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大阪モノレール彩都線
大阪高速鉄道 【大阪高速鉄道 国際文化公園都市線】

彩都西~東センター延伸に関するページ

-Expansion plan of the Osaka Monorail Saitoline-

大阪モノレール彩都線 東センターへの延伸断念
2017.1.27


彩都線延伸計画ルート山手台車庫周辺散策記録

彩都線山手台車庫の現在の様子

2016年5月 彩都線延伸計画ルート散策
大阪モノレール彩都線延伸ルート散策 前編  東センターから大阪モノレール山手台車庫の散策ページ

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大阪モノレール彩都線のページ
大阪モノレール 彩都線 走行画像集2015
大阪モノレール 彩都西駅 延伸
大阪モノレール 彩都西以北 延伸
大阪モノレール 豊川駅

1.大阪モノレール 国際文化公園都市線における彩都西~東センター延伸計画

1-1.彩都線延伸計画に関する現状把握

大阪モノレール国際文化公園都市線における建設計画は、大阪モノレール線(本線)の万博記念公園駅を起点として東センターまでを結ぶプロジェクトとされています。
今日では、計画路線のうち、万博記念公園~彩都西駅間が開業しており、次延伸予定区間は彩都西~東センター(仮名称)間とされています。

しかしながら、2017年1月、毎日新聞(1/27朝刊)によって、大阪モノレール彩都線延伸計画区間(彩都西~東センター)の計画断念が報じられました。
用途変更に伴い、採算性が見込めなくなった事などから、大阪府が正式に中止の方針を決めたものでした。
この時点で事実上、彩都線の最終着点は彩都西駅となりました。
当ページもその役割を終えた事になりますが、以降も資料ページとしてこのまま残しておきたいと考えます。

1-1-1.国際文化公園都市(彩都)

彩都(正式名称:国際文化公園都市)の建設が進められている茨木・箕面丘陵は、大阪都心部からおよそ20km、「千里ニュータウン」からはおよそ5kmに位置します。昭和61年に構想が発表された同都市は、丘陵地となる地形、最大縦勾配とそれに伴う登坂能力を有するモノレールが最適な都市交通機関として選択され導入が決定されました。モノレールを既存都市に敷設する場合と異なり、彩都では地区新設街路との一体整備が可能であったため、道路の用地買収が少なくて済むこと、さらには、設定された都市人口が中量輸送のモノレールに最適な規模で計画されていたため、これらが導入決定の要因となりました。

大阪モノレール彩都線は、既存中間駅である万博記念公園から北へ分岐し、万博記念公園を迂回する形で国際文化公園都市へ至る全長9kmのモノレール路線として計画されました。

1-1-2.都市計画道路

大阪モノレール彩都線が帰属する都市計画道路は、国道171号を軽油した後、茨木箕面丘陵線を主に彩都西(西部地区)、中部地区、東部地区を縦貫するものです。茨木箕面丘陵線は、モノレール路線が帰属する主要道路であると同時に、彩都3地区を縦貫する主要道路としても位置付けられます。

彩都線延伸部構造
延伸部路線構造と新設駅

1-1-3.延伸部路線構造と新設駅

阪大病院前から彩都西駅(西部地区、旧名称西センター駅)までは高架線高架駅。彩都西駅以降は駅北側に位置する分岐装置配置部より徐々に掘割構造へ移行、平行する茨木箕面丘陵線を横目に次駅の中部駅手前で地下路線となります。大阪モノレール全線で初の地下駅となる「(仮称)中部駅」以降は、上段を茨木箕面丘陵線、下段をモノレール専用道とする茨木川橋梁(仮称)をダブルデッキ構造で渡り、東部地区の東センター駅に至ります。東センター駅も中部駅と同様地下駅となる計画で、両駅ではコンコース階を地下に配置する案と、茨木箕面丘陵線上部に高架設置する案が検討されていました。彩都線では、東センターまでの延伸時は、同線の駐泊基地も設置される計画で、通称「山手台車庫」と呼称されます。地下駅となる東センター駅以降は、トンネル区間を介してGLに配置される「山手台車庫」に至ります。
大阪モノレール彩都線延伸ルートの標高データ
阪大病院前から東センター駅および山手台車庫に至る区間の標高
(Tokyo Peil:T.P.=東京湾平均海面)

1-2.大阪府 彩都線東センターまでの延伸断念[2017.1.27]

2017.1.27 毎日新聞の報道よって、大阪府が彩都線東センターまでの延伸を断念したと報じられました。
開発整備が進む西部地区および中部地区に対し、新たな終点となる予定であった東センター駅周辺(東部地区)では、周辺の使用用途が宅地用地から産業用用地へと変更。利用者を確保できず、採算の見通しが立たない事を理由としています。


 モノレール彩都線全構想ルート
大阪モノレール 国際文化公園都市線(彩都線)および本線の全構想ルート
(青線:大阪モノレール線、緑線:国際文化公園都市線(彩都線)、赤線:延伸計画ルート)
(門真市~瓜生堂駅間は延伸開業に決定が下されているため、青線として表記した。)

なお、東センターまでの延伸計画については、東センターを含む彩都の整備状況をふまえた上での整備予定とされていました。
開発整備が進む西部地区および中部地区に対し、東部地区の開発は未だ進展しない状況にあります。
更に2008年にはURが東部地区開発からの撤退を表明した事で開発継続は一層困難な状況となっていました。
 建設中の大阪モノレール彩都線
延伸工事が進む豊川~彩都西駅間

1-3.彩都線延伸計画仕様

彩都西~東センター延伸(東センターへの延伸)は彩都の整備状況をふまえて整備する予定とされています。
万博記念公園~彩都西間 区間開業済
開業区間:6.8km(5駅(起点万博記念公園込))
彩都西~東センター間 およそ2.2km

関連および参照資料:
財政再建プログラム(案)資料(主要プロジェクト)-彩都(国際文化公園都市)
(関連公共施設整備)
 Ⅰ 国文モノレール
建設主体 インフラ部 :大阪府
インフラ外部:大阪高速鉄道㈱
運行主体 大阪高速鉄道㈱
事業区間 万博記念公園駅~(仮称)東センター駅
(万博記念公園駅~彩都西駅は開業済み)
事業延長 9.1km
 Ⅱ 街路(茨木箕面丘陵線)
事業主体 大阪府
事業区間 西部地区界~中部地区界(岩阪橋梁)、
中部地区界~東部地区界(佐保川橋梁)
事業延長 岩阪橋梁L=280m
佐保川橋梁L=390m

 大阪モノレール彩都線万博記念公園駅
彩都線起点駅となる万博記念公園駅
 千里中央まで乗り入れる大阪モノレール彩都線車両
一部列車は千里中央駅まで乗り入れる。

2.彩都の開発状況

大阪府北方の箕面市および茨木市にまたがる丘陵地において、産学官主導による都市開発としてスタートした国際文化公園都市(通称彩都)。
彩都西部地区(彩都西)は平成16年4月に開業(街開き)を果たしました。
中部地区においては、産業ゾーンとして開発が進められ、既にプロロジスやスーパー(万代)の進出が決定しています。
東部地区については、平成24年6月にUR都市機構が開発計画から撤退する事が決定し、開発継続の難航が確実となりました。
その後、「彩都東部地区検討会」が設置され、東部地区開発の方向性などが検討されています。

彩都の主要アクセス路線として位置づけられる大阪モノレール彩都(国際文化公園都市)線ですが、西部、中部および東部3区画縦貫予定のうち、現在はは第1期である彩都西駅(西部)までの区間が開通(2007年3月19日)するに留まっています。

 延伸時は途中駅となるモノレール彩都西駅  入れ替え線で待機するモノレール車両


大阪モノレール彩都(国際文化公園都市)線の整備計画は、彩都の開発に沿って実施されていく事とされています。
このため、彩都開発の遅れ(特に東部地区)はモノレール彩都線延伸を大きく左右する重要事項となっています。
大阪モノレール彩都線彩都西駅以東への延伸は、中部および東部地区への同時延伸によるものとして計画されており、東部地区の開発が進まない場合は路線延伸の実現は無いものと考えられます。
 リニューアルされた大阪モノレール万博記念公園駅
改装後の万博記念公園駅
 2015年11月にはエキスポシティも開業
エキスポランド跡地に完成したエキスポシティー
彩都線起点駅となる万博記念公園駅周辺は、
エキスポシティー、サッカースタジアムの開業で賑わっている。

2-1.西部地区(大阪モノレール彩都西駅)

2004年(平成16年)4月、彩都西地区において第1期目が開業(街開き)しました。
引き続き2007年3月には、大阪モノレールが彩都西駅まで延伸開業し、彩都西地区は本格開業を迎えました。
彩都西駅の北側では、茨木箕面丘陵線(大阪府道1号茨木摂津線)が彩都中部方面へ向け延伸工事を進めています。

 彩都西地区の様子
順調に開発の進む彩都西地区
 大阪モノレール彩都西駅周辺の風景
豊川駅(万博記念公園駅)方面を見る。
 彩都西駅先で方向転換するモノレール車両
彩都西駅先引き上げ線で方向転換するモノレール車両。
左右に配置される軌道は、将来東センターまでの延伸時に使用される事となる彩都線本線軌道。
 大阪モノレール彩都西駅ホーム末端
彩都西駅南側末端より 豊川駅(万博記念公園駅)方面を見る。
現在のホーム長は4両編成用となっているが、将来の6両編成に対応した構造を取る。

2-2.中部地区および東部地区(大阪モノレール東センター駅(仮称))

大阪モノレール彩都線中部駅計画断面図
大阪モノレール中部駅当初計画断面図

大阪モノレール彩都線東センター駅計画断面図

大阪モノレール東センター駅当初計画断面図
彩都中部駅(仮称)と同様に地下駅での敷設が計画される。

彩都東部地区は、これまで住宅系の土地利用を中心に開発計画が進められてきました。
しかし、UR都市機構の東部地区撤退が決定となり再検討を余儀なくされました。
2015年11月には「彩都東部地区検討会」及び「彩都東部地区まちづくり有識者会議」において土地利用ゾーニング案が取りまとめられ、引き続き事業化の検討が行われています。
このように、長らく大きな進展がなかった東部地区でしたが、2016年1月 資生堂が彩都東部地区への工場の移転計画を発表しました。
新工場建設は、彩都東部地区の7万2350平方メートル区画に建設される予定とされ、従業員900人も同工場へ異動する事になります。
計画では平成30年に着工し、2年後の平成32年稼動開始予定となっています。
また、彩都東部地区は新名神高速道路の茨木北インターチェンジ(仮称)が現在工事中(平成30年度の開通予定)となっており、完成後は交通至便な立地となる事が確実です。
上述した資生堂の工場建設と合わせ、今後の発展が期待されます。

東部地区トピックス
・新名神高速道路(西日本高速道路):平成30年度の開通予定(東部地区:茨木北インターチェンジ整備予定)
・都市計画道路山麓線(府道余野茨木線~府道茨木亀岡線間):整備中(一部区間完工)
・資生堂工場移転:平成32年稼動開始予定

2-3.大阪万博 2025

2016年現在でも検討段階の域を脱していないものの、大阪府には大阪万博2025の開催(招致)計画があります。
大阪万博2025開催計画は、大阪モノレール彩都線延伸の実行可否を大きく左右する事項の一つとして挙げられます。

2014年中旬、大阪府は2025年または2030年の万博博覧会を大阪へ招致したい旨を公に発表します。
翌2015年には、産学官で構成する国際博覧会大阪誘致構想検討会を設置し本格的な検討段階に入りました。
2015年度時点での会場候補地として、
①彩都東部および万博記念公園、②服部緑地、③鶴見緑地、④舞洲、⑤大泉緑地、⑥りんくう公園およびりんくうタウンの計6箇所が示されています。
この中で、①彩都東部および万博記念公園における開催が決定された場合、彩都線の彩都西~東センターまでの延伸が、改めて協議される可能性があります。

なお、2016年1月には松井知事より菅官房長官に対し、大阪万博招致の協力要請が行われました。

万博開催データ(参考)
1970年 日本・大阪万博((Expo'70)日本万国博覧会:3月14日~9月13日、6ヶ月)入場者数6421万人
2005年 日本・日本国際博覧会(愛・地球博:3月25日~9月25日、6ヶ月)入場者数2204万人
2015年 イタリア・ミラノ万博
2017年 カザフスタン・アスタナ万博
2020年 アラブ首長国連邦・ドバイ万博

 HSSTリニモの車内
2005年 愛・地球博で登場したHSSTリニモ
(画像は車内運転台付近)
リニモは無人運行を実施している。
 大阪万博のシンボル 太陽の塔
1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」
2020年で50年を迎える。

3.彩都線延伸に関する資料およびトピックス

3-1.彩都西駅末端 現在(2015年)の様子


モノレール彩都西駅先の車止め モノレール彩都西駅2015年8月
彩都西駅先の車止め[2015.8現在]
現在の軌道末端は左右の道路面より若干下部に位置している。
概略図参照(茨木箕面丘陵線およびモノレール軌道配置概略図(彩都西駅北方軌道末端部))
延伸時はこのまま道路面半下部を推移し、現在工事中の岩阪橋梁部へ到達すると推定される。



大阪モノレール彩都西駅末端の構造
茨木箕面丘陵線およびモノレール軌道配置概略図(彩都西駅北方軌道末端部)。

入れ替え線(中央のモノレール軌道)が上下線に対して若干標高が下部に位置している。
入れ替え線は、入れ替え線内で一旦車両を停車させ進行方向を逆向きに変更する作業が生じる。
このため、入れ替え線上における傾斜を少なく取るため、画像の様に丘面に突っ込むような位置配置になった。
これに対して上下線では、延伸時は茨木箕面丘陵線に沿う形で登坂する必要がある。
このため、現在の様に登り勾配途中で軌道が途切れている。
結果として、現在の様に上下線および入れ替え線の標高差が生じている。




モノレール延伸ルートと箕面丘陵線 中部地区へ続く箕面丘陵線
車止めの先では工事が進んでいる。
中央分離帯が台形状に大きく取られているのは、モノレール延伸が実現した場合の事を考慮したもの。
現在、先で工事が進められる茨木箕面丘陵線は西行区間部分にあたる(写真方向では右側斜線)。
将来はモノレール軌道と共に東行線(写真左側部分)が整備される計画となっている。
将来完成時は、画像左より茨木箕面丘陵線東行、モノレール軌道(2線)、茨木箕面丘陵線西行の順に並列に並ぶ。




大阪モノレール彩都西駅以北延伸時のインフラ構造
茨木箕面丘陵線およびモノレール軌道配置概略図(彩都西駅以降)


 延伸工事中の箕面丘陵線
延伸工事中の茨木箕面丘陵線(大阪府道1号茨木摂津線)
岩阪橋梁 第2橋梁の末端部。
画像は、彩都西駅より北方へ進んだ位置
この先では彩都中部地域が開発中。
彩都線延伸時、モノレール軌道はこの左側に建設される。
(Google earth)
 箕面丘陵線よりモノレール彩都西駅を見る
茨木箕面丘陵線より、彩都西駅方面を見る。
将来、モノレールが彩都西より中部、東センターへ延伸された場合、この道路の右面にモノレール軌道が設置される(標準断面図/大阪府建設事業評価委員会資料)。さらにその右面には将来計画として茨木箕面丘陵線東行側の道路が新設される。
(Google earth)
 標準断面図
標準断面図/大阪府建設事業評価委員会資料
岩阪橋梁全体図 
岩阪橋梁全体図/大阪府建設事業評価委員会資料
橋梁施工図 
岩阪橋梁平面図/大阪府建設事業評価委員会資料
西行き線(下部)および東行き線(上部)の間にある空白部がモノレール軌道設置位置となる箇所。


大阪モノレール彩都西駅周辺の航空写真
工事が進む[彩都西駅]周辺

大阪モノレール彩都中部駅周辺の航空写真
工事が進む中部より[彩都西駅]方面を見る


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