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旧姫路市営モノレールのページ姫路市営モノレール廃線跡

姫路モノレール延伸ルートに位置する船場元町ビル群
姫路市営モノレール延伸に関連して
船場元町のビル群について

姫路市営モノレール延伸ルートに関連して(船場元町のビル群について)

1.船場元町のビル群(姫路モノレール延伸構想)

国道2号線沿いに連立する船場元町ビル群。
以前より姫路モノレール延伸時を想定した構造になっているのではないか?、3階位置に設置された床面にモノレール軌道が載るのでは?等噂がたえません。
多くの姫路モノレールサイトにおいて話題として挙げられるも、真相は明らかにならず一つの都市伝説の様に扱われてきました。
当サイトでもこの様な状況を鑑みて、一つの項目(ページ)として掲載しておりませんでした。

しかし、2016年9月22日に開催された「姫路モノレール50周年シンポジウム」の中で、冒頭挨拶された石見市長より「元町ビル群の裏手はモノレールの建設を考慮し作られた」旨の言及がありました。

 姫路モノレールシンポジウム
姫路モノレール開業50周年シンポジウム
(2016年9月22日13時〜開催(済))
 姫路モノレールシンポジウム会場
シンポジウムの会場となった姫路文化センター
(写真はシンポジウム受付の様子)

現在の石見市長は、当時モノレール建設を主導した石見市長のご子息にあたります。
公式な文書として記録されているわけではないものの、該当ビル群がモノレール延伸予定ルートであった事を事実上公に示す事となりました。

上記コメントがあった以上、船場元町のビル群を姫路モノレール関連施設として捉え、当ページを掲載する事といたしました。

2.船場元町ビル群

大将軍駅より一路北上し、白鷺交差点より該当するビル群は連立しています。
姫路モノレール大将軍駅より見た船場東ビル
大将軍駅跡より北上(モノレール軌道は南下)
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施)
船場東ビル傍の信号
白鷺交差点
交差点を右折すると姫路城表入り口方向となります。
 船場東ビルを東進すると姫路城
白鷺交差点を東方向へ右折すると、その先は姫路城前の表通り。
 船場東ビルより姫路モノレール大将軍駅方向を見る
同位置より大将軍駅方向を振り返る。
大将軍駅の向こう側(南側)には手柄山駅へ続く軌道跡が未だ多く残されています。
大将軍駅付近には分岐し北上する延伸構想が存在した様で、今回紹介している船場元町ビル群もその北上ルート付近に位置しています。
姫路モノレール延伸ルートと噂される船場東ビルの外観
ビル群連立の口火を切る船場東ビル
外観上大将軍駅ととてもよく似ています。
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施)
琴丘ビル外観
船場元町ビル群最西に位置する琴丘ビル
(昭和40年11月定礎)
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施) 

なお、定礎が印された日付では船場元町のビル群の建設はおよそ西方向から開始されているようです。
船場元町に連立するビル群は大枠で7棟、構成および定礎日付は以下の通りとなっています。
※定礎(テイソ)とは一般的に、定石(基礎の土台)を定めた日を指します。
近年ではある程度上部構造物が出来上がった後、式典時に設置される事が多くなっています。

ここからは、大将軍駅より北上し一棟目に出現する船場東ビルより順に西方向へ辿っていきます。

3-1.船場東ビル 昭和47年4月定礎

まず始めに登場するのが「船場東ビル」。
船場元町ビル群の中では、最後に建設されたビルという事になります。
右下に示す船場元町ビル群配置表からもわかる通り、ここから紹介する船場元町ビル群の時系列はおよそ逆転した並びとなります。
 
 モノレール延伸ルートと噂される船場東ビルの定礎板
船場東ビルの定礎板(昭和47年4月)
日付は定礎板に記されたもの
(以降に記載する日付はいずれも定礎板記載のもの)
以降ビル項毎に以下の船場元町ビル群の配置表を添付いたします。

[船場元町ビル群配置(定礎日付)]
船場東ビル 昭和47年4月
船場西ビル 昭和45年1月
-区間 公園-
元町東ビル 昭和44年6月
元町西ビル 昭和43年3月31
日新ビル 昭和43年3月31日
船丘ビル 昭和41年12月
琴丘ビル 昭和40年11月

姫路市営モノレールの営業休止が昭和49年04月11日である事から、船場東ビルはその2年前に建設が進められていた事となります。
そして、上記に示す配置一覧の定礎板日付より、この船場東ビルの建設が船場元町ビル群最後の建築構造物となった事がわかります。
 船場東ビルの全体写真
ビル群連立の口火を切る船場東ビル
外観上大将軍駅ととてもよく似ています。
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施)
 姫路モノレール延伸ルートと噂される船場東ビルの側面
上層構造物(4階以上)を支えているのは両脇の支柱。
場所打ち杭による施工と推定されます。
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施)
 モノレール延伸ルートとされる船場東ビルの北側道路
[船場東ビルの北側]
北側を裏手と考えたとすると、市長のおっしゃるモノレールルートとは写真位置を通ったという事になる。
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施) 
船場東ビルの2階部分
[ビルの2階部分]
グラウンドレベルより見上げた船場東ビルの2階層部分。
上面天井上は駐車場スペースとなっています。

3-2.船場西ビル 昭和45年1月定礎

2番目に登場するのが船場西ビル、定礎日付は昭和45年1月となっています。
これは、時系列的には姫路モノレール休止のおよそ4年前という事になります。
  元町東ビル定礎板
船場西ビルの定礎板 昭和45年1月
[船場元町ビル群配置(定礎日付)]
船場東ビル 昭和47年4月
船場西ビル 昭和45年1月
-区間 公園-
元町東ビル 昭和44年6月
元町西ビル 昭和43年3月31
日新ビル 昭和43年3月31日
船丘ビル 昭和41年12月
琴丘ビル 昭和40年11月
 船場西ビルを見る
船場東ビルより見た船場西ビル(南側西方向)
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施)
 船場東ビルを見る
船場東ビルより見た船場西ビル(北側西方向)
船場西ビル店舗部分
船場西ビルの南側店舗沿いの様子
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施)
 船場ビル断面
船場東ビルを見上げる

3-4.船場西ビル〜元町東ビル間

船場東及び西ビルと、次の建築物となる元町東ビル間には公園が設置されています。
  
公園の様子
-区間 公園- 
裏手通りの様子 

3-5.元町東ビル 昭和44年6月定礎

公園を通り過ぎると3番目の建築物、「元町東ビル」が見えてきます。
  船場西ビル定礎板
元町東ビル 昭和44年6月
 [船場元町ビル群配置(定礎日付)]
船場東ビル 昭和47年4月
船場西ビル 昭和45年1月
-区間 公園-
元町東ビル 昭和44年6月
元町西ビル 昭和43年3月31
日新ビル 昭和43年3月31日
船丘ビル 昭和41年12月
琴丘ビル 昭和40年11月
 船場西ビル外観
元町東ビルの外観
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施)
船場西ビル北側外観
元町東ビル北側外観

3-6.日新ビル 昭和43年3月31日定礎

 
  ビル店舗
日新ビル 昭和43年3月31日
[船場元町ビル群配置(定礎日付)]
船場東ビル 昭和47年4月
船場西ビル 昭和45年1月
-区間 公園-
元町東ビル 昭和44年6月
元町西ビル 昭和43年3月31
日新ビル 昭和43年3月31日
船丘ビル 昭和41年12月
琴丘ビル 昭和40年11月
 モノレールルートとなるビルの裏手  

3-6.船丘ビル 昭和41年12月定礎

船丘ビル、昭和41年12月定礎の建築物です。
次に紹介する琴丘ビルとならんで、船場元町ビル群の建設初期に建てられたものとなります。
  船岡ビル定礎板
船丘ビル 昭和41年12月
[船場元町ビル群配置(定礎日付)]
船場東ビル 昭和47年4月
船場西ビル 昭和45年1月
-区間 公園-
元町東ビル 昭和44年6月
元町西ビル 昭和43年3月31
日新ビル 昭和43年3月31日
船丘ビル 昭和41年12月
琴丘ビル 昭和40年11月
 
船岡ビル外観  船丘ビル側面 

3-7.琴丘ビル 昭和40年11月定礎

姫路モノレール開業(昭和41年5月)のおよそ半年前、船場元町ビル群の最西に位置する「琴丘ビル」に定礎板が刻まれています。
以降、昭和47年4月定礎の船場東ビルに至るまで、ここまで辿ってきた船場元町のビル群は次々と建設されていきました。

 ビル群の最後となる琴丘ビル
琴丘ビル 昭和40年11月
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施)

琴丘ビルの西側 
琴丘ビルの西側
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施)
また、当ビルは姫路モノレールとほぼ同時期に建設が進められていた可能性が高い建築物です。
よって、3-6.琴丘ビルとならび、姫路モノレール延伸を考慮して作られた可能性が最も高い部類である事が推定されます。

[船場元町ビル群配置(定礎日付)]
船場東ビル 昭和47年4月
船場西ビル 昭和45年1月
-区間 公園-
元町東ビル 昭和44年6月
元町西ビル 昭和43年3月31
日新ビル 昭和43年3月31日
船丘ビル 昭和41年12月
琴丘ビル 昭和40年11月


市街地改造法に基づき設置され続けた船場元町ビル群も、皮切りとなったこの「琴丘ビル」を最西、船場東ビルを最東として建設が終了しています。
 琴丘ビルの北側
琴丘ビルの北側
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施)
 琴丘ビルの北側部分拡大
琴丘ビルの北側
(写真はプライバシー保護のため一部加工処理を実施)

以上をもって、いわゆる船場元町ビル群は終了となります。
計画序盤に建設されたビル群については北側に、計画後半に設置されたビル群については建物両側に張り出し部分が設置されています。施工図を確認したわけではありませんが、このビル群にモノレール関連インフラを後付けで設置(乗せる)するというのは難易度が高そうだという印象です。いずれにしても、船場元町ビル群は大将軍駅等の構造物とならんで、当時の層配置と非常に酷似した作りとなっています。「モノレール延伸」との関係を一先ずとして、このビル群には時代の面影が色濃く残されていました。 

4.船場元町ビル群建設の年表と姫路モノレールの主要事項年表比較

[船場元町ビル群の構成および定礎板日付]
船場東ビル 昭和47年4月
船場西ビル 昭和45年1月
元町東ビル 昭和44年6月
元町西ビル 昭和43年3月31
-区間 公園-
日新ビル 昭和43年3月31日
船丘ビル 昭和41年12月
琴丘ビル 昭和40年11月

この間、姫路モノレールの主要事項年表(以下)と照らし合わせると、およそ姫路モノレール開業〜営業休止の間に船場元町ビル群が建設されている事がわかります。

[姫路モノレールの主要事項年表]
昭和39年 免許取得
昭和41年5月 姫路モノレール開業
昭和41年6月 姫路博閉幕
昭和49年4月 営業休止
昭和54年1月 事業休止


以下が船場元町ビル群および姫路モノレールの主要事項年表をミクスチャーしたもの。

[全体年表]
昭和40年11月   琴丘ビル
昭和41年04月03日 姫路大博覧会開幕
昭和41年05月17日 姫路モノレール開業
昭和41年06月05日 姫路大博覧会閉幕

昭和41年12月   船丘ビル
昭和43年03月31日 日新ビル
昭和43年03月31日 元町西ビル
昭和44年06月   元町東ビル
昭和45年01月   船場西ビル
昭和47年04月   船場東ビル
昭和49年04月11日 姫路モノレール営業休止

上記年表を見る限り、ビル群の建設は姫路モノレール建設時と同等、あるいは開業後に徐々に進められた事が見て取れます。
以上で、姫路市営モノレール延伸ルートに関連して(船場元町のビル群について)の項を終了します。

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