2018年、北九州モノレール社はおよそ19年振りとなる新型工作車を導入する。
導入を予定する工作車は、従来型に引き続きバッテリー式の普通型工作車。従来通りバッテリー式とた理由は、深夜、工作車が現場までの移動する際の騒音を抑制する目的。工作車の動力としては、国内の都市モノレールではバッテリー式が主流となっているものの、沿岸部を走る東京モノレール等では、スピードと航続距離が確保できるディーゼル式が主役として活躍する。
北九州モノレール社への新型工作車の導入は、平成29年度1車両、平成30年度1車両の計2車両が計画されている。従来車両の内1車両は廃棄されると推定される。
現在戦力として活躍する工作車は若番から順に201、202、301および501号工作車と特殊作業に用いるクレーン付き工作車MOR-4Nの計5台。19年前、当時新型として導入された501号の導入に際しては、開業時より活躍していた工作車101号が車庫の収容枠の兼ね合いで引退および廃車となっている。北九州モノレールは開業から33年が経過し、開業初期に導入された201および202号工作車も同様に30年が経過、更新時期を迎えている。
製造が予定されているメーカーは、同社工作車としては初となる「北陸重機工業(通称、北重)」。多摩モノレール社等では既に導入実績がある(多摩モノレール社ではバッテリー式工作車K-1およびK-2として稼働中)。なお、新型工作車の導入に先立って、北九州モノレール社では保守基地の増設を昨年末より実施中。
保守基地の増設の様子はこちらから。
多摩モノレールの工作車 K-2
(多摩モノレール社、北陸重機工業社製)
同北陸重機工業社製工作車 K-1
(多摩モノレール社 多摩モノレールまつり2017にて)
工作車とは、営業運行の終了する深夜(終電後午前0時過ぎから午前4時頃まで)、軌道の保守、点検などの作業を行うモノレール専用の保守作業車両。一般に、モノレール車両としてではなく機械として扱われる。モノレール路線では例外を除いて、空中の高い位置にレール(軌道桁)が設置されているため、地上からの作業では限界および制約が生じる。このため、軌道桁上を保守作業員・保守工作機械を備え移動できる「工作車」がこれらの作業に従事する事となる。
保守作業中の工作車501号
(北九州モノレール、日本輸送機(ニチユ)製)
工作車には、車両全面および側面に作業台が設けられており、保守作業者はこの作業台上から保守点検補修作業を実施する。ペンダント(リモコンの様なもの)による操作が可能な工作車も存在し、作業車は作業台上で作業を行いながらにして工作車を移動する事が出来る。また、側面の作業台は上下に昇降できる構造を有し、軌道側面のみならず、軌道を支える支承部や駅構内床面を対象とする作業にも対応が可能となっている。
北九州モノレール(公式)
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