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2.北九州モノレール小倉線 北九州空港(曽根)方面延伸 ※当枠は参考程度としてお取り扱いください。 2-1.北九州高速鉄道(北九州モノレール)北九州空港(曽根方面)延伸構想 [企救丘〜北九州空港延伸について] 表題としている北九州空港は、モノレール開業時点では現在の地点ではなく曽根地区に位置していました。そのため、曽根地区までの延伸が行われていた場合、空港アクセス路線としての役割をになっていたかもしれません。
今日において北九州空港までの延伸については、以下理由によって実現が困難であるとされています。@整備に巨額の事業費が必要であること,A鉄道およびバスとの競合ではその採算性が確保できる需要が見込まれないこと等(いずれも北九州市HP内QandAより引用) 2-2.北九州モノレール車両基地線分岐機に残された延伸計画の痕跡 北九州モノレール小倉線の延伸が計画されていた証が、実は現在の営業路線内に存在しています。それが、終点である企救丘駅先に設置された車両基地線分岐器。 北九州モノレール小倉線企救丘駅(終点)の先には企救丘車両基地があります。車両基地へは、企救丘駅を出た後車庫線に入線するための逃し桁付き方渡り分岐機を通過します。この逃し桁付き方渡り分岐器には実は小倉線曽根方面延伸に関わる重要な秘密が隠されています。
企救丘駅に設置されている分岐機は、通称逃し桁付き方渡り分岐機と呼ばれるタイプの分岐機です。営業線および非営業線観点からの区別で見ると、関節可とう式分岐機というタイプに分類されます。この関節可とう式分岐器※は、通常営業線内での使用に限られる事がほとんどです。 その理由としては、 @営業線用に開発された分岐機である事(分岐機鋼軌道桁の安定案内面が進路長に湾曲する構造を有しており、関節式分岐機と比較して乗り心地が良い。 A関節式分析器に比べ設置規模および保守メンテナンスが増大するため営業路線内で使用する事がほとんどである。 等が挙げられ、車庫線への入線のみの用途としては過剰設備という事になります。(同タイプの分岐器は競馬場駅にも設置されているが、こちらは安定案内板の湾曲(曲がり)が無いタイプ。
そしてもう一つの「理由」として挙げられる点が、車庫寄りの片渡り分岐器が、直線方向へ方向転換できる設計になっているという事です。図[逃し桁付き方渡りおよび2差複合関節可とう式分岐器]中に示す片渡り分岐機(分岐用鋼軌道)は通常車庫方向軌道へ接続されています。しかし、床面の設備を確認すると、そこには直線方向に進路を変えるための支承およびレールが設置されています。さらに、車庫線に接続された鋼軌道にはオレンジ色の縦線が入っていますが、これは分岐機軌道の末端にペイントされた、接続部分の印です。現状動作可能であるか確認が取れていませんが、明らかに直進方向へ進路を変更できるよう建設されています。 上記二点の「理由」から、企救丘駅先に設置された分岐機は将来延伸された場合でも、営業線として乗客を乗せたモノレール車両が通過できる構造(または設計)となっています。これらは、小倉線建設時は企救丘駅を終点として設定したものの、将来の曽根方面への延伸を考慮し建設を進めていたという事になります。 2-3.企救丘車両基地に残る幻の留置線用地 まえおき 北九州モノレール北九州空港延伸に関連した話題として本項に挙げる事としました。 2016年現在、北九州モノレールには新造車両1編成を含む全10編成が在籍しています。企救丘車両基地の最大収容値は14編成として設定および建設されており、あと4編成分の余力があります。実は、北九州モノレール小倉線の建設時、企救丘車両基地の収容値は最大18編成として計画されました。つまり、あと4編成を収容するための幻の留置線(用地※)が存在するという事です。※現状の敷地容積で8編成分の収容力増強が可能という事になります。 この8編成分の車両増備は、現状の運用ダイヤでは過飽和となるため必要がありません。この幻の留置線は、その後の延伸を視野に入れていたと考えるのが自然です。 さて、その幻の留置線は基地内のどこに計画されていたのでしょうか・・・。 企救丘車両基地の配線を思い浮かべる事のできる方はすでにお気づきの通り、現留置線(3線)の最西部には空白地帯があります。 当初はここに、新たに3差の関節式分岐器を設置し、3線分(内1線は既存線)の留置線を設置する計画となっていました。この留置線の設置によって、更に4編成分の車両を収容する事が可能となります。実際の車両基地建設時は、工費、運用ダイヤおよび補修コストを考慮してこの留置線が設置される事はありませんでした。仮に空港または曽根方面への延伸が実現していたとしたら、この場所に留置線の姿があったかもしれません。最後に付け加えると、この留置線用地は開業から30年経過した今も、基地内に生芝地として存在し続けています。さらに、指令室にもこれら事項の痕跡が残っています。
2-4.北九州空港までの現状アクセスおよび現状把握 ここで本題(北九州モノレールの北九州空港(曽根方面)への延伸)に戻ります。北九州開港よりおよそ10年が経過した現在、北九州空港への主要アクセスは自家用車またはバスのみとなっています。 路線バスは、小倉駅よりエアポートバス(西鉄)が運行中です(40分程度)。その他、黒崎駅および折尾駅からもエアポートバスが運行されています。最寄の鉄道路線(JR日豊線)からは、朽網駅および苅田駅よりシャトルバスが運行されています。 2-5.将来計画 北九州空港アクセス鉄道計画 モノレールによる延伸は、現状ではかなり難しい状況ではありますが、JR小倉駅と新北九州空港を結ぶ空港アクセス鉄道として、現在3つのルートが考えられています。(北九州空港は建設時より、後の起動系交通のアクセスを考慮した計画となっています。) 下記にその3ルート案を示します。 (1) 在来線直通路線 JR小倉駅と空港を最短距離で結ぶ在来線新門司ルート (2) 新幹線直通路線 (1)と同じルートを新幹線で結ぶ高規格新門司ルート(新幹線規格:またはフリーゲージ規格) (3) 在来線日豊本線支線 日豊本線と空港を結ぶ在来線下曽根ルート 3.モノレールによる北九州空港延伸ルート(想定) それでも、モノレールによって北九州空港まで延伸したとした場合の想定ルートを以下に示しました(下図参照)。 @企救丘-(横代)-(長野)-(津田)-(下曽根)-(中曽根)-((北)朽網)-(北九州空港) A企救丘-(横代)-(長野)-(津田)-(下貫)-(日豊ニュータウン)-(朽網)-(北九州空港)
もともと小倉線は、東西線、黒崎線を含む3線構想の内の一つ。小倉駅より徳力区間を経由し、曽根方面への建設が当初の計画であった事から、曽根方面への延伸を考慮した設計は当然であると言えます。(備考:他に嵐山口を直線通過し、嵐山口周辺に車両基地を設ける計画もありました。)
繰り返しになりますが、北九州空港への北九州モノレール小倉線の延長は、現時点で可能性は限りなくゼロに近い状況となっています。とはいえ、既存の公共交通機関はバス路線に限定されており、さらに当空港の利便性を向上させるためには、軌道系交通機関の設置は必須であると言えます。福岡空港の過密化も指摘される中、今後の当空港へのアクセス路線の整備に期待が高まるばかりです。 |
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【参考文献】
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-北九州モノレールのあれこれ・目次-
北九州モノレールには小倉線の他に、黒崎線(モノレール)、東西線(鉄道)の計画があった。
北九州モノレール小倉線、北九州空港方面延伸にまつわる「あれこれ」。
既存路線内に残される延伸計画の痕跡。
北九州モノレール小倉線建設ルートにまつわる「あれこれ」。
小倉線小倉駅進入ルートと、知られざる徳力嵐山口車庫の計画。
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