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モノレール国内編 千葉都市モノレール

千葉都市モノレール(タウンライナー)

-Chiba Urban Monorail-
Suspended monorail (SAFEGE) system , Mitsubishi

社名 千葉都市モノレール株式会社 (タウンライナー)
 千葉都市モノレール本社建屋
 
設立 1979年(昭和54年)3月20日
営業距離@
営業距離A
1号線(千葉みなと〜県庁前駅)
2号線(千葉〜千城台駅)
1988年3月28日に最初の区間である2号線スポーツセンター駅 - 千城台駅間が開業し、
1999年3月24日に1号線を含めた全線が開通しました。
総営業距離15.2kmは懸垂式モノレールとしては世界最長で、2001年にギネスレコードに登録されています。
モノレール
方式
懸垂式(サフェージュ改式)
 千葉都市モノレールアーカイブ

千葉都市モノレール ノモちゃん号
千葉都市モノレール 俺ガイル号
千葉都市モノレールアーバンフライヤー0形






1.千葉都市モノレール

千葉モノレール(千葉都市モノレール株式会社)は千葉県千葉市内(本社:千葉市稲毛区)において、
サフェージ式懸垂式モノレール世界最長路線を運営するモノレール路線です。
愛称は「千葉モノレール」。
千葉市および県などによる第三セクター鉄道となっています。

1-1.千葉都市モノレール

千葉都市モノレールは、昭和63年に開業し、以後千葉市の主要な公共交通機関としての立ち居地を確立しています。
モノレール方式としてサフェージ式を採用しており、天候の影響を受けにくい事が強みとなっています。
初期開業時は営業距離8.1kmでのスタートでしたが、平成11年3月に延伸開業(千葉駅〜県庁前駅間)し、全体営業距離が15.2kmとなりました。
この時点で、懸垂型モノレールとしては世界一の営業距離となり、ギネスレコードに登録されています。

 千葉都市モノレール0形  千葉都市モノレール1000形車両基地付近

1-3.経歴(千葉モノレール)

1979年(S54年)3月20日 - 設立
1988年(S63年)3月28日 - 2号線(スポーツセンター - 千城台間)開業
1991年(H03年)6月12日 - 2号線(千葉 - スポーツセンター間)延伸開業
1995年(H07年)8月01日 - 1号線(千葉みなと - 千葉間)開業
1999年(H11年)3月24日 - 1号線(千葉 - 県庁前間)延伸開業
2012年(H24年)7月08日 - Urban Flyer 0-type営業運転開始
 延伸を待つ千葉モノレール県庁前駅
1号線終点 県庁前駅
駅外観および末端軌道

 延伸を待つ千葉モノレール県庁前駅 末端軌道
1号線終点 県庁前駅
末端軌道および車止め
 アーバンフライヤー 0形 外観
Urban Flyer 0-type
外観写真
 アーバンフライヤー 0形床面
Urban Flyer 0-type
運転台脇の床面

1-4.アニメとのコラボレーション

千葉モノレールでは、近年における取り組みとしてアニメとのコラボレーションが挙げられます。

・2008年『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』

 ラッピング車両運行(2013年3月30日から2014年3月31日)
 アニメ声優によるアナウンスが実施された。

・2015年『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている』

 ラッピング車両運行(2015年5月〜9月)

俺ガイルラッピングモノレール ログ
 俺ガイルラッピングモノレール 千葉駅
千葉都市モノレール ラッピングモノレール
[俺ガイル]号
 俺ガイルラッピングモノレール ヘッドマーク
千葉都市モノレール ラッピングモノレール
[俺ガイル]号 ヘッドマーク

1-5.新型車両Urban Flyer 0type(アーバンフラヤー 0形)

千葉モノレールは2012年7月8日より、新型車両Urban Flyer 0type(アーバンフラヤー 0形)を運用に投入しました。
現在運用している車両のうち、初期に製作した1000形車両(1次車)は、製造から既に20年を経過しているため、今後2012年度までに3編成(6両分)を製作し、順次旧車両との入れ替えを実施する事になっています。

新型車両UrbanFlyer0type(アーバンフラヤー 0形)における初編成は2012年に竣工、営業運転を開始しました
新型車両は、1000形の基本構造をベースとし、バリアフリー対策や新しい技術基準に適合した新規設備を装備しています。
車両デザインは「千葉モノレール新型車両デザイン検討委員会」(デザイン提案・詳細デザイン:株式会社GKデザイン総研広島)から提案されたものが採用されています。

千葉モノレール新型車両 アーバンフライヤー

2.千葉都市モノレールの建設

高度経済成長期まっただなかの昭和40年代、都市圏内では急速に人口が増加します。
それに伴いモータリゼーションによる自動車台数の増加から、千葉市内においても交通渋滞が悪化し、都市機能の低下が顕著なものとなっていました。
千葉県および千葉市は、これらの問題解決を図るため、交通インフラ整備の調査を開始し総距離にして40kmに達する路線網のマスタープランを策定しました。
この計画が、後に千葉都市モノレールとして開業を果たす事になります。

 千葉都市モノレール千葉駅付近の立体交差
千葉駅付近において。
1号線および2号線へ分岐する鋼軌道は、当路線の名所となっている。

2-1.起工式〜1号線(千葉みなと〜県庁前)および2号線(千葉〜千城台)開業

千葉県および千葉市は、当時急速に深刻化する交通渋滞の悪化と、都市機能低下等問題解決を図るため、交通インフラ整備の整備を進めていました。
この時、総距離40kmにおよぶモノレール路線のマスタープランを策定しました。
S52年5月、千葉県は千葉都市モノレール対策協議会を発足させます。
この協議会において、後の千葉都市モノレールの路線網について検討が行われました。
同時期に機種の選定も行われ、経済性、安定性、無公害性、快適性および都市美観性等様々な観点から懸垂型モノレールが採用される事になりました。

当事三菱重工は、S39年2月に名古屋東山公園(500m)、S45年3月に湘南モノレール(6.6km)と懸垂型モノレールを開業させており、十分な実績を積んでいました。
後に開業を果たす千葉都市モノレールも、この三菱懸垂型モノレール(SAFEGE式)を運用する事になります。
千葉都市モノレールの建設において、三菱重工ではさらに以下命題の対策および開発を行っています。
@環境対策における車外騒音の低減(軌道側方70Db以下)
(高砂・長崎・広島の各研究所協力による低騒音プロジェクトチーム発足)
A軌道桁の軽量化(新軌道桁の開発 S57〜)
B建築限界幅の縮小(狂あい道路への適応)
C分岐駆動方式の変更(油圧から電気式へ)

 
東山公園モノレール
SAFEGE式モノレールにおいて、
国内で初めて導入された。
 
湘南モノレール

S52年9月27日、協議会からの路線案答申を受けて、千葉県はマスタープランのうち第1期区間として千葉みなと(当時名称は中央港)〜星久喜間とJR千葉駅〜千城台間の2路線を建設することを決定します。
(第1期区間総事業費:1号線千葉みなと〜県庁前間、2号線千葉〜千城台間計1600億円)
当初計画では、千葉みなと〜星久喜間およびJR千葉駅〜千城台間の2路線をS54年度に着工、S61年度に整備を終え、このうちの都心部の路線をS58年度に部分開業させる予定としていました。

S53年11月20日、千葉都市モノレール発起人会が開かれ、S54年3月に千葉都市モノレール株式会社が設立されました。
千葉都市モノレール株式会社設立にあたっては、千葉県および千葉市が出資する第3セクター方式が取られています。

 S46年 新交通導入のための調査に着手
 S51年 モノレールマスタープラン策定
 S52年 千葉都市モノレール事業化決定
 S52年 機種を「懸垂型モノレール」に決定
 S54年 千葉都市モノレール株式会社設立
 S55年 千葉都市モノレール建設事業に関する基本協定を県市で締結
 S56年 軌道運輸事業特許取得および都市計画決定

S57年1月29日、千葉都市モノレール建設の第一期、スポーツセンター〜みつわ台間が着工されました。
起工式に続き、工場では総数298基、幅1.5m、高さはおよそ15mにもおよぶ支柱の製作が開始されます。
工場内で建設された支柱は仮組みされ検査が実施された後、実路線上に設置されていきました。
工場では引き続き軌道桁の製作が行われました。
軌道桁の設置は主にM・A・L工法およびM・E・G工法が取られています。
また、分岐部の仮設については予め仮ヤードを設置し、路線バスが運行していない深夜に作業が実施されました。

S63年には待望の第一次区間が開業します。(スポーツセンター〜千城台間開業)

 千葉都市モノレール1000形 千葉みなと駅

その後もスポーツセンター〜千葉(仮)間、千葉みなと(中央港)〜千葉間、千葉−県庁前間と3回の延伸区間が開業し、現在の運行路線にまで成長しています。
   

1998年4月
第四次開業を目前に控える。
 
現在(2016年)

S57年 起工式(S57年1月29日)
S63年 第一次開業 2号線 スポーツセンター〜千城台間開業 (S63年3月28日)
H 3年 第二次開業 2号線 スポーツセンター〜千葉(仮)間開業 (H3年6月)
H 7年 第三次開業 1号線 千葉みなと(中央港)〜千葉間開業(H7年8月1日)
H11年 第四次開業 1号線 千葉〜県庁前間開業(H11年3月24日)

 千葉都市モノレール 1000形が並ぶ
千葉みなと駅に停車中の1000形

2-2.1号線 千葉〜県庁前間ルート

1号線千葉〜星久喜間は、ルート上の千葉大学の用地取得が難航。
工事施行認可申請の期限が平成3年3月と迫っていたため、県と市は千葉大ルートの変更を余儀なくされました。
H3年12月には以後のルートに先行して、千葉駅〜葭川公園駅間の工事に着手します。

 延伸工事中の千葉都市モノレール1号線

H3年9月には千葉都市モノレール路線計画検討委員会が新設され、千葉県庁前までのルートについて再度検討されることとなりました。
この結果、大和橋付近を予定していた県庁前駅を末広街道の長洲交差点付近へ変更する事になります。
県庁前駅までの延伸区間は、H10年に完工し翌H11年3月24日に無事開業を迎えました。



2-3.1号線 千葉県庁前〜星久喜間ルート

H11年3月24日、1号線は県庁前までの延伸開業を果たしました。
しかし、依然として当初計画である星久喜までの延伸区間が次期課題案件として残っていました。
延伸ルートについては、その後千葉都市モノレール路線計画検討委員会が設置され議論されました。
H6年度には同委員会より、千葉寺ルート(末広街道、千葉寺駅、青葉の森公園、星久喜間約4km)が提案され、H7年6月千葉寺ルートが正式発表されます。
その後、延伸ルートは県庁前より北伸して千葉市立病院、県立中央博物館付近を通るルート計画へ変更され、H9年11月12日県庁前以遠ルート(H22年度開業予定)が正式に決定されました。
同区間の特許は平成12年2月に取得され、翌13年3月および5月には工事施工認可を受けています。

2-4.千葉都市モノレール検討調査委員会、千葉都市モノレール評価・助言委員会

H13年11月、千葉都市モノレール関連事業における事業主体の千葉県および千葉市は、平成13年11月「今後のモノレール事業の進め方や経営のあり方」について委員会を設置し審議することとしました。
翌H14年12月、千葉都市モノレール検討調査委員会は県知事に対し「千葉都市モノレール事業に関する提言書」を提出します。
提言書の中では、開業区間の経営改善、延伸の是非、提言の実施状況を把握し、必要な助言を行う第三者機関の設置、事業の存続、存続方式、公的負担のあり方を検討する事とされました。

この提言書を受け、千葉県は次段階として第三者機関「千葉都市モノレール評価・助言委員会」を設けます。
H16年3月、委員会から報告書がまとめられたものの、その内容は極めて厳しい内容となりました。
@延伸は認められない。
A既開業区間である千葉・県庁前間1.7kmも撤去廃止が最も有力な選択肢。

延伸によって利便性の向上が図られる反面、経営状況によっては千葉都市モノレールの存続を脅かしかねない延伸問題。
千葉県は議論を継続とするとしたものの、ここから先は慎重に検討を重ねる事となりました。

 1号線を行く千葉都市モノレール
1号線を行く1000形
 千葉モノレール 県庁前駅
県庁前駅

2-5.モノレール延伸計画の白紙撤回

2009年6月20日、公共事業の見直しを公約に掲げた熊谷市長が千葉市長に当選。
延伸区間等現地を視察し自治会等関係者と協議の上、予算が取られていた延伸計画の地質調査を中止します。
更には財政や都市計画等の有識者による検討会を立ち上げる方針を示し、事実上千葉都市モノレール1号線の延伸計画を凍結しました。
同年に「財政が好転するまで、長期的に延伸は凍結する」と表明、モノレール延伸計画は事実上の白紙となり今日を迎えています。

 千葉都市モノレール県庁前駅より延伸方面を見る
県庁前駅末端軌道より直進方向を見る。
 千葉都市モノレール県庁前駅未使用ホーム
県庁前駅

H12年 軌道運輸事業特許取得・都市計画決定(末広ルート)
H13年 事業認可取得(末広ルート)(県庁前〜仮称中央博物館・市立病院前 3.6km)
H14年7月 「千葉都市モノレール検討調査委員会」設置 計6回開催
H14年12月 千葉都市モノレール検討調査委員会より
「千葉都市モノレール事業に関する提言書」を県知事に提出
H15年8月 「千葉都市モノレール評価・助言委員会」設置 計4回開催
H16年3月 千葉都市モノレール評価・助言委員会より
「千葉都市モノレール評価・助言報告書」を県知事に提出
H17年9月 「千葉都市モノレール株式会社経営検討協議会」開催
H17年11月 千葉県知事・千葉市長会談
H18年3月 和解(市・県・会社)成立、事業認可取り消し(末広ルート)
H19年11月 「千葉市総合交通ビジョン」策定
H20年8月 軌道運輸事業特許廃止(末広ルート)
H21年6月 千葉都市モノレール(千葉県庁〜市立青葉病院)延伸事業の凍結
H22年3月 千葉市総合交通政策会議の設置
H23年10月 千葉市総合交通政策への助言・提言書の提出
H24年5月 千葉市総合交通政策・施策の推進計画の策定
H26年 千葉都市モノレール中期経営計画の策定

2-6.千葉モノレール延伸計画(2018年現在)

 千葉モノレールでは、2009年代に1号線の次期延伸区間として予定されていた県庁前〜市立青葉病院前までの延伸計画が、財政難を理由として白紙となりました。しかしながら、延伸計画凍結が発表された9年後の2017年、千葉市が財政健全化を果たした事で、千葉モノレールの延伸計画についても再検証が成される事となりました。
 なお、この再検証においては1号線県庁前〜市立青葉病院前までの延伸ルートだけでなく、当初マスタープランの一部として構想されていた稲毛ルートについても、合わせて実施される事となりました。各2ルートの概要は、以下バナーを参照ください。

3.サフェージ(SAFEGE)式モノレール

千葉都市モノレールを説明する上で"サフェージ(SAFEGE)式"という単語は欠かせません。
サフェージ(SAFEGE)式とは、フランスのLucien Chadenson(ルイ・シャーデンソン)ら設計チームが1957年頃に開発した懸垂型方式のモノレールシステムです。
フランス国内の企業25社による連合の頭字語 (Societe Anonyme Francaise d' Etude de Gestion et d' Entreprises)からSAFEGE式と呼ばれました。
主要企業にはタイヤメーカー(ミシュラン)、自動車メーカー(ルノー)等が名を連ねていました。

3-1.サフェージ(SAFEGE)式モノレール

当時パリでは、ゴムタイヤ台車方式による走行システムをベースとした地下鉄を開発していました。
SAFEGE式モノレールはこの構造を参考にして、台車下に車体を吊下げる懸垂式モノレールとして開発されました。
後に改良が重ねられ、軌道となる桁は軌道桁上面を覆う中空の箱型に変更、走行面は準密閉式となります。
軌道桁が密閉空間になった事によって、雨雪の影響を受けない地下鉄と、高架化が容易なモノレールの利点を掛け合わせた新交通システムとなりました。
さらに台車は、高速走行時でも安定と快適さを兼ね備えた空気ばね式の振子型サスペンションを装備しました。

東山公園モノレール 軌道 東山公園モノレール

2-2.オルレアン実験線とFahrenheit 451

フランス国鉄およびパリ交通公団は共同で、フランスのオルレアンの近くのシャトーヌフーシュルーロワールに、サフェージュ(SAFEGE)式モノレールの試験線を建設しました。
このオルレアン実験線にはSAFEGE式モノレールでは第1号となる分岐器や、車両検査施設も設けられました。
(工期は1959年4月〜1960年4月、〜1967年まで運用)

その後、1967年までフルサイズ車両を用いた試験が続けられます。
(概観形状は後に登場する東山動物公園のSAFEGE式モノレールと酷似しています。)
その後オルレアンの試験線は、1970年〜1971年の間に段階的に解体され、現在は存在しません。

このオルレアン実験線が登場する映画にFahrenheit 451「華氏451」があります。
Fahrenheit 451「華氏451」とは、フランソワ・トリュフォー監督による1966年のイギリス映画です。
原作はレイ・ブラッドベリ著「華氏451度」で、タイトルの華氏451度とは紙の燃焼が始まる華氏451℃(=摂氏233℃)を意味します。
この「華氏451」の映画の中で、主人公が通勤に使う交通手段としてオレルアン実験線のモノレールが登場します。
モノレール以外の撮影はイギリス内で、モノレールを使用したシーンはフランス国内で撮影しています。

2-3.日本エアウェイ

SAFEGE式モノレールは、その後フランス国内で発展していくことはありませんでしたが、海を渡った日本では、三菱重工業によって受け継がれていくことになります。
三菱重工業はSAFEGE式モノレール技術の国内導入にあたって、日本エアウェイ開発を設立させます。
その後同社は、名古屋の東山公園へ短距離路線を開業させ、同時にSAFEGE式モノレールの試験とデータ収集を行いました。
東山公園では、植物園と動物園の間を結ぶ本格的な観客輸送用の路線建設が議論されいたため、上記路線を計画していた三菱重工業は名古屋市へサフェージュ式モノレールの導入を提案しました。
三菱重工は実験線の開業によってサフェージュ式の試験データを収集をする代わりとして、システムの保守管理を低廉で行いました。

1964年(S39)2月、三菱が建設費用約2億円を持ち、名古屋市交通局(名古屋市交通局協力会)による運営によって東山公園のモノレールは開業を果たしました。
車両は1両編成とし、アルミ合金の車体に赤い帯を配した塗装は、その後ウルトラマンにもなぞらえられました。


写真 国内におけるSAFEGE式モノレールの元祖、東山公園モノレール。今もなお園内に静置されている。

東山公園で培った実用データを基に、その後の湘南モノレールおよび千葉都市モノレールの開業へ繋がっていきます。
なお、東山公園のSAFEGE式モノレールは、1974年12月に廃止されています。
現在でもモノレール車両は、旧植物園駅(売店直上)に移動され当時の鋼軌道桁とともに静置されています。

東山公園モノレール 千葉モノレールの先祖とも言える東山公園モノレール

〔SAFEGE式モノレールの運用年表〕

 1959年-1960年 オルレアン実験線(フランス)
 1964年-1974年 名古屋市交通局協力会(東山公園モノレール)
 1970年-     湘南モノレール
 1988年-     千葉都市モノレール

2-4.SAFEGE式モノレールの軌道桁

SAFEGE式モノレールの軌道桁は、側壁部、天井部および下部に配したスキンプレートと、補剛フレーム(以下、リブと略記)ならびに案内走行部プレートにより構成されています。
構造としては、軌道は左右の側壁部、天井部および下部桁を溶接により一体化され、下方に開口部を有した箱型断面形状を有しています。

 千葉モノレールの軌道桁  千葉モノレールの軌道桁 1号線

さらに、SAFEGE式モノレールの軌道桁はリブをスキンプレートの外側に配置するか内側に配置するかによって、外リブ型と内リブ型に分類する事ができます。

内リブ型の鋼軌道については、溶接設計、施工上および構造詳細設計上、外リブ型 に比べ問題点が多いとされている事から、国内で営業している路線(湘南モノレール(一部)および千葉都市モノレール)では、ほとんどの箇所で外リブ型の鋼軌道が採用されています。
また、内リブタイプの鋼軌道においては、軌道桁内において等間隔にリブが内周に沿って直立した形状を取ります。
このため、案内部および走行部プレートはこれらをかわす形で配されています。

前記天井部と前記側壁部と前記下部桁の内周側または外周側は、周方向に沿うリブが配されています。

このリブは該箱桁の長手方向に所定の間隔で設けられ、モノレールを支える軌道桁を補強しています。
等間隔に続くリブは軌道外観から確認できるため、サフェージ式モノレール軌道の特徴的イメージの一つにもなっています。

軌道桁の補強構造については、特に千葉都市モノレールの開業に先駆けて更なる改良が行われました。
千葉都市モノレールの起工式が執り行われたS57年、三菱重工では建設費削減と軽量化を命題とした新軌道桁の開発に着手しました。
3年後のS59年、疲労損傷に対する信頼性の向上、構造の単純化と軽量化および溶接量の低減が図られた新軌道桁が世に送り出される事となり、建設が進められる千葉都市モノレールにて採用されました。

 千葉モノレール 動物園駅付近  千葉モノレール 千葉駅付近を行く0形

懸垂型モノレールの軌道桁は、下面にスリットを有する箱断面薄肉はり構造で、モノレール車両輪荷重を支持するための断面保持機能が要求されます。
この断面保持機能は軌道桁長手方向に所定のピッチで設置されたリブ(補剛リング)が担っていますが、従来の軌道桁ではこのリブが単独で支持する構造であったため、一箇所に大きな応力が作用していました。
対して、新軌道桁ではリブを密に配する事(表参照)と、側面に連続水平スチナフを設け、軌道桁長手方向への荷重分散効果によって応力集中を緩和し、疲労耐久の向上および軽量化が図られました。同時に部材の単純化と制作の簡易化も図られています。
従来の軌道桁    新軌道桁 
 曲率半径(m) リブピッチLP(m)   曲率半径(m) リブピッチLP(m) 
 50≦R≦100  1.2  R≦200  1.2
 100<R≦200  1.6
 200<R≦300  2.0  R>200   1.5 
 300<R  2.5
※三菱重工公称値より引用


千葉都市モノレール 1000形
1000形

1000形

 開業当初からの車両。
 製造年次によって行先表示器等に違いが見られます。
 0形の登場によって、1次車は順次0形に置き換えられる予定です。
 千葉モノレール新型車両 アーバンフライヤー0形
0形「アーバンフライヤー」
 

0形「URBAN FLYER 0-type」

 2012年度に導入が開始された新型車両。
 従来車両をベースに、バリアフリー化や新しい技術基準への適合などが行われました。そのため、車椅子スペースおよびドア上部に開閉チャイム付きの案内表示器を設置する等細かな仕様変更があります。
 先頭部の床下にはガラス窓を採用するなど、斬新なアイデアが多数盛り込まれています。
 V車化された事で、エネルギー効率及び乗り心地の向上が図られました。
今後は、初期に製造された1000型1次車と順次置き換えられる予定です。


 千葉モノレール千葉駅  千葉都市モノレール千葉駅入り口
 千葉都市モノレール1000形俺ガイル号  千葉都市モノレール俺ガイル号
 千葉モノレール 1000形
 国内最後のSAFEGE式モノレールとなった
 千葉都市モノレール1000形 90年代
 千葉都市モノレール1000形の車内  千葉都市モノレールの洗車機
   
 千葉都市モノレールの司令室  千葉都市モノレールの司令室 本社
 千葉都市モノレール モノレール車両  千葉都市モノレールの車両基地
 千葉都市モノレール動物園駅 
 千葉都市モノレール 1000形の車内
 
 千葉駅を出る千葉都市モノレール1000形
延伸工事中の千葉都市モノレール1号線 
 夕暮れを行く千葉都市モノレール1000形


 

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