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モノレール国内編 多摩モノレール延伸
多摩都市モノレール延伸是政ルート

多摩都市モノレール延伸是政ルート概略図
Tama monorail/Japan

多摩都市モノレール延伸 是政ルート散策

 
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3.多摩都市モノレール是政延伸ルート散策

 多摩都市モノレール是政延伸ルートは、西武玉川線是政駅より西進し、向陽台または若葉台区域を横断した後、南多摩尾根幹線を伝って小田急多摩線唐木田迄を繋ぐ事が計画されている多摩都市モノレール路線構想の内の一つです。
 今回、これら是政ルート上における主要ポイントについて散策を行いました。
 なお、ルート詳細が不確定な南武線南多摩駅~向陽台(および若葉台)および多摩南野交差点までに至る南多摩尾根幹線区間については散策対象外としております。

多摩モノレール是政ルートにおける散策部としては、是政駅より順に、
 3-1.是政(西武多摩川線接続)
 3-2.是政橋
 3-3.南多摩(南武線接続)
 3-4.南多摩駅以南
 3-5.南多摩駅以南 南多摩尾根幹線
 3-6.南多摩尾根幹線道路(多摩南野交差点)
 3-7.南多摩尾根幹線道路(町田ルート交点~唐木田間)
 3-8.唐木田
 3-9.南大沢(八王子ルート共用区間)
 3-10.八王子(八王子ルート共用区間)
 の全10項目として記載いたしました。
 なお、3-9.南大沢および3-10.八王子については実質多摩モノレール延伸構想八王子ルート上にあたりますが、営業運用される事となった場合、是政ルートは八王子ルートと唐木田以降のルートを共用する事が濃厚であるため合わせて掲載させていただきました。

 本項「多摩都市モノレール是政延伸ルート」では、これらの主要ポイントを画像集形式で紹介いたします。

3-1.是政

 西武多摩川線是政駅付近に末端駅が設置されると想定される多摩モノレール是政ルート。
 西武多摩川線是政駅へは、中央線武蔵境駅から西武多摩川線に乗り継ぎ向かうことになります。
 写真1は中央線武蔵境駅のホームの様子。
 この左手に西武多摩川線是政駅が位置しています。


西武多摩川線是政駅
写真2 西武多摩川線是政駅

 西武多摩川線は全線単線ですが、途中交換駅で上下線の交換を行います。
 終点の是政駅も1線1面の構成です。
 駅南側に保線用線が2線設置されています(写真3)。
 
中央線武蔵境駅
写真1 中央線武蔵境駅
多摩モノレール是政ルートの終点となる西武多摩川線是政駅
写真3 是政駅を出発する西武多摩川線車両
多摩モノレール是政ルート是政駅
写真4 是政駅外観写真

 3-2.是政橋

 是政駅南側直近には多摩川が控えていますが、都市計画道路としては府3・4・7号線是政橋にてこれを越河します。
 多摩モノレール是政ルートが設置される場合、この是政橋に並行してモノレール橋が新設される事が考えられます。
 是政橋自体は2011年3月に工事完了、現在上下4車線で利用されています。

多摩モノレール是政ルート是政橋
写真6 是政橋からの眺め
(西側面)
モノレールのルート上に位置する是政橋
写真5 是政橋外観写真
 是政橋から多摩モノレール是政駅方向を見る
写真7 是政橋からの眺め
(南側から是政駅側を望む)
 南武線南多摩駅が見えてきた
写真8 是政橋南側
正面に見えているのが南武線の高架線

3-3.南多摩駅

是政駅傍より南下を始めた多摩モノレール是政ルートは、是政橋を越えた地点で、一つ目の中間駅となる南武線の南多摩駅付近に至ると想定されます。
 南武線の南多摩駅は、東京都稲城市内に位置する島式1面2線ホームの高架駅。元々は地上駅でしたが、高架化工事が完了した2013年より高架化駅として運用が開始されています。
 現在の駅前に広がる空き地は、当時の地上駅時の駅部分の名残となっています(写真9)。
 
南武線南多摩駅
写真9 南武線南多摩駅外観
 南武線南多摩駅よりモノレールルート是政橋を見る
写真10 是政橋方向を振り返る
南武線南多摩駅ホームよりモノレール延伸ルートを見る
写真11 南武線南多摩駅ホームより見た是政橋
3-4.南多摩駅以南

 
多摩モノレール是政ルートは、南武線南多摩駅以南はベースルートが未確定ではあるものの、現在している都市計画道路としては多3・4・16号が挙げられます。
 以降、この多3・4・16号線を伝って南下、向陽台地区に出た後、南多摩尾根幹線に合流するものと仮定して以下内容は記載しております。

 南武線南多摩駅よりモノレール延伸ルートを横方向に見る
写真13南武線 南多摩駅ホームより撮影

3-5.南多摩駅以南 南多摩尾根幹線

 南多摩尾根幹線とは、調布市の多摩川原橋を起点として、稲城市、多摩市、八王子市、町田市の町田街道までを貫く全長16.6㎞の都市計画道路です。

 多摩ニュータウンを貫く幹線道路として、1965年多摩ニュータウンの都市計画決定と共に都市計画決定(1969年)されました。
 幅員は本道およびその上部にモノレール専用道を敷設するものとして構想され、43m~58mと大型での設計が成されました。

 多摩ニュータウン自体は1971年頃から開設され、1979年には工事用道路を開通させます。しかしその後の整備については反対運動の高まりによって事業自体が停滞。
 沿道環境配慮策として、1991年に掘削構造による整備へと構造変更が成され、このことにより唐木田~稲城市百村間においては掘削構造およびトンネル区間による整備にて進められる事となりました。

 その後も長く事業自体の停滞が続いていた南多摩尾根幹線ですが、2015年2月18日、整備を主導する東京都都市整備局記者発表で整備方針が決定されました。
 渋滞緩和や防災性強化を目的に未完成の8.8km区間と0.9km区間について全線4車線化での整備を行う(方針)というもの。
 掘削構造での検討が進められていた稲城市百村から多摩市鶴牧間についても平面構造への変更が示されました。
南武線南多摩駅の鉄道橋
写真12 南武線とのクロス部分、これより南(奥手)が多3・4・16号線。
多摩モノレール多摩センター駅
写真14 多摩モノレール

 3-6.南多摩尾根幹線道路(多摩南野交差点)
(多摩モノレール町田延伸ルートとの交差点)

向陽台付近から南多摩尾根幹線をルートとしてきた多摩モノレール是政ルートは、南多摩尾根幹線と都道156号線とが交わるこの「多摩南野交差点(写真15および16)」で将来の多摩モノレール町田ルートと立体交差します。
 図1に立体交差の概略図を示しました。
 多摩モノレール是政ルートはあくまでも構想段階に留まっており、優先順位としては多摩モノレール町田ルートが圧倒的に上位に位置していると言えます。
 このため、多摩モノレール是政ルートが整備される場合、先に建設される事が想定される町田ルートを上部で越道する必要が生じます。
 イメージ参考として、写真17に京王線および小田急線を跨ぐ多摩モノレールの様子(多摩センター駅)を示します。

多摩南野交差点で多摩モノレール同士が立体交差する
図1 多摩モノレール延伸ルート立体交差外略図
 南多摩尾根幹線上の中央分離帯
写真15 多摩南野交差点
(唐木田方向)
多摩モノレール町田ルートおよび是政ルート交差点
写真16 多摩南野交差点
(多摩センター駅方向) 
 多摩モノレールと京王多摩センター駅
写真17 京王線および小田急線を跨ぐ多摩モノレール
(多摩センター駅)
多摩モノレール多摩センター駅外観
写真18 多摩センター駅
多摩モノレール町田ルートは、多摩センター駅より都道156号線を南下し、多摩南野交差点に至る。
多摩南野交差点で多摩モノレール町田ルートと立体交差した多摩モノレール是政ルートは、以降もこれまでと同様、南多摩尾根幹線を西に進み「唐木田」を目指します。

本線および多摩モノレール専用道(多摩モノレール是政ルート)設置計画位置となる中央分離帯の様子を写真19および20に示しました。
多摩モノレール是政ルートが通過する都市計画道路
写真19 南多摩尾根幹線道路
(多摩モノレール是政ルート(唐木田方向))
多摩モノレール延伸ルートが設置される中央分離帯部分
写真20 南多摩尾根幹線道路の中央分離帯
将来、本線および多摩モノレール専用道が敷設される計画。

3-7.南多摩尾根幹線道路(町田ルート交点~唐木田間)

 多摩モノレールの延伸ルート尾根幹
写真21 南多摩尾根幹線道路
(唐木田駅方向)
多摩南野交差点付近より撮影
 尾根幹の中央分離帯部分
写真22 南多摩尾根幹線道路
(是政(向陽台)方向)
 唐木田方向の中央分離帯部分
写真23 南多摩尾根幹線道路
(唐木田駅方向)
南多摩尾根幹線道路上モノレール設置部となる中央分離帯
写真24 南多摩尾根幹線道路
(唐木田駅方向)
 多摩モノレール是政ルートは、南多摩尾根幹線中、将来の多摩モノレール八王子ルートと合流する事となります。
いくつかルートが想定されているものの、そのうちの一つが写真に示すメタセコイア通り(愛称)(写真25)と南多摩尾根幹線道路との合流地点(写真26)です。
メタセコイア通りは現在の都市計画(道路)には指定されていないものの、立地条件から両延伸ルートの合流地点としての可能性が高いと言えそうです。

この合流予想位置を過ぎると、いよいよ多摩モノレール是政ルートの末端となる唐木田駅が見えてきます(写真28)。
モノレール八王子ルートと想定されるメタセコイヤ通り
写真25 メタセコイア通りの名板
 多摩モノレール八王子ルートと是政ルートの合流点
写真26 メタセコイア通りと南多摩尾根幹線道路との合流交差点
(写真左方向から是政ルートが合流し、両ルートは唐木田駅(写真右方向)を目指す。)
 多摩モノレール八王子ルート想定道路
写真27 メタセコイア通外観
(都道156との合流方向(多摩センター方向))
多摩モノレール延伸ルート唐木田駅方向を見る
写真28 南多摩尾根幹線道路
(唐木田駅方向)

 3-8.唐木田

 多摩モノレール是政ルートの終着地点「唐木田」。
 実際これより以西は、先に建設が行われるであろう多摩モノレール八王子延伸ルートと共用(乗り入れ)する事が考えられます。

 唐木田では小田急多摩線の唐木田駅と接続が考えられていますが、南多摩尾根幹線上に多摩モノレールの唐木田駅を設置する事を前提とした場合、若干の移動距離が生じる事となります。

 小田急多摩線の唐木田駅は、単式ホーム1面1線および島式ホーム1面2線を有する2面3線の地上駅。
 駅舎は、事実上南多摩尾根幹線のグラウンドレベルに設置された橋上駅舎となっています。

 唐木田駅の南側には車庫(喜多見検車区唐木田出張所)があり、多摩モノレール延伸ルート上の唐木田大橋橋下部まで配置されています。

 なお、現在唐木田駅を終点とする小田急多摩線は、1990年に多摩センター駅から唐木田駅間が延伸されました。
 更に唐木田駅以降についても町田市小山田および相模原市中心部への延伸計画が存在します。
 この延伸計画については、2000年の運輸政策審議会答申第18号において今後整備を検討すべき路線として示されています。
 延伸ルートとしては、唐木田駅から小山田地区を抜け、相模原駅で横浜線と交差、上溝へ繋ぐ計画となっています。
 延伸区域に該当するのは町田および相模原市。両市では2027年までの計画の実現を目指しています。
多摩モノレール延伸ルート唐木田駅方向
写真29 南多摩尾根幹線
多摩モノレール是政ルートの終着地点「唐木田」方向を見る。
 モノレール延伸ルート唐木田駅付近の中央分離帯
写真30 南多摩尾根幹線
唐木田駅方向
 唐木田大橋
写真31 唐木田大橋(南多摩尾根幹線)
唐木田大橋より小田急線車庫を見る
写真32 唐木田大橋から見た小田急電鉄車庫
 多摩モノレール是政ルートは、北側に位置する小田急電鉄唐木田駅との接続が濃厚であると考えられます。
 また、小田急電鉄唐木田駅南側には同社の検車区(車庫)が存在しており、これを跨ぐ形で唐木田大橋(南多摩尾根幹線)が設置されています。
 
 唐木田駅の駅舎
写真33 小田急電鉄唐木田駅
ホームに停まる小田急線車両
写真34 小田急電鉄唐木田駅のホームの様子
 合わせて、唐木田付近には大妻学院(大妻女子大学多摩キャンパス)も位置しており、多摩モノレール是政ルート(および八王子ルート)は通勤用途としても活用が期待されます。 
小田急唐木田車庫
写真35 小田急電鉄唐木田駅のホームからみた車庫の様子 
多摩モノレール延伸ルートとなる唐木田大橋
写真36 車庫上部の一部は、唐木田大橋下に位置する。 
 唐木田駅付近より多摩モノレール延伸ルート是政方向を見る
写真37 唐木田駅付近からみた南多摩尾根幹線
(ルート上における是政(向陽台)方向)
 多摩モノレール唐木田駅設置想定位置
写真38 唐木田駅付近からみた南多摩尾根幹線
(ルート上における八王子方向)
 唐木田周辺区域における南多摩尾根幹線の整備計画としては、計画当初より平面構造として設計が進められており、先の整備方針の中にあっても、引き続き平面構造での整備が示されました。 


3-9.南大沢(八王子ルート共用区間)


 なお、多摩モノレール是政ルートは3-9で示した「唐木田」付近がルート西側末端(構想上)となりますが、実際は以西八王子までを多摩モノレール八王子ルートと軌道を共用する事が考えられます。
 主要区域としては、京王相模原線と接続する「南大沢」、八王子ニュータウン、八王子が挙げられますが、今回の散策ではこの内、「南大沢」および「八王子付近」を訪れました。
 以下は主に画像集として掲載しております。
 八王子ルートの詳細は、[多摩モノレール八王子ルート]のページを参照下さい。

 南大沢駅付近の輪舞歩道橋
写真39 南大沢輪舞歩道橋
(奥手が唐木田方向)
輪舞歩道橋
写真40 南大沢輪舞歩道橋
 上部をモノレール延伸ルートが通過すると予想される輪舞歩道橋上面
写真41 南大沢輪舞歩道橋の上部の様子
多摩モノレール延伸ルート上新駅となる南大沢駅設置想定位置
写真42 南大沢輪舞歩道橋
南大沢輪舞歩道橋をルート上八王子方向より見る
多摩モノレール駅舎
写真43 多摩モノレール駅(イメージ)
(画像は多摩センター駅)
分岐器を通過する多摩モノレール
写真44
 多摩モノレール(イメージ)
(画像は多摩センター駅付近)
 多摩モノレール延伸ルート南大沢駅を歩道橋より見る
写真45 南大沢輪舞歩道橋
南大沢輪舞歩道橋より見た南大沢駅想定位置
 多摩モノレール延伸ルート南大沢駅を下部道路より見る
写真46 南大沢駅想定位置
多摩モノレール是政(八王子)ルート
 京王線南大沢駅付近の陸橋
写真47 モノレールルートと京王相模原線がこの位置で立体クロスする。
多摩モノレール南大沢駅設置想定位置が写真中央左手の駐車場区画部分。
 多摩モノレール延伸ルート上南大沢駅付近の交差点
写真48 南大沢駅想定位置北側交差点外観
京王線南大沢駅ホームの様子
写真49 京王相模原線南大沢駅ホーム
(モノレールルートは写真では後ろ側)
 多摩モノレール延伸ルートは八王子へと続く
写真50 多摩モノレール八王子ルート
(南大沢駅前八王子方向)


3-10.八王子(八王子ルート共用区間)

多摩モノレール八王子ルート、そして是政ルートの事実上の終点となる八王子駅。
  2016年初頭、八王子市では多摩モノレールの延伸に期待する一方で、八王子市独自によるLRT(次世代型路面電車)構想も持ち上がりました。
これは八王子市の石森市長が提案を行ったもので、多摩モノレール八王子ルート用に確保された用地を活用しつつ、JR八王子駅および多摩ニュータウン地域とを結ぶLRT路線構想です。

しかし、この構想は2016年12月に導入を当面見送る事が発表されました。
多摩ニュータウンおよび八王子中心部までの導入ルートでは高低差が大きく、LRTでは登坂が難しい事等が理由として挙げられています。

東京都は同年(2016年)末に知事が交代、石森市長は「(このことにより多摩モノレール八王子ルートの整備が)前進することを期待している」と述べています。

なお、多摩モノレールの全体構想では、この八王子からさらに北上し、箱根ヶ崎までを繋ぐ環状線構想も存在しますが、実現する可能性は極めて薄いと考えられています。
モノレール延伸ルートとなる八王子駅前の通り
写真51 八王子駅南口より伸びる道路
多摩モノレール八王子ルートが計画される。
 モノレール延伸ルートとなる八王子駅前の通り 拡大写真
写真52 多摩モノレール八王子ルート
(写真は八王子駅南側の様子)
 八王子駅前のペデストリアンデッキ
写真53 JR八王子駅前の様子
 八王子駅中央の広場
写真54 JR八王子駅中広場の様子

多摩モノレール是政ルートの散策は以上となります。
南多摩尾根幹線外(是政~向陽台間)については基本的にルートが不確定だと言えます。
このため、該当区間においてはルートの構想図より想定される都市計画道路を散策いたしました。

繰り返しになりますが、多摩モノレール是政ルートは多摩モノレールの路線構想の中では比較的優先順位が低い方に位置しています。
まずは、箱根ヶ崎、町田および八王子の整備の進捗を見守りつつ、計画が再考される等の動きがあった場合は改めて散策に向かいたいと思います。

以上 /mjws.org
 
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多摩都市モノレール延伸是政ルート

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多摩モノレール八王子延伸について
多摩モノレール箱根ヶ崎延伸に関する情報ページ
多摩モノレール町田延伸について

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