11月23日にパリで開かれた博覧会国際事務局(BIE)総会において、2025年国際博覧会開催地が大阪市に決まった。加盟国による投票によるもので、日本が競合国のロシア(エカテリンブルク)およびアゼルバイジャン(バクー)を破り開催国の切符を掴んだ。日本国内での万博開催は、1970年の大阪万博(日本万国博覧会)、2005年の愛知万博(愛・地球博)に続いて3回目。大阪で大阪万博以来55年ぶりの開催となる事が決定した。
大阪万博は、大阪市湾岸部の人工島「夢洲(ゆめしま)」を会場とし、テーマを「いのち輝く未来社会のデザイン」としている。2025年5月3日〜11月3日の期間で開催し、来場者は2800万人、経済効果を2兆円と見込む。
2025大阪万博開催に合わせて、大阪メトロ中央線、JR桜島線の延伸も検討される。
会場鳥諏図
(c)2025 Japan World Expo Committee Secretariat
https://www.expo2025-osaka-japan.jp/overview/
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会場内の5カ所に「空」(くう)と呼ばれる大広場を設置する。
(c)2025 Japan World Expo Committee Secretariat
https://www.expo2025-osaka-japan.jp/overview/
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大阪万博2025と大阪モノレール
以下はモノレールの情報を専門とする当サイト視点のコメントです。
大阪万博2025には元々、6か所の開催候補地が存在しました。その6か所とは
@彩都東部および万博記念公園、A服部緑地、B鶴見緑地、C舞洲、D大泉緑地、Eりんくう公園およびりんくうタウンの計6項目。
今からさかのぼる事2014年、大阪府は2025年または2030年の万博博覧会を大阪へ招致する旨を公に発表。翌2015年には、産学官で構成する国際博覧会大阪誘致構想検討会による各種の検討を開始、検討項目の一つに会場の候補地選定がありました。
最終的な候補地は2016年6月にCの舞洲と決定しています。この時、一つのインフラの整備計画が事実上中止となる事が決定的となりました。それが、大阪モノレール彩都線東センターまでの延伸計画です。
候補地の@に示す「彩都東部および万博記念公園」による万国博開催となった場合、大阪モノレール彩都線東センターまでの延伸はほぼ決定的なものと考えられていました。現在の彩都東部には軌道系交通が存在せず、大阪モノレール彩都線の彩都西〜東センターまでの延伸は来場者輸送の点とその後の開発用途から必要不可欠な状況となっていたのです。
大阪モノレール彩都線延伸ルートと新設駅
万博会場候補地彩都東部最寄駅は東センター駅となっていた。 |
しかしながら2016年6月、2016年5月に追加候補地として加えられた夢洲が万博会場候補地に決定。この時点を持って大阪モノレールの彩都線東センターへの延伸が随分と難しいものへと変わってしまいました。
この決定を受けたおよそ半年後の2017年1月、採算性の見通しが立たなくなった事を理由に、大阪府は大阪モノレール彩都線の延伸を断念、正式に東センターまでの延伸計画が潰える事となりました。
大阪万博2025の開催決定に至るまでには、多くの障壁や課題解決が成されてきたと思いますが、その内の一項目には当延伸計画も若干ながら含まれていた時期がありました。大阪万博2025の大阪市夢洲での開催決定と、そこに至るまでのモノレールに関する歴史の一部およびその記録として当記事をここに掲載します。
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