの分岐構想駅「穴川駅」

1.稲毛ルートへの分岐構想駅「穴川駅」

千葉都市モノレールには2つの延伸計画が存在します。1つは千葉都市モノレールの建設計画における第1フェーズとして示された中央港〜県庁前〜星久喜間(後に市立青葉病院前までに改定)のうちの県庁前〜市立青葉病院前までの「1号線延伸計画」。そして、当初マスタープランで示されたもうひとつの計画、都賀〜稲毛海岸までを繋ぐ通称「稲毛ルート」。この稲毛ルートにおいては、後に計画が承認され実際に建設される事となった千葉モノレール2号線(千葉〜千城台)の途中区間として穴川駅〜都賀駅間が整備済みとなっています。

 この穴川駅は当初2号線の設置駅計画において決定項ではありませんでした。この穴川駅は将来の稲毛ルートへの分岐駅として機能する事を想定し、後に設置する事が決定した新設定駅でした。

 分岐駅としての機能を持たせるため、複々線構造に対応した骨格を有している事でも有名です。
千葉モノレール稲毛ルートの概略図
現在2号線と稲毛ルートの位置関係
千葉モノレールの分岐構想駅「穴川駅」
千葉モノレール2号線穴川駅外観写真
将来の稲毛ルート分岐駅としての機能を有する。
穴川駅の稲毛ルート用支柱千葉側
穴川駅複々線軌道桁用の外側支柱
稲毛海岸(千葉駅)方向
穴川駅の稲毛ルート用支柱都賀側
穴川駅複々線軌道桁用の外側支柱
都賀駅(千城台駅)方向

 既開業済みの2号線は、この穴川駅を相対式2線2面ホームとして運用しています。
 将来稲毛ルートが整備される事となった暁には、現在の穴川駅駅舎両外側に新たな軌道桁がそれぞれ設置され、相対式となっているホームが4線2面島式ホームとして運用されると考えられます。

穴川駅のホーム
穴川駅のホームの様子
千葉駅方ホームより千葉駅側(稲毛ルート側)を見る。軌道桁が新設できる構造となっているのは、写真左手の壁面の向こう側。軌道設置時は左手の壁面が丸々無くなる状態となる事が考えられる。
穴川駅のホーム全景
穴川駅のホームの様子
千葉駅方ホームより都賀駅側(2号線および稲毛ルート合流側)を見る。こちら側には分岐器が設置されるものと考えられる。

この駅舎構造はかなり現実的に計画されており、稲毛ルートの起点となる千城台側(都賀駅側)には分岐器の設置を想定していると推定される門型支柱が設置されています。対して、2号線と分岐し以降稲毛海岸を目指す千葉駅方向側では、稲毛ルートのためと思われる支柱が設置されていません。これは、稲毛ルートの建設(延伸)が実際に実行に移された場合、現在の2号線の軌道桁を上空で越線する必要があるためで、現2号線の支柱を併用するわけにいかないからです。つまり、稲毛ルート整備時においては、千葉駅側には新たに2号線を越線するための背の高い支柱を建設する必要があり、現2号線の支柱は2号線のみの軌道桁を支えるだけの単T字型支柱として設置されたものと考えられます。

穴川駅の稲毛ルート稲毛海岸側 穴川駅の稲毛ルート都賀側
2号線の都賀駅方向を見る。
複々線構造を有する穴川駅より都賀駅方向には、扇状の門型支柱が配置される。この位置には稲毛ルート整備時に分岐器を設ける必要があり、これら扇型門が支柱はこれに対応した構造で整備されたものと考えられる。後に紹介する千葉駅側の支柱配置とを比較する事で、その目的は一目瞭然。

千葉モノレール
穴川駅ホームより分岐器設置想定位置を見る。

千葉モノレール稲毛ルート稲毛海岸側の様子
分岐器設置想定位置より穴川駅を見る。

分岐器が設置される事が想定される位置では、連続桁構造が採用されず、フィンガープレートによって単構造桁となっている。この部分を解体して分岐装置を配置する計画があったのではないかと推定せずにはいられない構造となっている。また軌道桁の切れ目は丁寧にも3区画分で配置されている。稲毛ルート整備時には上り下り線および下り上り線2組、または場合によって1組の分岐器の設置が必要となるが、調度良くこれと数が合っている。もう一組、正確には2機並列分は2号線と稲毛線のトノ字分岐分と推定される。
千葉モノレール0形
都賀駅方向では、穴川駅を出てすぐに京葉道路を越線する。
千葉モノレール稲毛ルートの起点穴川駅 2号線の千葉駅方向を見る。

支柱はいずれも単筒のT字型支柱が採用されており、基本的にこれ以上の拡張性は持たされていない。稲毛ルート整備時には新たに稲毛ルート(専)用の支柱を配置する必要がある。
穴川駅外観 稲毛ルート側の穴川駅外観

上写真でも示したように、稲毛ルートはここからルート専用の支柱整備が必要となる。

ここまで穴川駅の周囲を散策してきましたが、いかがだったでしょうか。
マスタープランをベースとして、穴川駅が将来的に分岐駅としての機能を持たせられていたという点、非常に興味深くご覧いただけたのではないでしょうか。
他のモノレール路線、ひいては鉄道路線全般に言える事ですが、これら大量輸送機関の建設には膨大な費用がかかります。開業後の路線延伸や分岐構想等、新たに再計画を立てるのではそれ相応の費用が必要となる事から、可能性が十分に考えられる事項については、既建設計画に盛り込むのが一般的です。千葉モノレールの穴川駅においても、これら当初計画を勘案した設計が盛り込まれており、随所にこの面影を窺い知る事ができます。

2009年代に脱・財政危機宣言によって計画が凍結された千葉モノレール。9年後の2017年、千葉市は読んで字のごとく財政面においてV字回復(財政健全化)を果たし、同時に千葉モノレールの延伸計画についても再検証が成される事が決定されました。さらにこの再検証において、1号線県庁前〜市立青葉病院前までの延伸についてのみならず、市民の要望の強かったいわゆる「稲毛ルート」についても再検証が行われる事となりました。

穴川駅を分岐駅として構想されるこの稲毛ルートは、特に千葉市域より都心へ向かう際において、大変利便性の高い重要路線と位置付ける事ができます。
1号線を含め、今後の千葉モノレール延伸計画の再検証の結果と、今後の千葉市の動向に同域市民の注目が集まっています。

稲毛ルートの概要についてはこちらから
千葉モノレール稲毛ルートについて
1号線延伸計画の概要についてはこちらから
千葉モノレール1号線延伸ルートの概要

千葉モノレール延伸ルート

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