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北九州モノレール延伸に関するアレコレ

北九州モノレールのあれこれ


北九州モノレール建設ルート 
3.北九州モノレール小倉線 建設ルート


3-1.小倉駅への進入経路

現在、北九州モノレール小倉線は、そのメインルートとなる322号線を北上し、JR小倉駅内まで乗り込む形となっています。通称小倉駅南高架ルートと呼ばれるこのルートは、元々の終点を現在の平和通駅としていましたが、1998年4月に現在のJR小倉駅まで乗り入れる延伸工事が行われました。
北九州モノレールの建設に先立っては、主に3案の小倉都心部乗り入れルートが存在しました。一つは実際に採用に至った「南口高架ルート」、不採用となった残る二つのルートが「南口地下ルート」および「北口高架ルート」となります。
この3案区間に該当する香春口以北の都心区間については、建設に際して多くの課題が存在したため、事前にコンサルタントを実施、その結果をふまえた上で検討および最終決定を行いました。


3-1-1.小倉駅南口高架ルート
(図中青色で表記)(採用ルート)

実際に小倉線へほぼ同じ形状で採用されたルート。
都市計画道路8号線(幅員40m)の中央分離帯をモノレールの進行ルートとし、小倉駅南口に高架で接続するルートです。この案の最大の課題として、都市玄関口となる小倉最都心部の景観が損なわれる事と、構造上小倉駅北口以降の延伸が不可能となる事で、モノレールを高速鉄道網とするネットワーク効果が薄れる事等が懸念されました。
最終的に、3案中最も建設費用が安くなる事が決定打となり採用に至りました。

 
北九州モノレール小倉都心部乗り入れルート
小倉都心部モノレールルート案

小倉駅に乗り入れる北九州モノレール
現在の小倉駅の様子
3-1-2.小倉駅南口地下ルート
(図中緑色で表記)

都心部へ乗り入れる形状として、地上区間を占有しない最も理想的とされたルート。
最大の課題はやはり、膨大な建設費を必要とする事、地下への進入口および導入区間に大きな用地を必要とする事でした。
地下への導入区間は道路より潜入を行う場合、既設道路の中央分離帯を広く占有する事となります。平面道路の通行車線を著しく圧迫し、延長300m〜400mに及ぶ地上区間の占有が生じるため、この区間のブロック(区画街)の分断が起こる事となってしまいます。これらの対策として、香春口交差点位置より右折し浅香通りに進路を取った後、神嶽川の手前で更に進行方向を左に変え、川の左岸沿いに潜るルートが計画されました。
そもそも、モノレールという軌道系交通機関は高架による建設において最大のメリットを示します。軌道に跨る構造を有するモノレールは、地下構造物として建設した場合、既存の普通鉄道より必然的にトンネル断面積を大きく作る必要があり建設費用の増大に繋がります。更に南口地下案では、平面及び縦断勾配ともに理想的な線形を取る事が出来ず、速度も落とさざる負えないというデメリットを併せ持っていました。

 神嶽川のモノレール進入ルート
神嶽川
川の左岸沿いがモノレールの地下進入部と想定されていた区域
 北九州モノレール地下案ルート
神嶽川(モノレール軌道は右岸)
モノレール軌道は奥手より手前(地下空間)へ向かう。


3-1-3.小倉駅北口高架ルート
(図中赤色で表記)

小倉線への採用案として有力視されていたルート。
昭和46年3月の調査でまとめられた北九州高速鉄道網のルートに合致した形状として提案されたものです。都市計画8号線を香春口で分岐し、浅香通り(浅野町愛宕線(幅員25m))を北上、鹿児島本線および山陽新幹線をオーバークロスし、駅北エリアで進路を左に取り、小倉駅北口へ到着するルートとして考えられました。
後の山陽新幹線小倉駅開設(昭和50年3月)に合わせ、既設の南口駅前広場を補完する北口広場の建設、都市高速道路、モノレール等の交通施設計画を加え、北口およそ50haの再開発整備およびモノレールを軸としたターミナル駅の設定が考えられていました。ただ課題も多く、北口への進入ルートとなる在来道路幅員が25mと狭い事もあり、新幹線をオーバーパスする際のモノレール下部構造は大掛かりなものとならざる負えませんでした。また、該当区画は小倉都心部であったため、駅施設に伴う道路拡幅が困難である事、新幹線を跨ぐ区間での曲線、縦断勾配とも最小、最急となり、線形的にかなり無理をしなければならない事等が挙げられました。
最終的に3-1-1.小倉駅南口高架ルートが採用され、近年にはJR小倉駅へ延伸されるまでに至りました。
現在、駅からモノレールが飛び出る様は、北九州市の代名詞とも言える景色となりました。
南口地下案および北口高架案が採用されていた場合、いずれにおいても現在の景色は成しえなかったものと考えられます。

3-2.嵐山口車両基地
(加執中)


 

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-北九州モノレールのあれこれ・目次-
北九州モノレール初期構想 小倉線、黒崎線および東西線
北九州モノレールには小倉線の他に、黒崎線(モノレール)、東西線(鉄道)の計画があった。
北九州モノレール北九州空港延伸
北九州モノレール小倉線、北九州空港方面延伸にまつわる「あれこれ」。
既存路線内に残される延伸計画の痕跡。
北九州モノレール小倉線建設ルート
北九州モノレール小倉線建設ルートにまつわる「あれこれ」。
小倉線小倉駅進入ルートと、知られざる徳力嵐山口車庫の計画。

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