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【 沖縄都市モノレール〔ゆいレール〕延伸区間を歩く 】
シリーズ第4回 浦添前田駅〜てだこ浦西駅
ゆいレール延伸区間を歩く1.ゆいレール延伸計画とてだこ浦西駅前回に引き続き、ゆいレール延伸ルートの散策を続けていきます。
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今回散策を行う区間。 浦添前田駅〜てだこ浦西駅間 |
浦添前田駅のイメージパース |
浦添前田駅を出たゆいレール延伸ルートは、直ぐにトンネル区間へと姿を消すことになります。 浦添前田駅自体、上り坂の途中部に位置しています。 浦添前田駅予定位置からは既に、下記に示めすトンネル新入部の工事の様子を見ることができました。 |
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工事が進められるトンネル新入部の様子。 |
先に位置するトンエル自体は、およそ掘削作業が完了しています。 撮影の翌月には無事に貫通を迎えました。 |
浦添前田駅予定位置より歩くこと数分、トンネル構造物が見えてきました。 |
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トンネル構造物の境界部。 |
トンネル工事を知らせる看板 |
トンネル構造物の工事現場脇は仮設歩道になっていて、写真一までは近づく事ができます。 |
歩道位置よりトンネル(新入部)内部を撮影。 |
整備された仮設歩道 |
新入部より直ぐに、ゆいレール軌道はトンネルに入っていきます。 |
トンネル新入部の壁面。 |
上写真の地上部 |
仮設歩道を通り、トンエル工事脇を進みます。 |
ゆいレール延伸ルートは、完全に地下に姿を消しました。 |
上部道路上には、カルバートの区画を示めす刻印が記されている箇所もありました。 |
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トンネル内部でゆいレール延伸ルートは大きく高度を下げ、終点のてだこ浦西駅に到達します。トンエル工事の入口現場付近は、写真の様に随分と下方に位置していました。 |
丁度この下付近をゆいレールの延伸ルートが通ります。 |
トンネルの断面図を示めす看板。 |
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断面図には工区も記されていて、地上の印と比較しながら歩くのも面白いかもしれません。 |
作業予定を示めす看板。 |
トンネル工事の工事現場入口 |
ゆいレール延伸ルートのトンネル断面の構造図 (標準断面図) |
トンネル工事の工事現場入口に掲げられた看板 |
浦西西原線1号橋の工事も進められています。 |
交差点を渡り、てだこ浦西駅および浦西西原線1号橋工事現場付近へやってきました。 |
既に駅前広場の工事が進められていました。 |
てだこ浦西駅周辺の様子 (画像左下は浦西分岐下部工) てだこ浦西駅周辺は、今回の延伸区間において目玉となる機能が多数設置される予定となっています。 その一つが沖縄自動車道との接続設備で、駅前には地上4階建て1000大規模の公営駐車場が整備されます。 この駐車場はパークアンドライド用として建設が進められるもので、ゆいレールと周辺交通のアクセスを促進する施設として期待されています。 特に観光客等はこの「てだこ浦西駅」で高速バスへ乗り換え北部へ移動する事によって、レンタカーの利用を抑制。 また、、本来市内へ直接乗り入れる事となる自動車およびその利用者も、このパークアンドライドを利用する事で市内の渋滞抑制に寄与する事となります。 この公営駐車場(パークアンドライド駐車場)は2017年度に本体工事に着手し、翌2018年度の施設完成を目標としています。 実際の運用は、ゆいレール延伸区間が開業する2019年の春からの予定となっています。 |
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てだこ浦西駅は画像中央付近に建設されます。 現在写真奥に見えているのが軌道の末端部。 |
2017年現在、ゆいレール関連施設としては「浦西分岐下部工」の工事が進められています。 |
浦添前田駅より続くトンエル区間は画像中央付近で地上部に出ます。 |
トンネルをでたモノレール軌道は直ぐに、写真に写る分岐設備を介してだこ浦西駅に到達します。 |
大阪モノレールの分岐装置 (万博記念公園) |
なお、ゆいレールが採用する日本跨座式モノレールでは、関連する多くの技術特許を開発元メーカーである日立製作所が持っています。 モノレール用分岐器装置の技術もこれに該当するため、分岐橋上部に設置される分岐器装置(鋼可動桁)の製作および設置は、日立製作所との随意契約となっています。 分岐器装置については2017年度末頃の完成が見込まれていて、ベースとなる分岐橋の完工時期と合わせて設置工事が着手されるものと推定されます。 日立製作所が世界にほこるモノレール用分岐装置には、大別して3種類の構造が存在します。 なお以下説明に示す転轍器とは、分岐器と同意です。 ・可とう式転轍器 ・関節式転轍器 ・関節可とう式転轍器 1つ目の可とう式転轍器は、鋼製の軌道桁を物理的に(力で)曲げてしまうというもの。 モノレール開発当初は、東京モノレール羽田線の一部の転轍器に使用されていましたが現在はいずれも廃止されています。 2つ目の関節式転轍器は、小サイズの鋼軌道桁を複数繋ぎ、これらを多段階的に折り曲げ進路を変更するというもの。 折れ角部分通過の際にモノレール車両が揺れてしまう事と、通過速度を高く設定できない事により、車両基地内等で採用されるケースがほとんどです。 3つ目の関節可とう式転轍器が、てだこ浦西駅浦西分岐に採用される営業線用の分岐装置です。 可とう式転轍器と関節式転轍器の良いとこ取りをしたような性能をもった転轍器で、日立製作所の技術力が光る分岐装置となっています。 基本構造は関節可とう式と同様に、小サイズの鋼軌道桁を複数繋いだものとなっていますが、案内および安定面板がベースの鋼軌道桁とは別に稼動するという、まさにコロンブスの卵的発想の仕組みを持っています。 両サイド上部の安内面板および両サイド下部の安定面板は、それぞれ鋼軌道桁内部を貫通した連結棒で連結され、横方向のサイズを維持しつづけます。 対して、長尺方向では応力によって緩和曲線を形成、滑らかな曲線を作り出します。 この構造によって、モノレール車両は滑らかに分岐器を通過する事が可能となり、乗客も最小限の揺れを感じるに留める事ができるようになります。 ただしネガティブな面として、可とう式や関節式転轍器より構造が複雑になってしまうため、製作に必要な費用がかさんでしまうという点が挙げられます。このため関節可とう式転轍器は一般的に、営業路線上にしか設置されない場合が多いと言えます。 |
北九州モノレールの分岐装置 (企救丘) |
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大阪モノレールの分岐装置 (門真市) |
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さて、周辺は立ち入り禁止区間が設けられていて、これ以上接近する事ができませんでした。 |
写真背面方向より迂回し、てだこ浦西駅軌道末端部側を目指します。 迂回といっていもなかなかの距離を歩く事となりますので、散策時はそれなりに気合が必要です。 |
てだこ浦西駅軌道末端部側に移動してきました。 |
既に、てだこ浦西駅軌道末端部側の支柱工事は完工しているようです。 現在は周辺の関連設備の工事が進められていました。 |
てだこ浦西駅軌道末端部の様子。 (右手に見えているのは、軌道末端部東側に位置する沖縄自動車道) |
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てだこ浦西駅軌道末端部より見たトンネル出口部付近。 まだトンネル構造物は確認できません。 |
てだこ浦西駅周辺の様子。 |
てだこ浦西駅予定位置の南側では浦西西原線1号橋の工事が進められています。 |
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てだこ浦西駅軌道末端部外観写真 |
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沖縄自動車道側より見た「てだこ浦西駅」軌道末端部 |
沖縄自動車道側より見た「てだこ浦西駅」軌道末端部 全体写真 |
「てだこ浦西駅」周辺イメージパース |
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「てだこ浦西駅」イメージパース |
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以上で、沖縄都市モノレール「ゆいレール」てだこ浦西延伸ルートの散策を終了します。 次回は2018年初頭での訪問を予定しています。 |