東京モノレール浜松町駅の様子(北口側)
現在の位置を維持しつつ、浜松町駅は拡幅および改築工事を実施する事となった。
拡幅工事は写真左手側へ建物が拡張される構図となる、駅内についても2面2線にて整備される予定。 |
浜松町駅ビルは地上6階、地下2階建て、全8階層からなるSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)および一部S造(鉄骨)の複合ビル。
1984年(昭和39年)、東京モノレール浜松町〜羽田空港間開業時に運用が開始され、東京モノレールにおいて最古の駅舎となる。
中央部は地階が駐車場、地上部分は店舗、事務所及び駅施設の複合用途施設となる。
プラットホームはこのうち5階部分に配置され、写真中央に写る北側部分は1984年(昭和49年)にホーム部分が延伸、車両長および編成長拡大に対応できる様になった。
この浜松町に隣接する世界貿易センタービルは地上40階建て、高さ152mを誇る超高層ビルとして1970年(昭和45年)に竣工。
その後、翌1971年に記録を塗り替えられるまで、当ビルは日本一の高さを誇った。
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複線化および拡張前後の東京モノレール浜松町駅 |
白色で示す枠が現在のビル群の配置、黄色で示す枠は、将来のビル群の配置。
さらにクリーム色で示す枠が、2017年現在の浜松町駅の配置、赤枠で示す部分が改築・複線化後の東京モノレール浜松町駅の区画(いわゆるモノレール棟区画)です。
改築・複線化後の東京モノレール浜松町駅は、現在の世界貿易センタービルの東側区画を一部使用し横幅の拡張が図られます。
さらにJR線側(東側)についても、横幅の拡幅が図られます。
計画されるA-3棟は、JR線を横断するモノレール橋の北側部分を避ける形状で建物が建設されると見られます。 |
【東京モノレール浜松町駅改築定点撮影シリーズ】
-東京モノレール浜松町駅改築2018年着工・2027年完了-
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1.東京モノレール新橋〜羽田
1960年代、東京モノレールは前身を日本高架電鉄としていました。
同社は1961年12月羽田〜新橋間の免許を取得します。後の東京モノレール羽田空港線となる鉄道計画です。
1964年の東京オリンピック開催に開業を間に合わせるため、その後用地取得が困難となった「新橋駅」起点を改め、浜松町〜羽田間において東京モノレール開業させる事となりました。
開業から50年を目前に控えた2000年代、親会社のJR東日本によって再び東京モノレールの新橋延伸計画が発表されます。
以降、浜松町駅の複線化改良計画と合わせて、東京モノレールの新橋駅(および東京駅)までの延伸計画が議論され続けられる状況となっています。
90年代の浜松町駅の様子
(画像は新橋駅側(東京駅側)の車止め)
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90年代の浜松町駅の様子
当時はホームドアーが未設置だった。 |
2016年12月現在の浜松町駅の様子 |
2016年12月現在の浜松町駅の様子 |
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2.東京モノレール新橋・東京駅延伸計画
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2-1.東京モノレール 新橋までの延伸計画発表(JR東日本)
2002年1月、親会社となったJR東日本より、東京モノレールを浜松町(新駅)より新橋に延長する計画が発表されました。
延伸関して最大の問題点となるモノレール延伸用地に関しては、JR線の上空部分が対象として挙げられました。
この延伸計画は中長期計画として発表されたもので、東京モノレール新橋駅の設置位置およびその間における中間駅の設置については、当発表時点では具体的に示される事はありませんでした。
当延伸計画(工事)については、後述する浜松町駅の拡張工事の完了が前提とされました。
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東京モノレール浜松町駅外観写真 |
東京モノレール浜松町駅より新橋方向へはJR線直上を沿った延伸ルートが想定されている。 |
新橋駅ホームより東京モノレール浜松町駅方向を見る。 |
新橋駅ホームより東京駅方向を見る。 |
2016年12月現在の東京モノレール浜松町駅
東京モノレール浜松町駅北口より見た
新橋・東京駅方向
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2-2.浜松町駅複線化改良計画
2009年6月、東京モノレールは国土交通省に対し、浜松町駅の2面2線化(複線)改良計画を提出します。
現状単線として運用する東京モノレール浜松町駅のホームおよび軌道について、文字通り2面2線化(複線)するというもの。
それまで浜松町駅新駅舎の建設が計画されていた旧新幹線線路用地については、浜松町駅西口周辺開発における、浜松町駅全体改築用地として計画している旨がJR東日本より示された。
このことで、東京モノレール浜松町駅の複線化計画は、現状(現浜松町駅)位置における改築という形で実施される事が濃厚となりました。
2010年9月には、東京モノレール羽田空港線について、新橋駅または東京駅への延伸を行うための具体的な検討に入ったと報じられました。
東京モノレールが東京駅まで延伸した場合、1,000億円以上が必要であると試算され、新橋駅の場合では駅建設を除く費用は1/3に、工期も早ければ数年程度で完成できるとされました。 |
東京モノレール浜松町駅北口より見た
JR東日本浜松町駅 |
浜松町駅に入線する2000形東京モノレール車両
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浜松町駅の改築後の様子
(c)JR東日本 |
2-3.浜松町駅周辺の交通施設整備計画概要発表
2012年10月に浜松町駅周辺の交通施設整備計画の概要が発表されました。
コンコースを大幅に拡幅するほか、2014年度から世界貿易センタービルの建て替えを行い、2024年度に完成させるなどの具体的な内容が公表されました。
その後の2013年2月には、JR東日本の定例会見によって、JR浜松町駅および東京モノレール浜松町駅全体の改築が発表されます。
合わせて、東京モノレール東京駅延伸については、工期やコストなどの観点から、現時点での事業化は難しいとの考えが示される事となりました。
つまりこの時点において、東京モノレール東京駅延伸に関する決定権を握るJR東日本が、事実長東京駅までの延伸を否定した事になります。
東京モノレールは浜松町駅の改築工事を待って、本来計画されている新橋駅への延伸を再考する事となりました。
2-4.羽田空港アクセス線
2013年11月、羽田空港アクセス線(鉄道路線)の整備検討に入った事が報じられる。
(休止中の東海道貨物線を活用した羽田空港新線) |
東京モノレール浜松町駅北口
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東京モノレール浜松町駅改札 |
運河の間を軽快に走る東京モノレール車両 |
2-5.浜松町駅周辺地区土地区画整理事業と浜松町駅の複線化
2016年現在、「浜松町駅周辺地区土地区画整理事業」の施工認可取得見通しが立った事で、世界貿易センタービルディング周辺が一挙に生まれ変わろうとしています。
新設ビルの竣工は27年度が予定されており、これに合わせて東京モノレール浜松町駅も50数年振りに生まれ変わる事となりました。
詳細は、2.「浜松町駅周辺地区土地区画整理事業」(浜松町駅複線化計画)にて記載。 |
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3.「浜松町駅周辺地区土地区画整理事業」(浜松町駅複線化計画)
東京モノレール2000形車両
東京モノレール浜松町にて
2016年12月現在の浜松町駅の様子(JR東日本)
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2016年、「浜松町駅周辺地区土地区画整理事業」が本格的に動き出しました。
世界貿易センタービルディングおよびJR東日本が共同で施行するもので、2016年8月中に、港区の施行認可を取得する見通しとなりました。
浜松町駅西口では、2013年3月に世界貿易センタービルを含む区画が「浜松町二丁目4地区」として都市再生特別地区に指定されていました。
先行するB街区については2015年11月に既に着工済。
既存建物の解体工事は一部で既に進められており、2017年9月には敷地内南側の「A-3棟」新設ビルの本体工事が着手される予定となっています。
その後は、「A-2棟、A-1棟、モノレール棟」の建設工事に移ります。
東京モノレール浜松町駅は文字通り、A街区のモノレール棟に該当します。
モノレール棟の建設工事を含め、全体としての竣工は27年度が予定されています。
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2017年3月現在の東京モノレール浜松町駅東京駅側外観
(複線化工事後は建屋が左右両側に拡大する格好となる。)
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東京モノレール浜松町駅構内の配置図
(避難経路図)
駅右手に位置する(西側)世界貿易センタービルをかわす格好でホームが続く。 |
2017年3月現在の東京モノレール浜松町駅
(世界貿易センタービル側壁面)
写真中央付近の壁面部分も奥方へ拡大される。 |
2017現在の東京モノレール浜松町駅
(世界貿易センタービル側壁面)
現在、壁の向こう側に位置する世界貿易センタービルを避ける格好で駅(ホーム)が続いているが、複線化工事後は左方向へ拡幅される。 |
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