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千葉都市モノレール 延伸計画概要および全体構想について

-Chiba Urban Monorail-

 

1.千葉モノレール延伸計画概要と全体構想

千葉市は、東京都心から40km、県土のほぼ中央に位置し、平成4年には政令指定都市への以降を目指す一方首都圏における業務核都市としての都市基盤整備等が着々と進められていました。一方で都市開発に平行する形で問題となったのが、慢性的な交通渋滞。特に、交差点において渋滞が激しく、都市交通の主要な役割を果しているバスも大きな影響を受け、公害も発生し、都市交通のあり方が問題視されていました。このため、将来の都市交通のあり方について急務の課題となったことから、次の事項を中心に調査検討が行われました。これが後の千葉モノレール建設に発展していく事となります。

モノレール計画は、千葉市の大プロジェクトの一つとして位置付けられる事となり、特に「中心市街地への輸送体系の強化」「JR千葉駅へ一点集中となっている体系の分散」「海浜ニュータウンおよび内陸住宅団地と中心市街地相互間の交通の有機的な結合」がテーマとして付されていました。上記を鑑みたのマスタープランが昭和51年度に作成され、総延長40kmにもおよぶ軌道系交通機関の計画が示されました。

千葉都市モノレール営業路線とマスタープラン
図 マスタープラン・延伸検討ルートと現行営業線(千葉モノレール)

S51年 モノレールマスタープラン策定
S52年 千葉都市モノレール事業化決定
S54年 千葉都市モノレール株式会社設立
S55年 千葉都市モノレール建設事業に関する基本協定を県市で締結
S56年 軌道運輸事業特許取得および都市計画決定
S57年 起工式(S57年1月29日)
S63年 第一次開業 2号線 スポーツセンター〜千城台間開業 (S63年3月28日)
H 3年 第二次開業 2号線 スポーツセンター〜千葉(仮)間開業 (H3年6月)
H 7年 第三次開業 1号線 千葉みなと(中央港)〜千葉間開業(H7年8月1日)
H11年 第四次開業 1号線 千葉〜県庁前間開業(H11年3月24日)

2.千葉モノレール延伸計画(2018年現在)

 千葉モノレールでは、2009年代に1号線の次期延伸区間として予定されていた県庁前〜市立青葉病院前までの延伸計画が、財政難を理由として白紙となった。しかしながら、延伸計画凍結が発表された9年後の2017年、千葉市が財政健全化を果たした事で、千葉モノレールの延伸計画についても再検証が成される事となった。
 なお、この再検証においては1号線県庁前〜市立青葉病院前までの延伸ルートだけでなく、当初マスタープランの一部として構想されていた稲毛ルートについても、合わせて実施される事となった(各2ルートの概要は、それぞれ以下バナーより閲覧いただけます)。

3.千葉モノレール延伸計画廃止 2019年9月4日

 2019年9月4日千葉市では、延伸凍結としていたモノレール病院ルート(県庁前駅〜市立青葉病院間)について、再検証の結果、延伸計画を廃止とし、同じく検証が進められていた稲毛ルート(穴川駅〜JR稲毛海岸駅間)についても、モノレール導入を行わないことを決定した。
 
千葉都市モノレール路線図 出典:”千葉都市モノレール延伸計画について (c)千葉市
ピンク色および黄緑点線が病院ルート、赤点線が稲毛ルート。





・ 再検証の結果は以下の通り。
1.費用便益比(総費用に対する総便益の比率)からの検証結果
費用便益比について算出したところ、病院ルートについては0.87、稲毛ルートについては0.73となった。
※費用便益比は、1.0以上であれば総便益が総費用より大きいことから、一般的には妥当なものと評価される。
2.モノレール会社の経営に対する影響
長期経営収支計画を基に、延伸した場合のモノレール株式会社の経常収支について推計したところ、延伸した場合は、新たな資金需要が必要なことから、経営状況に影響が生じることが明らかとなった。

千葉市では、記者発表資料”千葉都市モノレール延伸計画について”において以下の通り結論を付している。
・モノレール延伸計画、通称病院ルート(県庁前駅〜市立青葉病院間)については、再検証の結果、延伸計画を廃止とし、都市計画法に基づく諸手続きを進める。
・稲毛ルート(穴川駅〜JR稲毛海岸駅間)については、検証の結果、モノレール導入は行わない。

千葉モノレール1号線延伸案
(県庁前〜千葉大学〜市立青葉病院前)
1号線延伸の凍結が発表された当時に計画されていた、県庁前〜市立青葉病院前までの延伸計画再検討ルート。ルート自体の変更ではなく、財政健全化によって当初延伸計画を再検証するというもの。詳細はリンク(バナー)先ページで紹介。  千葉都市モノレール1号線延伸計画検証ルート
千葉モノレール県庁前駅軌道末端部c田村拓丸
1号線延伸計画ルートの開始点
「県庁前駅」軌道末端部

都市計画決定された千葉寺ルートに準拠し、軌道は末広方向に向け設計および建設されている。

1号線延伸計画ルートの終端駅
「市立青葉病院前駅」位置
稲毛ルート支線案
(都賀〜(既営業区)〜穴川〜稲毛〜京成稲毛〜稲毛海岸)
マスタープランに示されていた都賀〜稲毛海岸までのいわゆる稲毛ルート。建設時に稲毛ルート用の分岐駅として想定されていた「穴川駅」が、複々線に対応した構造として建設されている事でも知られる。1号線延伸計画に並行して、採算性確保の可能性が考えられる稲毛ルートについても検証するというもの。詳細はリンク(バナー)先ページで紹介。  千葉都市モノレール稲毛ルート
 千葉モノレール穴川駅c田村拓丸
稲毛ルート用の分岐構想駅「2号線穴川駅」

将来の分岐駅として機能させるべく、複々線構造に対応した設計が成されている。
 
稲毛ルートの終着点「稲毛海岸駅」想定位置

マスタープラン上は幕張までの構想が存在するが、検証が行われる稲毛ルートとしてはここが計画末端部と位置付けられる。

幕張新都心モノレール
幕張新都心モノレールは、1971年頃より千葉県および千葉市によって策定されたマスタープラン(後の千葉モノレール1号線および2号線)の内、主に幕張新都心部区域のルートを指す路線名称。広義では未成線に位置付けられる。幕張新都心モノレールは千葉モノレールの次次期延伸構想ルート(マスタープラン計画当初は初期構想ルート)として位置づけられる。
 
幕張新都心モノレールのルート
15号線海浜大通り

幕張新都心モノレールのルート
海浜幕張駅付近 

図 幕張新都心モノレール(千葉都市モノレール マスタープラン(幕張新都心部)) ルート



【参考文献・出典】
「千葉都市モノレール」千葉駅に接続
-千葉都市モノレール(株) 安原専務取締役・藤田前常務取締役
モノレール No.73:1991/(日本モノレール協会機関紙)/日本モノレール協会
未来を拓く千葉都市モノレール
モノレール No.64:1988/(日本モノレール協会機関紙)/日本モノレール協会
「千葉都市モノレール」千葉駅に接続
-千葉都市モノレール(株) 安原専務取締役・藤田前常務取締役
モノレール No.73:1991/(日本モノレール協会機関紙)/日本モノレール協会
千葉都市モノレール1号線(千葉駅〜県庁前駅間)延伸開業 (モノレールの現状)/千葉都市モノレール(株)/ No.95:1999 (日本モノレール協会機関紙)日本モノレール協会
千葉県企業庁事業の軌跡 本編/千葉県企業土地管理局 2017.3
千葉県企業庁事業の軌跡 別編/千葉県企業土地管理局 2017.3
幕張メッセ : 幕張新都心のすべて/千葉日報社
夢をつないで : 千葉都市モノレール20年のあゆみ/千葉都市モノレール20年のあゆみ社史編纂委員会/千葉都市モノレール 1999.12
幕張メッセ建設工事の記録/千葉県企業庁 1990.3



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